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米国 就労ビザ事情

アメリカで仕事を探したことのある人やそういう友達がいる人は、よくアメリカのビザ事情の話を聞くことがあるでしょう。雇いたいと言ってくれる会社があるのにビザのせいで仕事が決まらなかったというようなケースをよく聞くことでしょう。実際にどういう事情があるのか分かりやすく説明していきたいと思います。


初めによくアメリカで働く人たちが持っているビザの種類について説明していきます。

Lビザ

最もアメリカで働く上で確実に取れて、長期使えるビザがLビザになります。種類は2つあります。L1とL2です。

L1(企業内転勤者)ビザ

  • 駐在をしている人が持つビザ。

  • アメリカに支社や本社に転勤するために出されることが多い。

  • 1年同じ会社のアメリカ以外の国のオフィスで働かなくてはならない。

  • ビザをスポンサーしてくれている会社以外で働くことができない。そのため、転職=日本に帰るという選択になる。

  • 会社がスポンサーすれば基本高確率で取れる。

L2(同行家族)ビザ

  • 結婚相手がアメリカで就労ビザで働く場合に出る。

  • 配偶者および未婚の子ども(21歳未満)がもらうことができる。

  • このビザを使って働くことができる。

Hビザ

専門性の高い仕事をしているという証明のもと取ることができるビザ。Lビザと違い、転職もできるため、人気のあるビザです。こちらも種類が複数あります。アメリカにいるためには働いていることが前提となるため、Hビザをスポンサーしてくれた会社からクビになったり、会社自体がなくなった場合3ヶ月で次の会社を見つけなければいけません。さらに次の会社でもHビザをしっかり扱ってもらわなければなりません。

H1B(特殊技能職)ビザ

  • 職務が求める特定分野での学士あるいはそれ以上(もしくは同等の学位)の資格が必要

  • エンジニアなどがよく持っているビザ。

  • 会社がスポンサーするとお金を払い一年に一度の抽選に申請することができます。抽選は完全にランダムではなく、働いている仕事が専門性が高ければ高いほど抽選確率が上がる。さらに大学院や博士などを持っている場合も確率が上がる。

  • サイエンス系の場合抽選に受かると7年有効。

  • サイエンス系でないと、3年間有効。

  • 抽選に落ちると。。

    • 会社をクビになり、日本に帰国になる。

    • 他の国に支社がある場合、そっちに移動になり、1年間そこで働きLビザに変えて戻ってくるケースなどがある。交渉するとLビザで働きながら、会社がH1Bも出してくれる。

その他のHビザ

  • H-1B1 (自由貿易協定専門家ビザ - チリおよびシンガポール国籍の方)

  • H-2A (季節農業労働者 - 一時的に農作業に就く目的で渡米する外国籍の方)

  • H-2B ビザ (熟練・非熟練労働者 - 一時的または季節的かつ米国人労働者が不足している職業に就く目的で渡米する方)

  • H-3 (研修生)

  • H-4 (同行家族)

Eビザ

よく投資家ビザと呼ばれるもので、ビジネスを目的としてアメリカに入国をされる際に必要となるビザです。

E1(貿易駐在員)ビザ

  • 貿易取引などの事業をされる方に発給されるビザ。

  • ビジネスなどの任務を終了した後は米国を出て帰国しなければならない。

  • 条約締結国の企業のみ。

  • 貿易取引の50%以上が米国と関与していること。

E2(投資駐在員)ビザ

  • ビジネスを目的として米国に投資をされる方に発給されるビザ。

Oビザ

O1ビザ

  • 科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツにおける卓越した能力の持ち主。

  • 有名人が持ってるビザ(メジャーリーガーや俳優など)

O2ビザ

  • O-1ビザ保有者に同行するため。

  • O1ビザ保有者のマネージャーや関係者などが持つビザ

Pビザ

P1(芸術家、芸能人)ビザ

  • 米国で公演・活動するために渡米する特定のアスリート、芸能人、芸術家に渡されるビザ

その他のPビザ

  • P-2(芸術家または芸能人 - 一時的)

  • P-3(芸術家または芸能人 - 一時的 公演・指導・稽古を行なう目的に出される)

その他のビザ

  • Qビザ(文化の普及目的)

  • Rビザ (宗教活動家)

OPTについて

OPTがあるのとないのとでアメリカの企業と面接ができたり、オファーがもらえたりする確率がかなり変わります。

  • アメリカの大学を卒業すると卒業後OPT(Optional Practical Training)がもらえます。OPTとは、学生ビザ(F-1)で就学している学生が専攻した分野と関連のある職種で、企業研修を行うものです。簡単に言えば、学んだことを活かしてアメリカの会社などで働くことです。

  • 基本的に一年しかもらえない

  • STEM(サイエンス関係)の場合、3年もらえる。

  • 1年間はF-1で就学していること(1年間とはOne full academic yearなので、期間が9か月のコースを修了していてもOK)

  • 仕事の内容は自分の専攻分野に関係するものであること

  • 雇用主は自分で見つけること

  • 学位(準学士号、学士号、修士号)や9ヶ月以上のプログラムでサーティフィケートやディプロマが取得できるようなプログラムを受講していること

  • 学校が実施するOPTのワークショップに参加すること

  • 給与については有償でも無償でもいずれでもOK

  • OPT中にH1Bの抽選を出して、そのままアメリカの大学を卒業して、働く人が多い。STEMの場合3年もらえるため、3回抽選に申請できるため、アメリカに滞在できる確率が上がる。抽選で落ちた場合そのまま日本に帰国することになる。

ビザに強い企業

アメリカ就活が厳しい現状

近年アメリカで就労ビザを習得するのが難しくなった理由として、「外国人がアメリカ人の雇用を奪っている」と考える人が増えたことが挙げられます。そのため、ビザを出す際には「なぜ外国人を雇わなければならないのか?」ということを弁護士を使って企業が証明していかなければならないのです。そのため専門性の高い仕事をすればするほど、ビザが取りやすくなります。

人伝に聞いたビザ習得方法

  • シリコンバレーのエンジニアのインド人から聞いた話:Microsoftのアイルランド支社など少しニッチな支社で数年働いて、アメリカへのInternal TransferをLビザもしくはH1Bで待っている。ニッチな支社で働く理由は希望が通りやすいかららしい。

  • Metaで働いている人から聞いた話:アメリカの大学を卒業して、OPTを使って働きながら、H1Bの抽選に出していたが、落ちてしまい、一旦ロンドンオフィスに行くことになった。一年働き、Lビザでアメリカに戻ってきた。

  • インドで働いていたが、アメリカで働きたくなり、Stanfordのマスタープログラムを一年でオンラインで受けて、OPTを習得し、仕事を習得できた。

グリーンカード

グリーンカードは国ごとに割り当てが決まっていて、インドや中国などアメリカに来る人の母数が多い国は5年から10年かかります。しかしながら、日本のようにそこまでアメリカに行く人が少ない国だと、2年で取ることが可能です。就労ビザを持っている場合グリーンカードに変更することが可能になります。H1Bなど既に専門性を証明しているビザの場合さらに取るのが簡単になります。会社に交渉し、プロセスをスタートすることができます。最後に会社からサインをもらう必要がありますが、自分で弁護士を雇って、進めていくこともできるそうです。

以上、簡単にアメリカに住むTipを書いてみました。誰かの参考になると嬉しいです😁

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