見出し画像

ともじり。M22赤治療の新しいパラメータを探す。

今まで様々なクリニックの先生・看護師さんに、レーザー機器やIPL機器の使い方を教えてきましたが、『効果が無ければ出力上げれば良いですか?』とよく聞かれます。

患者様からも『効果上げたいので、出力を上げて治療してください』と言われることも多々あるみたいで、出力さえ上下すれば良いと思われている節があります。

実際にはお肌の状態、治療したい病変、色調の濃薄、治療部位の深さ、痛みなどによって機械の選定、設定は大きく変わります。

光の波長(ターゲットの何に吸収されるか)、パルス幅(そのターゲットを熱する時間)、出力(それを熱するための熱量)、スポットサイズ、サブパルス(分割照射)などで、各々皮膚への深達度、エネルギーの強弱、痛み、組織変化がかなり変わってきます。

というように、各々の波長、パルス幅、出力等の特性を理解した上で治療すると、幾通りもの治療設定ができます。単に出力の上下だけでは単純な治療しかできないので、幅広い治療をするには上記項目の理解と設定が必要となります。

元祖IPL M22のすごさ

図2

波長、パルス幅、出力、スポットサイズ、サブパルス照射など、治療に必要な設定を各々設定できるのがM22です。私が見た中でも、ここまで複雑に設定できる機械はM22だけです。それだけに使いこなせば、より幅広い治療が可能ということになります。

出力をあげれば、痛みも出るし火傷のリスクがあがります。出力を上げずに他の設定を変えることで効果が上がれば良いなと当院は思っています。そこで今回、血管治療で新しいパラメータ(治療設定)を探したいと思います!

血管(ヘモグロビン)の吸収度合いをあげる!?

先ず、パラメータを考えるにあたって思い起こしたのは、メトヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)の吸収度はヘモグロビンよりも光吸収度合いが上がるということです。

図1

それを利用したレーザーで、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変換させ、吸収度合いを上げてからレーザー照射するというものがありました。

ただ、ヘモグロビンは62℃以上に加熱されるとメトヘモグロビンに変換されるが、直ぐにヘモグロビンに戻ってしまうらしく、通常のレーザー照射のみや、別のレーザーに切り替えての照射では、メトヘモグロビンへの照射に間に合わないというものです。

それをヒントにM22で考えてみたいと思います。

メトヘモグロビン照射への試み

今回試してみるのは、M22の波長帯はVascularフィルターを用いて、サブパルス照射はダブルパルスで行こうかと思います。

ファーストサブパルスでヘモグロビンを62℃以上になるよう少しパルス幅を長くし、ヘモグロビンへ戻る前にセカンドサブパルスまでのインターバルを短く設定、そしてセカンドサブパルスも長めのパルス幅でメトヘモグロビンをじわじわ血管を熱凝固させていこうというワケです。

AOPTという更に細かい設定モードがM22は使えるので、ファーストサブパルスは低めの出力で、セカンドサブパルスで吸光度が高くなってるうちに、少し高めの出力で凝固させます。

治療効果はまたのご報告

先ずは自分で試しましたが、なかなか効きそうな感じです。

血流が早い毛細血管等はプリセットの中のパルス幅が短い設定で効きそうですが、のっぺりしたものや血管腫っぽい血流が停滞してるものが混ざってる症状には、もっとパルス幅が長い方がいいような気がします。

今後、スタッフや身内、モニターさんへの照射で試していき、治療結果をご報告できたらと思います。

赤み治療は難しいですよね…。
患者さんにより良い治療がご提供できるよう、日々研究、勉強です。

患者さん良くなるとイイなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?