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「手段が目的化してる働き方」それ、いいじゃん。

「育児からは学ぶことが多い、と言いますけど。三木さんはどんなことを学びましたか?」

ある雑誌の取材。自身も子育て中だという男性記者さんにそう聞かれた。
この手の取材で期待されている答えはわかっている。
「育児を通して段取り力を学びました。仕事にも活かされてます」
そんな答えをすれば、「やっぱり育児は仕事にも活きてくるんですね」と丸く収まる。

けど。
僕は別に育児から段取り力を学んだことはないし、コミュニケーション力が高まった自覚もない。

そういうスキル的な学びは、ほとんどない(と言うかどうでもいい)。
そうではなくて。育児を通して僕は、自分を取り戻し続けてきた。この40年で見失いかけていた「生きることの純粋な楽しみ方」を。


▶ 勉強も遊びもみんな同じ

子どもは、生きること自体がとても楽しそうだ。そして、その姿は僕の中に長年かけて蓄積してしまった「目的思考」に揺さぶりをかけてくれる。

目的を持つことはいいことだけど。
最短で、効率的に目的にたどり着くことばかりを考え出すと、とたんにその行為は無味乾燥なものになる。

僕は最近、娘の姿にとても触発されたことがある。

それは娘が宿題をする姿だった。

娘はSwitchをしたり、You Tubeを見ているときに、唐突に宿題を始める。
Switchのソフトを変えるように。You Tubeの視聴チャンネルを変えるのと同じテンションで。
その姿を見て僕は心底びっくりした。

勉強というのは、遊びを辞めて「よしやるか」とイヤイヤながらに気合を入れて取り組むもの、と思い込んでいたのだ。少なくとも遊びを切り上げなければできない、遊びとトレードされることだと思っていた。

ところが、娘の中では全部フラットな関係だったのだ。
ゲームも、You Tubeも、お絵描きも、読書も、漢字の練習も、公園で遊ぶのも。全部楽しみの一つで、全部が遊びだった。


▶ 子どもは「生きること」が楽しくてしかたがない

いつの頃からか、楽しいことがなければ生きるのは苦しい、と思うようになっていた。言葉にするとなんだか深刻そうだけど、そうではなくて。ただ仕事をして、ただ漫然と過ごしていることに退屈を感じていたのだと思う。

ドーパミンがドバドバでるような刺激を求め、「楽しい」「気持ちいい」「嬉しい」を探し回っていた。旅行に行くのも、美味しいごはんを食べるのも、ゲームをするのも、新しい刺激がないと何のために生きているのか分からなくなってしまう気がしたから。

だけど、子どもは違った。
「箸が転んでもおかしい」なんて言うけど、本当に箸が転がると笑い転げる。走ってるだけで楽しい、見るものすべてに好奇心が刺激される。
子どもは、旅行に行くために走り回ってるわけじゃない。美味しいごはんを食べるために、箸を転がしてるわけじゃない。
その瞬間が、とにかく目一杯楽しいのだ。


▶ 「手段が目的化してる働き方」それいいじゃん

最初にも書いたように、娘が楽しそうに生きる姿は、僕の「目的思考」に揺さぶりをかけてくれる。

その揺さぶりとは。「手段が目的化することは、本当にダメなことなのか」と言うこと。

ビジネスではよく「手段が目的化してはいけない」と言われる。

たとえば、「Illustratorでチラシを作る」という仕事があったとき。
Illustratorを使えないのに、それにこだわり過ぎてチラシ作成が進まなかったり。本当は集客が大事なのに、チラシづくりに時間をかけ過ぎて集客ができなくなったり。こうしたことは「チラシを作る目的はなんだ?」を見失っていることになる。

だから「手段を目的化させてはダメ。ちゃんと目的達成のために必要なことを見極めよう」って考えるのは当然のこと。

だけど仕事の楽しさって、最短で目的を達成することばかりなんだろうか?

飛行機で目的地に最速で到着するよさもあるけど、鈍行列車で景観を楽しみながら目的に向かう旅も面白い。

受験のために、ガムシャラに勉強をがんばる時期もあるだろうけど、学ぶこと、知識欲を満たすために思う存分寄り道する学びだって面白い。

じつは手段の中に、楽しさの余白が隠れているんじゃないかと思う。

たとえば、僕はいま音声配信や動画セミナーの作成のためにPremiere Pro(動画編集ソフト)の使い方を色々学んでる。外注すれば、そんな無駄な時間をかけずにもっとハイクオリティな仕上がりになることはわかっている。でも、それをイジってるのが何と言っても面白い。

仕事だからもちろん締切は守る。けど、手段にこだわり、手段を楽しむことはその仕事を楽しくしてくれる。


娘がそうしていたように。
遊びをガマンして仕事をがんばるのではなく、遊びも仕事もフラットに楽しむ働き方もあるなと思うようになった。

そのためのポイントが、「手段を楽しむ」ではないだろうか。

目的達成だけに躍起になるのではなく。これからはもっと仕事そのものを楽しむ。そんな生き方をしたいと思う。

では、また。


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