「at Home」 を読みました
本多孝好さんの「at Home(アットホーム」を読みました。
映画化される書かれていたので長編かなと思っていたのだけれど、中編くらいの長さの作品が4つ入った小説集だった。
■表題の「at Home」
80ページほどの作品だけれど、読み応えあった。先が気になる展開でどんどん読まずにはいられなかったし、彼らが大切な家族を守ろうとする強い思いにグッときてしまった。
長編を読んだような読後感だったもんなあ。余韻もあって。こりゃ映画化もされるよね。
■日曜日のヤドカリ
4つの中でこのお話が一番現実味のある設定だったけれど、気持ちの通い方はちょっと現実感が薄いような感じもした。お父さんと弥生さん、そんなふうに心が自然に通じるものなのかな?って思ってしまった。
■リバイバル
不思議な関係。後半、嫌な感じになってきちゃったなあと思ったけれど、最後は別の角度から割といい感じに終わったのでよかった。
■共犯者たち
深いところでは理解して信頼し合っているところがよかった。ラストはキレイに片付いて良い展開だったけれど、時田さんちでのもろもろは大丈夫だったのか?と心配にもなった。
4作どれも面白かった。描かれていたのはいわゆる普通の家庭ではないけれど、だからこそ生まれた絆がそこにはあって、それは彼らにしかわからないし、彼らにだけわかればいいのかもしれない。
血のつながった家族だからといってわかり合えないこともあれば、他人でもわかり合える家族になれることがある。家族のかたちなんてそれぞれでいいんだよねと思った。
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