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姉から妹へのメッセージ

妹が、6年付き合った彼氏に振られた。

これは、わたしがアラサーの女だから感じることなのかもしれないが、思うに、14歳から付き合って20歳で別れるという6年と、20歳から付き合って26歳で別れる6年とでは、同じ6年でも重みが違うのではないか。
だって…世間じゃ結婚適齢期とかそういう話になりやすい年代だ。
20代後半という年齢からは、繊細な年頃になっていくのだから。

そして妹の場合がどっちなのかというと、後者である。


付き合い始めた頃から、その彼とはわたしも面識があった。
妹とわたしは学生時代一緒に住んでおり、家に遊びに来たこともあったし、妹が胃潰瘍的なことになった(医者からはストレスで胃の一部が壊死してますと言われた。)ときも、病院に連れて行ってくれたのはこの彼だった。
夜通し吐き続ける妹の看病と、編入学したために人よりも多く取らねばならぬ必修科目の期末課題、かけもちしていたアルバイトのために死にかけていたわたしに、「お姉さんも限界だと思うし、僕が看てるんで寝て下さい。」
と、声をかけてくれたことは今でも忘れない。


とても優しい子だと、安心して見守っていた。
年齢的にも、付き合った年数的にも、結婚するのだろうかと思っていた矢先のこと。

突然LINEを無視され、電話にも出てくれない期間が1ヶ月続いた後、理由もなく別れを告げられたと、ボロボロに泣いた妹から話を聞いた。

もうなんて声をかけていいか分からなかった。そんなことある??

恋人同士の内情なんて、他人からはわからないものだ。
妹が彼に対しめちゃくちゃ横柄な態度でお付き合いしていたのかもしれないし。
なので、妹の言う「突然無視された」「理由もなく」というのは、双方の話を聞かない限りなんとも言えないが。

とはいえ、6年もの付き合いがあって、20代の半分以上を一緒に過ごした恋人に、最後理由も告げずに別れるというその終わらせ方にわたしはドン引きし、こんなやつと結婚しなくてよかったのではと思った。

しかし、あの人見知りだけど優しかった彼は何処へ…

6年という年月は、長すぎたのかもしれない。

「人のことを変えることはできないけど、人は変わるよ。」

これは、振られてボロボロになった妹を連れて行った、パワーストーンの店長さんの言葉だ。

6年と言えば、ランドセルが歩いているようにしか見えない1年生だった子が、すらりとした体型のお兄さんお姉さんになる年月だし。

6年と言えば、男子と一緒になってサッカーをして、日焼けしまくりの子猿みたいだった女の子が、女子高生になって、化粧バチバチ、いい匂いの香水つけて、ファッション雑誌読むようになってるし。

6年と言えば、中学校の同窓会に出向き、あの頃はいけてるキラキラした人気者だと思っていた男の子が、成人してみれば素朴で口数の少ない普通の人だったと判明するし。

6年と言えば、新婚時代ラブラブだった夫婦が、互いの存在を疎ましく思うようになり、別居して子供の親権をどっちにするか争うようになるし。

だから6年と言えば、二十歳のころには優しかった彼氏が、しょーもない別れの切り出し方をするようになったりもするのだろう。

わたしは二十歳になったとき、成人という枠に入ることで、そこから人間性が大きく変わることはもうないような気になっていた。
成人=完成なのだと、漠然と思っていた。

しかし、実際は、その枠というものはものすごーく大きな枠であり、成人してからだっていくらでも人間は変わるのだ。

わたしも、22歳の頃の自分と28歳の自分とではたくさん変化があった。
きっと、この先も、人間はゆるやかに歳をとりながら、ゆるやかに変化していくのだろう。

妹が振られて何ヶ月か経つのだが、彼女は最近少しずつ立ち直ってきたようだ。
26歳、次の6年間は良い方向に変化しているといいね。

わたしはここからの6年間、変化に逆らって生きることを頑張るよ。
生まれつつあるシミの赤ちゃんが、ランドセル背負い始めるくらい大きくなるという変化に、負けないようにね。

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