詩～無題～2021.4.8～

何もなかったとは言わない

何もなかったとは絶対に言わない

突然差し込まれた 厚紙のページ

僕の本に合わない

未だに馴染まなくて

今まで柔らかく湾曲することが出来た僕の本は

意図せず差し込まれた厚紙のページの所為で

ぎこちなくそこにある

所在なくぼくの中に存在している

大事な本であった

厚紙のページは柔らかくなることもなく

栞のように挟まって己だけを強靭に示す

本当に重たく硬いページで

今も今も圧倒的な存在感でそこにある

勿論、

厚紙のページ以降は上手くページがめくれない

先を読むことが出来ない

抜き去ることが出来ない厚紙のページは

本当に今の僕と明日の僕を支配する

破ることは簡単だ

でも、何故か出来なくて

解決策はあるのに

何故か出来なくて

厚紙のページに気づいて以来

こいつに悩み続けている

悩み続けても答えは出なくて

破ることも出来なくて

安易に考えることが出来なくて

軽く流すことが出来なくて

今も今も厚紙のページをじっと見詰めながら

出ない答えを探してる