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いつも酔っ払っていた関谷(せきや)のおじさん その2








いつも酔っていた関谷のおじさん。


平日の昼間には、そこいら辺をウロウロしていて、たまに大きな声で怒鳴ったりしていたので、幼児の私にとって とても怖い存在。


すぐ近くに海があって、夏の暑い日はパンツ姿で1人で海に入ってたりする関谷のおじさん。
私には不気味に見えていた。


関谷のおばさんはどこかに働きに出ていたので、関谷4姉弟は、おじさんを怒らせないように、腫れ物に触るように暮らしていた。


おじさんが居ない時に、家に招き入れてくれた事が何度かあって、一階の居間が10畳、2階が10畳くらいのふた部屋と記憶にあり、照明は小さい傘がついた裸電球だった。


二階はありとあらゆる漫画雑誌が、山のように積まれていて、どうやらその隙間に4姉弟が寝ているようだった。


なぜ漫画雑誌がたくさんあったのかというと、関谷のおばさんのお父さん、つまり4姉弟の祖父母が廃品回収をしていたから、テレビがない孫たちの為に分けてあげていたと思われる。


ハシゴ階段で上がる漫画だらけの2階は、私にとっては、ちょっとした夢の国だった。


いつ帰って来るかわからない関谷のおじさんにドキドキしながら、漫画を見るのがとてもスリリングだったのだ。



その後、小学校に上がる少し前に我家は引っ越したので、関谷家と関わりが無くなった。


何年か後に入ってきた噂によると、関谷のおじさんとおばさんは離婚したらしく、ストーカー化したおじさんから逃れるために、関谷一家はどこか遠くに行ってしまったらしい。


一人になった関谷のおじさんは…


海で亡くなったらしい。。。








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