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日本のワインがいい感じ

最近、日本のワインが美味しい。

はっきり言うとほんの数年前まで、日本のワインは美味しくなかった。ここ10年ほど日本ワインはプチ・ブームと言っていいくらい生産者が増えて、メディアに取り上げられ、飲めるお店も増えた。けれど価格は高く、味はそれに見合ったものとは感じなかった。それが昨年くらいから変わった。自分は避けていから気が付かなかっただけで、きっと数年前から変わっていたのだろう。美味しくなった。

同時に、フランスやイタリアのワインを追わなくなったんだなと感じた。飲む自分も日本のワインにそういったいわゆる”欧州スタイル”のワインを求めなくなった。比べなくなったら、なおさら日本のワインの魅力がすっと入ってきた。

日本のワインはまさに”出汁”のようなワインだと思う。自分が今まで飲んできたピノ・ノワールでもない、メルローでもない、カベルネでもない、同じ名前がついている、同じ品種でも決してフランスやカリフォルニアのそれではない。なんとも独特な薄ウマな世界。独特のコク。これはまさに”出汁”と呼ぶのがふさわしいのではないだろうか。


御徒町にワイナリー?

先日、bookroad〜葡蔵人〜(ブックロード・ワイナリー)のメルローを飲んだ。知人から、デラウエアを使ったスパークリングを頂いて、それはさっぱりとした果実味で飲ませるちょっと微発泡なスパークリングで、ちょっと引っかかるところがあって、自分でワイナリーを訪れていくつか購入してみた中の1本だ。ワイナリー、というと長野や山梨まで行ったようだが、ここはなんと御徒町にある。不要不急でない打ち合わせがあったついでに、ひょいと寄っていける場所にあったのだ。

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bookroad〜葡蔵人〜のメルローは今まで飲んだどのメルローとも違う味がした。ボルドーのような柔らかくて果実味があってというようなものとは全く違う。まず、色が激薄。こんなメルローは見たことがない。香りには果実味はあるけれどいわゆるメルローの濃い果実味とは一線を画す。お店の説明には”杏”と書いてある。確かに杏、しかもドライフルーツの杏から甘みを抜いたような香り、そしてちょっと語弊があるのだけれど、シナモンガムのような、セメダインのような、独特の香り。それと薄いのだけれどコクが有る。これは本当にメルローなんだろうか?

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エチケット(ラベル)には、相性のいい食べ物が描いてあるという。メルローのラベルにはオリーブ。たまたま冷蔵庫にあったので食べながら飲んだが実にあうん。もしかしたら、今まで飲んだワインの中で一番オリーブとの相性が良いかもしれない。なかなか”オツ”な感じだ。うーーーん。唸らせる。

コンプレックス無し!リアルな日本のワイン

最近、割と自宅やお店でも日本ワインを飲む機会があり、そのおいしさと、食べ物との相性の良さに感心していた。そしてこのbookroad〜葡蔵人〜と出会って、もっといろいろな日本ワインを試してみたくなった。自分はこれまでボルドーやカリフォルニアのシラーやカベルネ、ローヌを経て今はフランスのピノ一筋だから、偏見があったのかもしれない。欧米の陰を追いかけるばかりで見えてなかったんだなと反省しきり、だったんだけど、先日このbookroad〜葡蔵人〜に2度めの来訪をして、ワイナリーの方と話をしたら”ほんの2年くらい前までは正直日本のワインて美味しくなかったですよね”とおっしゃった。おおお~!間違っていなかった(笑)。最近飛躍的に変わったんだ。いい意味でフランスワインコンプレックスのようなものから解き放たれたのかもしれない。これからの日本のワイン、凄く楽しめると思います!

日本ワイン



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