見出し画像

マネジメントについての話

今回は、コーディネーショントレーニングの可能性とそれを最大限に活かすためのマネジメントの方法について考えていきたいと思います。

最近では、徐々に稽古を再開している学校や道場なども多く見られるようになりました。そして、これからはこれまでとは違った形で競技力を強化することが求められてきます。

もちろん剣道の意義や在り方を念頭においた上でです。

これまでは、競技力を向上させるためには反復練習を繰り返し、”動きを身体で覚える”ことが重要という考え方が多かったような気がします。そして、その過程には時として激しい練習や勝利に固執した考えが伴う場合があり、怪我や体罰問題、剣道離れなど子ども達にとって様々な課題につながってしまうこともありました。

また、世界中が未曾有の危機に直面したことで、目標としていた大会やイベントが次々に中止となり、多くの人が目標を見失いかけたと思います。剣道界にも大きな影響を及ぼしました。

しかし、このおよそ半年間剣道ができない状況が、これまでのコーチングの良い面と改善点の両方を見直す機会となり、また個人が強くなるために自分自身で研究して目標を持つための【自分を見直す機会】にもなったと思います。

私はオランダの子ども達と一緒にオンラインでコーディネーショントレーニングを行なっていますが、ここ最近特に耳にするようになったオンラインでの取り組みは日本国内だけでなく世界中の人と簡単に繋がることができ、使い方によっては【質の高いコーチングや、より子ども達のやる気を引き出すことのできるツール】であると感じました。

その中で、まずはコーディネーショントレーニングについて振り返ってみたいと思います。

コーディネーショントレーニング

コーディネーショントレーニングは、【運動神経】を ①リズム能力 ②連結能力 ③変換能力 ④反応能力 ⑤バランス能力 ⑥識別能力 ⑦定位能力 の7つの能力に分けて考え、それらの能力を意識的にトレーニングすることで”動作の質”を高めるものです(以下過去の記事)

反復練習を行なって動きを身体で覚えることも重要です。それに加えて、私が必要と思うことは ”動きの引き出しを増やす” ことだと思います。

内容を踏まえてどのように剣道に活かしていくかは、各々考えが分かれていくところでもあるので先の記事をご覧いただき、練習に活用していただければと思います。

そしてもう一つ重要なことは、練習の効果を最大限にするためのマネジメントです。何を行うにしても、その効果を感じられなかったり、行う意味に疑問を抱くようでは最大限の効果を得ているとは言えません。

そのようなことに対して、行動分析学を用いたパフォーマンスマネジメントという考え方から、問題解決であったり、練習の効果を最大限にするためのヒントを得たのでご紹介します。

強化の原理

強化の原理とは、行動(練習)することで、良いこと(効果を感じられた、結果が伴った等)が起こったり、悪いこと(クセ、スランプ等)が改善されたりすると、その行動は繰り返されることを言います。

強化の原理が働く時には大抵の場合【〜の時に、〜したら、〜になった】という関係が成立しています。

例)【スランプの時にとにかく考えて毎日素振りをしたらスランプを脱却するきっかけになった】

このような場合、自分の今の現状を打破するために毎日行った素振りがきっかけで自分の中に良い変化を感じることができれば、素振りを毎日行うようになるでしょう。

この反対で、行動することで悪いこと(ケガや思いがけない失敗)が起こったり、良いことがなくなったりすると、その行動は繰り返されなくなることを弱化の原理と言います。

例えば、自分なりに新しいチャレンジをして失敗した時に指導者からこっぴどく叱られたとしたらあなたならどのように思いますか?

きっと多くの人は”指導者の目が気になり新しい挑戦をしづらくなる”のではないでしょうか。

現場では、このような事象が意外と多いように感じます。そしてそれは個人の可能性を狭めてしまう事に繋がりかねません。マネジメントを考える上で、特に指導者は個人に”また挑戦したくなる”ような言葉かけであったり関わり方をする事で、強化の原理に沿った質の高いマネジメントに繋がるのではないかと思います。


大人が子どもに対しどのようにやる気を引き出していくかということは、これからも検討していく必要があると思います。


新しい考え方や方法が必要になってくるこれからに向けて、時代の流れを敏感に捉え、剣道を多角的に見ることを忘れずに今後も自分自身が【率先垂範】の精神を忘れずにさらに勉強していきたいと思います。


それではまた次回!

noteでは「サポートする」ボタンから投げ銭をしていただけます。記事を気に入ってくださいましたら、サポートしていただけますと幸いです。 いただいたお金はこの取り組みの活動費やオランダの子ども達にコーディネーションおよび剣道の道具をプレゼントするために、大切に使わせていただきます。