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コメダ珈琲を知る -企業マーケティング分析-

普段、大変お世話になっているコメダ珈琲。
週末になると、コメダで、エビカツパンを口に放り込みながら、本を読んでいます。周りを見渡すと、本を読んだり、パソコンを開いて勉強している人もちらほら。

ふと、「こんな回転率の悪いお客さんばっかりで、儲かるのか」とおもいました。なので、今回はコメダ珈琲を、企業分析してみます。

コメダファンの皆様、事実と異なる点があれば、お教えいただければ助かります。

コメダの提供する価値とは?

コメダ珈琲は、1968年に名古屋で創業し、現在も愛され続けている喫茶店です。

では、コメダ珈琲は私たちに何を提供してくれているのでしょうか?


「コーヒー」、「シロノワール」、「ミソカツパン」どれもおいしいです。コメダ珈琲が私たちに提供したい抽象的な価値は、「くつろぎ」です。

コメダ珈琲の決算資料を読むと、コメダ珈琲が、私たちに何を提供したいのかを知ることができます。決算資料から、コメダの全体像を見ていきます。

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コメダ決算:http://www.komeda-holdings.co.jp/ir/material.html

コメダ珈琲は、私達に「くつろぎ」を提供するために、日々の企業努力を重ねています。では、私たちに「くつろぎ」を提供するために、コメダはどのような環境の下、私たちに「くつろぎ」を提供し続けることができているのでしょうか。

いわゆるフレームワークを使いながら、整理していきます。

3C分析-市場-

コメダは、一般的に喫茶店業界に属していると考えられます。

喫茶店の市場は、平成 30 年外食産業市場規模推計によると、1兆6000億円です。昨対で微伸してます。

ただ、直近の喫茶店を取り巻く市場は大きく変化しています。

例えば、「セブンコーヒー」などのコンビニカフェ。さらには、吉野家・マツキヨの一部店舗にもコーヒーマシンが導入されました。気軽に「コーヒー」を飲みたい人は、喫茶店に行く必要がなくなりつつあります。

「コメダ珈琲=喫茶店業界」と市場を限定すると、市場を見誤る危険性が出てきています。

3C分析-競合-

コメダの競合を、3つのジャンルに分けて整理します。
1. 喫茶店‥スタバ、ドトールetc
2. コーヒーマシンの導入店舗‥コンビニ、吉野家、マツキヨetc
3. ファミレス
ガストが一人席を導入したこともあり、一人でもファミレスに行き、「くつろぎ」やすくなっています。

「くつろぎ」を提供するサービス全て競合ですが、競合の境界線が広すぎるので、いったん、ここまでを競合と考えます。

3C分析-自社-

さて、市場や競合の状況を踏まえて、コメダ自身を見ていきましょう。

市場と競合環境が厳しい状況にありながら、コメダ珈琲は売上を伸ばし続けています。

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では、どのような戦略で成長し続けているのでしょうか。

コメダのターゲティング・ポジショニングを分析を見ていきます。

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ターゲティング

コメダ珈琲はもともと名古屋発祥の喫茶店で、地域を限定して出店するドミナント戦略で成長してきました。現在では、東京でも50店舗以上を展開しています。幅広く、店舗を展開しているように見えますが、東京都内の出店エリアを細かく見ると、特徴が浮かんできます。

・東京23区内‥33店舗

・東京23区外‥21店舗

23区内の内訳をみると、板橋区・豊島区・江東区が各4店舗ずつ展開している一方で、中央区・港区・千代田区・目黒区は、店舗がありません。

ビジネス街よりも、住宅地に店舗を置いていることから、日常的に使ってもらうことを意識した店舗展開をしています。

また、メニューを見ると、おいしい食事もそろっているため、平日休日問わず、店内でゆっくり「くつろいでほしい」という経営理念に通じています。

ポジショニング

コメダ珈琲と競合の立ち位置を確認してみましょう。

今回は、「ブランド消費」と「イートイン・テイクアウト」でマトリクスを組んでいます。

スタバは、イートインスペースも充実していますが、テイクアウトのお客さんも多く、「スタバのコーヒーカップ(マグ)」を持つことでブランド消費している要素が強いです。

セブンカフェは、テイクアウトがほとんどで、コーヒーが飲めれば良い(ブランドは問わない)という人が多い印象です。(コンビニコーヒー比較で好き嫌いがある場合もありますが‥)

コメダは、イートインがメインです。また、「コメダのブランド」を消費しているよりも、コメダの居心地の良さ(機能性)に対して、価値を感じているお客さんが多いです。

このように、各コーヒー提供者が、少しずつポジショニングを変えながら、共存している状態です。


では、実際に売上を伸ばす「How」をみていきます。

売上構造

コメダは、イートインを中心とした店舗ビジネスです。なので以下のような売上構造になります。

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コメダ珈琲の店舗のほとんどが、フランチャイズ(FC)経営で、実際の売上は、店舗への卸売になります。ただ今回は、「店舗が健全な経営ができていないと、卸売収入が減る関係にある」として、わかりやすく店舗ビジネスの売上構造を見ていきます。

まず、売上構造の1つ目である「店舗数」です。

コメダの店舗数は年々50店舗ずつ増えています。店舗数の増加は、売上増に直結するので、直近の傾向を見ても、店舗数の拡大戦略は重要なポイントでしょう。

次に、「客数」をみていきます。

お客さんの数は、「座席数」と「回転率」で決まります。座席数は各店舗ごとに固定です。そのため、どれだけ「回転率」をあげられるかが、「客数」を増やす要素になります。ただ、コメダ珈琲は、「くつろぎ」をお客様への提供価値としていることもあり、「回転率」を上げる施策を実施するのは、ジレンマがありそうです。

最後に、「客単価」です。

客単価は、「商品平均単価」×「購入点数」で決まります。食事+飲み物代は、大体1500円以上かかります。その辺のランチよりも高くつくので、ランチとして考えると、商品単価は高いです。

ただ、飲み物だけのユーザーも多いはずなのので、いかに2点目を頼んでもらえるかがカギとなりそうです。お食事セット、デザートセットなどセットメニューの品ぞろえが、購入点数に、大きく影響します。

コメダ珈琲をさらに伸ばすには

コメダ珈琲をさらに伸ばすにはどうすれば良いか考えてみます。

店舗以外で売上を伸ばす施策もありますが、今回は「店舗ビジネス」としての売上改善、くつろぎの質や数を改善することに絞っています。

施策1. 座席を分ける

先ほど、「座席数は固定」とお伝えしましたが、座席を分けることはできます。
店内を見渡すと、4人席に2人、2人席に1人で利用していることが散見されます。相席にすればくつろぎの質が低下するのでできません。

そのため、席をより細かく分けられるようなテーブル設計をすることで座席数は変わらなくても、テーブル数が増えます。くつろぎの質は落とさず、お客様の数を増やせます。

ただし、店舗によって、お客さんの属性が異なりますので、一概に言えるはなしではありませんが、私なら4人席を2人席に切り離せるようにします。
初期費用もかかると思いますが、ペイできると考えています。

施策2. 空席率を下げる

雨の日や平日の日中は、席が空きやすいです。
この空席率の高いところを改善できると売上増につながります。

空席率の課題については、両面攻めすると良いはずです。
①本社で対策!
 雨の日に人が減るのは、どの店舗でも同じでしょう。そのため、「雨の日は、コメカポイント50point」といった施策が有効です。導入が大変ですが、値引きではなく、ポイント付与が良いです。値引きはその場限りですが、ポイントであれば次回の来店を口約束したようなものです。1顧客のLTV(ライフタイムバリュー)をあげる施策にもつながっています。

②個別店舗で対策!
 各店舗によって、空席状況は異なるはずです。各店舗が自由に空席率を下げる取り組みを進めたいところです。ただ、上記と同様に、値引きクーポンに頼らず、本社の協力を得ながら、コメカポイントの有効活用を考えると良いです。

ふと思いつくのは、「シニア層への朝活応援ポイント」「夫婦カップル来店で200円引き」などです。
夫婦カップル層は、「すこし休憩するために」喫茶店を利用するはずです。勉強するわけではないので、滞在時間も比較的短く、滞在時間に対する売上は高くなるでしょう。

他にもまだまだ売上を伸ばす施策はありますし、FC経営だからこそできる売上増や利益増もみえそうです。FC経営については、別の企業さんでマーケティング分析記事を作成していきたいと思います。

あとがき

コメダの記事は楽しめましたでしょうか?有益な時間になっていたら幸いです。
ただ、この記事を一番楽しめたのは、自分です。すみません。。
企業がどうやって日々成長を志向しているのか知り、少しでも企業に寄り添える施策を考えてみる。そんな時間がとっても有意義でした。

ただ、「企業分析→施策への落とし込み」の未熟さも残ったなと反省。
次回からは、各サービスのUSP(Unique Selling Proposition)を施策に落とし込んでいきます。

ご視聴ありがとうございました。チャンネル登録、Goodボタンはありませんが、ハートボタンを押してもらえれば大変喜びます!

次回作をお待ちいただければと思います。ではまた。

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