手紙その3『モチベーション』1
いいかい息子たち。
キーワードは『感謝』と『利他』と『貢献』だ。
この世を生きていくと、わけがわからないほど高いモチベーションの人に出会う事がある。
僕も何人か知っている。
全員ではないけど話を聞いてまわった。
『その高いモチベーションはどこから来て、どうやって維持しているのですか?』って。
すると全員が何かへの感謝を述べられた。
もしくは恩返しなんだと。
ある人は、今はなき先代社長への恩返し。
ある人は、育ててくれたチームへの感謝。
ある人は、地域社会への感謝。
ある人は、支えてくれる家族への感謝。
誰一人、利己的な動機を上げなかった。
スポーツ選手などの受賞者のコメントもそう。
まず家族やスタッフやファンへの感謝を述べる。
僕はお約束なだけやと思ってた。
最近はほんまに感謝しとるんちゃうかと…
失礼な話やでなぁ。
承認欲求とか自己顕示欲とか。
誰かより勝りたいとか。三大欲求とか。
否定はできないよ。僕にもあるし。
けど自分が中心の欲求ってモチベとして弱いよ。
いや、弱いというか脆い。
失敗した時、自分に言い訳するのは楽やからね。
どうしても甘くなる。
反対に、感謝や他者への貢献って無限なんよね。
この理由を言語化することは難しい。
けど、これを動力源にしている人は強い。
そう―、
僕もモチベが上がったのは病抜けしてからさ。
僕の復帰を待っててくれた人達への感謝。
その恩返しをモチベにすると、無限に動けるんじゃないかと思うくらい。
だけど、落とし穴がある。
この領域に達すると、孤独が待ってるんよ。
利己的な人は利他を理解できない事が殆どさ。
全く違う価値観になるからね。
だから仲間を探すんだ。
周囲と同じ価値観に迎合する必要はないさ。
いいかい息子たち。
『感謝しろ』『貢献しろ』
そんな恩着せがましい事は言わないさ。(笑)
感謝や貢献がモチベーションの種ならば、
その種は至る所に落ちている。
そこに気付けるかなんだよ。
ヒントは『ありがとう』の反対語。
『あたりまえ』だよ。
今、君たちが感じる『あたりまえ』だと思うことに光を当ててごらん?
それが本当に『あたりまえ』か再検討するんだ。
学校から帰る家があって、玄関を開けたら靴がキレイに並べられてある。洗面所に入れば、自分専用のコップが清潔に置かれてあって、うがいができる。必要十分の量のハンドソープが補充されてあって、手が洗える。「ただいま」と部屋に入れば机の上にオヤツが並べられてあって、「おかえり」と母親が笑顔で出迎えてくれる。
どれほどの種がここに落ちているだろう。
ここに落ちている小さな種がやがて
きっと大輪の花を咲かすんだ。
トップ画像は向日葵
花言葉は『情熱』
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