【ゴールキーパー育成】元Jユース・現コンサルタントの私から ファイナル
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■バックパスの対処
これまではゴールを守る技術でしたが、近年ゴールキーパーに求められる足元の技術を見ていきます。
バックパスが来た時に、リスクを考慮しながら、以下の選択肢があります。
①近くの味方に繋ぐ
②遠くの味方に向けて蹴る
③クリアをする
一気にチャンスになるのであれば②で良いと思いますが、変なミスをするくらいならば①で十分だと思います。
ただし、①を行った場合にすぐにポジションを取り直し、また受けれるように動いてあげます。
スペイン代表を見ていると、ディフェンスがボールを保持している時にゴールキーパーを利用し、数的優位を確保し、ビルドアップを行っています。
ゴールキーパーがいればほとんどの局面で数的優位を確保できます。
一方、相手のプレッシャーが高い位置を狙っているのであれば、②の中盤やフォワードの選手をターゲットにせざるを得ません。
また、②よりも③のクリアを選択するのもセーフティファーストと言えます。
私はゴールキーパーは試合を壊さないことがまず重要だと思います。スーパーセーブも多いがミスも多いゴールキーパーよりもミスの少ない堅実なゴールキーパーの方が優秀だと感じます。
また、バックパスをもらうコツとしては、ゴールを少し外した方が良いです。ミスした際のリスクを減らす上での工夫と言えます。
ある程度フィールドと同じようなボール回しの練習に入り、的確な判断を正確な技術でできるように高められるのが理想です。ただ、背後からプレッシャーを受ける場面はないので、そこは練習の時に免除するポイントではないでしょうか。
■パントキック
1990年代中盤辺りから、ゴールキーパーのパントキックの質が変わりました。
上に高く上げるのではなく、ボレーの様な蹴り方で低い弾道で強くて速いボールを蹴るのが主流になりました。
これはもう徹底的に練習するしかないと思います。
ただ、最初から遠くに蹴ろうとするのではなく、10mくらいの距離が正確に低く早く蹴れるレベルから始めれば良いです。
それができるようになったら、5mずつくらい徐々に増やしていく。
小学生であれば、25m~30mくらいでしょうか。ペナルティエリアの前の方からそのボールが蹴れれば、十分にハーフラインを超えます。
中学生も焦らず、徐々に伸ばせば良いと思います。3年生で40mくらい。
コツは
・ボールは蹴る足とは反対の手でまず持つ。
・真横ではなく、少しだけ前でボールを蹴る。
・完全なインステップの甲よりも少しだけ上に当てる。
・8割くらいの力
トレーニングをしていけば、絶対にできるようになります。
難しい技術ですが、頑張って習得できるように、諦めずに続けてください!
オススメは浦和レッズの西川選手です。低い早いきれいな弾道で味方に繋げます。
ただし、骨格のできていない小中学生が「やりすぎ」てしまうと、股関節を痛めるリスクがありますので、練習の本数は1日でも5本程度に抑えたほうがよさそうです。
また、ボールもあえてサッカーボールではなく、少し軽いバレーボールを使ったほうが負荷を抑えられます。サッカーボールって重いので。
■最後に
ゴールキーパーは試合の数回のピンチの場面のために、たくさんの時間の練習を行うことになります。
正直、練習の方がしんどいです。
ポジションもチームに1つしかなく、交代するポジションでもないので、チームメンバー全てがライバルです。
強いメンタリティやリーダーシップはサッカーの場面だけでなく、人生の様々な場面で役に立ちます。
現代はテクノロジーも進化しており(と言っても、アマレベルではそんなにすごいものは使えませんが)、どんどん活用すると良いと思います。
ゴールキーパーの練習メニューはYouTubeにたくさんアップされていますし、国内外のトップクラブの練習を見ることも可能です。
また、自分のプレーをスマホで簡単に撮れますので、フォームのチェックを確認し、イメージとの擦り合わせができます。
ゴールキーパーのスタイルは様々だと思います。トップレベルであってもノイヤー選手とクルトゥワ選手でも違います。
誰が正解と言うのはなく、体のサイズや俊敏性、足元の技術などで変わってきます。
選手本人にあったスタイルを築けると良いと思います!
どうしても体のサイズがモノを言うポジションなので、足元の技術を磨いておくことは重要です。もしサッカーのゴールキーパーができなかったとしても、フットサルのゴレイロとして活躍することも可能ではないでしょうか。
また、長い距離が早いよりも10mくらいの超短距離が早いことが武器になります。
日本のゴールキーパーのレベル向上にお役に立てれば幸いです。
ご感想やご不明な点があれば、是非コメントくださいm(__)m
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