【先週の生活者不満】(~2023/9/17)①食べ物だからデリバリーも配慮して、②解凍のしにくさ・分かりにくさ問題
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2023/9/17)
注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
岸田文雄首相は13日に内閣改造と自民党の役員人事に踏み切り、新しい大臣等の顔ぶれが発表された。これに対して生活者からは新しい体制への期待とそれゆえの不安や不満が多く寄せられた。多くは体制を変えるだけでなく早く重要な政治課題を解決して欲しいとの願いの声でした。
また、9日夕方に病院駐車場の車内にて置き去りにされた2歳のお子さんが無くなってしまった事故に関して、家族や保育園の対応がしっかりしていれば、と悔やむ声が多く寄せられました。センター等の技術を用い、社内への置き去りが無くなる日を願ってやみません。
そのような中、①配達員、そして30代女性で増加が目立った②解凍に注目します。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。
①食べ物だからデリバリーも配慮して
先週は寿司の出前配達員が崩れてしまった寿司を素手で直していることが発覚し、大きな話題となりました。
多くは配達員が素手でオーダーした食べ物を触ることの不快感を示す不満の声でした。「もうデリバリーは頼まない」とこのような事件がデリバリー・出前自体の離反に繋がっていることが分かります。
一方で、コロナ禍を契機にいわばNEW STANDARDとして定着しつつあるフードデリバリーサービスに対する期待も大きいようで、安心して利用できるようにするために「剥がしたことが分かるシール」で封をしてほしい、とのアイデアが多く寄せられました。
生活者は「便利」「お得」であること以上に「安心」であることを期待します。特に衛生意識が高まっている中で食べ物を扱うサービスということで、「安心」に対して信用が持てなくなると一気に離反が進みそうです。
その意味で、不満会員から提案されているような「剥がしたことが分かるシール」はちょっとした工夫・コストで大きな「安心」を提供できるかもしれません。
また、衛生面での安心以外にも、配達員に対しては、配達の際の運転マナーについても多くの不満が寄せられています。
生活者からは「このような配達員に配達してもらいたくないからデリバリーを利用したくなくなる」との気持ちも聞かれおり、自分が利用していないときでも、配達員がサービスの「顔」になっていることが分かります。
便利・お得の前に「安心」。そして社会に悪い影響をもたらしていないかという「社会的な信頼」。
生活者はこんなことを意識しながら日々の意志決定をしています。
企業はそのことを深く理解し、「いつどんな場面でも見られている・接点がある」ことを前提に、関与する社員・パートナーとこのことを認識共有しながらカスタマーエクスペリエンスをデザインする必要がありそうです。
②解凍のしにくさ・分かりにくさ問題
先週は30代女性から「解凍」に関する不満が増加しました。どんな「解凍」不満が寄せられているのでしょうか。
目立ったのは、「冷凍食品」の「解凍」が上手くいかない、との不満です。
指示通りに回答しても、真ん中部分が凍ったまま、再度レンジにかける際にラップをかけないといけない、霜が付いてしまい解凍に時間がかかる、などの声です。電子レンジのワット数を合わせてもうまくいかない事例もあるようです。
生活者は「手抜きではなく手間抜き」「美味しい料理を手軽に」と調理に関するストレスや分かりにくさを回避する目的で冷凍食品を利用するケースが多いと思います。そのような中で、「指示通りにやってもうまくいかない」ことは「期待しているコアな部分」のズレに繋がってしまい、大きなストレスを生んでいる可能性があります。
「調整すれば美味しく食べられる」ではなく「調整しなくても美味しく食べられる」ことこそが冷凍食品に期待されている中での不満と言えます。
冷凍食品は近年人気が高まり続けており、「冷凍庫が大きい冷蔵庫」が人気を博するなど、小さなイノベーションが生まれつつある領域だと言えます。保管・解凍・廃棄など食前後を含めたジャーニーでのストレス・不満を解消することが更なる市場拡大につながると考えられます。
メーカー側からすれば、「ちょっとしたこと」であっても、それが生活者の期待のコアな部分であると、「大きながっかり」を生んでしまいます。
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Insight Tech 伊藤
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