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AIと生活者の微妙な関係 ほか・・・(先週の不満:~2021/10/17)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。

先週の生活者不満(~2021/10/17)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

20211011-20211017_上昇語_全体

この一週間で急上昇したキーワードをみると、NTTドコモの通信障害に対する不満が急増したことがうかがえる結果です。日常生活に欠かせなくなっているスマートフォンが外出先で使えなくなるなど通信障害の影響の大きさがうかがえます。

そのほか、衆議院議員選挙に向けた各党が公約として掲げる「給付金」についても不満が急増しています。どの党も同じような公約であることや、バラマキの財源は税金である事を危惧する声が目立っています。

そのなかで、今週は、①ランキング、②暖房に注目してみます。また40代女性で増加が目立った③AI(人工知能)についても見てみましょう。

都道府県ランキングのあれこれ

トレンドワードになった「ランキング」。2021年10月15日に発表された都道府県魅力度ランキングに関して、多くの不満が寄せられました。

都道府県の魅力度ランキング。
茨城県がまた最下位になってしまった。
残念だ。
もっと魅力が他の人たちに伝わってほしい。(東京都・30代)

といったように、愛着のある都道府県が下位だったことへの不満が目立ちました。このランキングは毎年、上位ではなく下位が注目されてしまうことに起因するようです。

都道府県の魅力度ランキングあって、いつも下位の方は関東近郊の県だがそんな事ないと思う。実際地方の方が行ったことない人も多くて将来行ってみたいという想いがのっかってると思う。なので関東圏の県は都心の人が週末ちょっと行って観光したり支度しているだけで財政だって潤ってると思うし悲観することは全くないと思う。(東京都・40代)

といった声も寄せられました。あくまで調査に基づくものであり実際の魅力を表現したものではないためランキングは気にすることはない、という問題提起です。

一方で、ランキングは偏見を生むので下位は発表しなくてよいのではといった意見や、人によって感じ方は様々なのでそもそもランキング形式はやめた方がよいのでは、という意見も寄せられました。

上位10位だけの発表でもいいけど、ランキング下位を利用してアピールしてる所もあるから、下位10位の都道府県が発表しないで欲しいならそうしたらいいのに。(大阪府・30代)
ランキング形式ってやめた方が良いと思う。都道府県の魅力度ランキングって、人それぞれに感じる魅力って違うし、ランキング化は差別を生むと思う。(愛知県・30代)

とある県の知事がランキング結果に納得がいかないと正式に表明したこともあり、今年は何かと話題の都道府県魅力度ランキング。

地域には様々な魅力がある前提で、偏見を生んだり、過度なレッテルを生むものではなく、地域の魅力に気づきを与えたり、これを広く発信するものであってほしいですね。


寒暖差大きすぎ

先週のトレンドワードになった「暖房」。秋から冬への季節の移り変わりを感じる気ワードですね。具体的な声としては、

急に寒くなりすぎ。昨日までクーラーつけていたのに、今日は暖房が欲しい。体がついていかない。(高知県・50代)
急に寒くなってびっくり。
クーラーも暖房も使わずに窓を開けて心地よい季節が短くなっちゃったなぁ。地球温暖化の影響?(大阪府・40代)

といった声が多く聞かれ、寒暖差が大きいなかで急に「暖房」が必要になったことへの不満が目立っています。寒暖差疲労や寒暖差アレルギーなど寒暖差に伴う体調異変が注目される中で、多くの生活者が日常生活の気温差に対して敏感になっているようです。

そして「暖房」そのものへの期待の声も多く聞かれています。

車の暖房や冷房はまだつけ始めは効果ないので効果出てから風が出てほしいです。(滋賀県・30代)
エアコンで暖房を入れると乾燥して息苦しい。暖房を入れても乾燥しないエアコンがほしい。(宮城県・20代)

など、まだまだエアコンの機能強化の余地はあるようです。家で過ごす時間が増えたことも背景にあるのかもしれません。

AI君、助かるけど、色々気になる

40代女性に限定してみると「AI(人工知能)」がトレンドワードになっています(ワードクラウドの左上に表現されています)。

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最近ではビジネスシーンでの活用だけでなく、私たちの生活シーンの多くでAIが活躍してくれています。新型コロナ感染症の拡大による非接触化によりその活躍の場はますます拡大しています。そんなAIに対して具体的にどんな声が寄せられているのか見てみましょう。

コールセンターがAIになっているシーンでの不満。AIが相手だと緊張してしまう、思うように会話ができない、というもどかしさがまだまだ存在するようです。企業側にはAIで代替することで対応を効率化したいという狙いがありますが、主役であるユーザーは企業との接点の場としてはまだまだ満足していないことを認識する必要がありますね。

集荷受付の電話がAI でなんだか緊張してしまった。(神奈川県・40代)
AIによる自動音声応答での住所変更。住所は聞き取れるのに、「はい」「いいえ 」をなかなか聞き取ってくれない。なぜ?
最終的にオペレータに繋がれてしまって、始めの本人確認からやり直し。 オペレータにつながれたころには、音声応答がうまくいかなくてみんなイライラしてると思います。(鹿児島県・40代)

AIがいろいろな場面で活躍している昨今、「そこまでAIでやって大丈夫なの?」という不安も拡がっています。

例えば資産運用・投資をAIが自動でやってくれるサービスへの不安の声が届いています。AIといってもあらかじめ決められたポリシーや考え方に基づいて構築されていることが大半ですが、そこが伝わらないとかえって不安を仰いでしまう可能性があることがうかがえます。

AIで投資するのって心配だ。チャットでAIが答えるのがあるが全然話が噛み合わないのに、投資をお願いするなんて恐ろしすぎる。(京都府・40代)

また、AIによって効率化・均質化されることが本当に良いことなのかを疑問視する声も届いています。

「テストをAIで的中させるAIで良い学校と出会えるのだろうか」、「過去の閲覧情報に基づくAIの提案で良い情報との出会い、気づきを得られるのだろうか」との意見。非常に考えさせられる意見です。

テストをAIで的中させるのは反則です。
能力にそぐわない学校に進学しても本人がツラいだけ。(千葉県・40代)
AIで過去閲覧した記事から関連性ある記事を表示させるようになってると思うが、情報が偏りすぎて見聞が広がらない。より関連ある記事を表示して欲しい人⇄閲覧記録を参照せずランダムにバラエティある記事を表示して欲しい人とに、AIの影響度に強弱つけれる(選択できる)機能をつけて欲しい。(東京都・40代)

映画におけるAIの役割についてはちょうど以下の座談会でも話題になりました。よろしければご覧くださいね!

多くの人がAI(人工知能)は便利で役に立つと思っていますが、それに頼りすぎることが自分の人生を本当に豊かにしてくれるのか。この答えに応えてくれるAIが求められているといえます。

私たちもAIを活用したビジネスをしている身としていろいろと考えさせられた先週のトレンドワードでした。

また来週!

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