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みんなで子育てしよう


はじめに

今年度、代表を受け継ぎ運営しているとある子育てひろば。地域に開かれた子育て中の親子の居場所として、毎週近隣に住む親子が来られています。

ひろばを運営する中では、公的機関(たとえば区役所など)とのつながりも大事にしているところです。その思いについて、この記事の中でお話ししていけたらなと思いました。

「近い関係」の仲間をつくるハードルが高い世の中

育児で「どうしたらいいんだろう」「これでいいのかな」といった心配なことや疑問は日々の子育ての中で無数に出てくると思います。
そうした不安や心配は、これまで近所で知り合った「近い関係の」親同士で情報交換し合うことで受け止められたり持ち堪えられてきた面もあるのかなと思います。

ですが、コロナが流行するようになって以後、特に未就園の時期は「近い関係」の人と知り合いになる場、知り合う機会がなかなか持てず、育児を「個」で抱えているご家庭が増えたのではないかと思います。
近くに自分の親など頼れる人がいない場合はなおさらです。

人との心地よい距離感が人によって違うこと。
大事な小さな命の安全や健康を守らなければならない‥そのための価値観も人によって違うこと。

そのように正解がないからこそ、色んな正解があるからこそ、人の集まる場に出かけたり、どのような距離感で付き合うのか、慎重になることも多い世の中なのではないでしょうか。

見えない思いを掬い上げる公的機関の機能

本当は自分だけで抱えるのは苦しい、助けがあったらいいのにと思いながらその機会を逸している場合、その親御さんの思いを掬い上げる大事な機会のひとつが「乳幼児健診」という場だったりします。
子どもの発育状況を確認するだけでなく、保健師さんや栄養士さんといった専門職との面談でお母さんをサポートできるという面があります。
地域に子どもと行ける場所があるけど行ったことがない、引っ越してきたばかりで知り合いがいない、心理士と話せる場があるといいな、等ニーズがありそうな親御さんには、区役所の担当保健師さん等が継続的に関わりつつ、ひろばがあることをご紹介してもらう場合もあります。

連携して「ひろば」につながる

先日、そうした経緯でひろばに来られた親子がいました。
詳細を書くことはできませんが、いわゆるワンオペ育児でストレスフルな状況にあるお母さんでした。
ひろばに来られた時に張り詰めたような表情だったお母さんは、しばらくお話を伺っていると落ち着かれたのか、肩の力が少し抜けたように見受けられました。

24時間子どもと一緒の生活、逃げ場も余裕もなくなって当然です。
お母さんの切実な思いに触れた私は「みんなで子育てしましょう」と自然と声をかけていました。

ご近所づきあいや気軽に頼れる「近い関係」が得られにくい今、私たち子育て支援に携わる者としては、地域の各機関と連携しながら、みんなで見守り、みんなで子育て中の親子を抱える機能をつくることが大事なのだろうと感じます。

役所とか、支援センターとか、子育て支援事業とか、硬い感じがしますが、その中で繰り広げられているのは人と人との出会い。
この人には話しやすいなぁとか、この人とまた会いたいとか、そんな信頼関係が、今日や明日のお母さんを支えます。

みんなで子育てしよう

例えば私たちの住む地域がハンモックのように、こぼれ落ちる人なく、孤独になる人なく、ゆったりした関係性を持って揺られながら、一緒にみんなで子育てできるような、そんな社会になりますように。

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