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夫は「答えのわからない家事」に迷ってる?

先日、スープ作家の有賀薫さんが主催する「家庭料理のIDOBATA会議」というイベントに行ってきました。

主に男性が集まって料理をはじめとする家事について色々と思うことを語り合うというイベント。

この中でとてもおもしろい話がありました。
それは「調整コストがゼロだったら、家事はどう見えるのか?」ということ。

今日は、このときの話を紐解きながら、

夫は「答えのわからない家事」に迷ってるのでは?

ということについて、考えてみたいと思います。

▶ 家事の「調整コスト」とは?

家事の調整コストとは何か? 
たとえば洗濯。
洗濯物を干したんだけど、あとから干し直された。
洗濯物を畳んだのだけど、あとから畳み直された。

この場合、「干し方」「畳み方」の正解はどこにあるのでしょうか。
それは「直した人の頭の中」。

もしも干したのが夫で、直したのが妻だとしたら。

夫は、妻の想定するゴールを察しながら家事をしなくちゃいけないと考えるようになります。

もちろん「やり方を確認しながらやる」という方法もあるでしょう。
または「妻の背中を見て学ぶ」なんて職人気質な方法もあるかもしれません。

いずれにせよ、「俺のやり方」が家庭内で通らない以上、「妻のやり方」に合わせて行かなくてはならなくなる。


イベントの中では、お風呂掃除のエピソードと共に、この「調整コスト」がとにかく大変だったと、参加者の男性が語られていました。
そして、その調整が必要なくなったとき、家事がすごく楽になったんだと。

▶ 「調整コスト」が家事を難しくしている!?

先日、わが家でもこの「調整コスト」を感じることがありました。

わが家は普段、僕が食事を作っています。
でもちょっと体調がよくない日があり、妻が「今日はわたしがご飯作るね」と代わってくれました。

そうしたら、色々と質問をしてくるのです。

「買い物行ったほうがいい?」
「何作ったらいい?」
「使ったほうがいい食材ある?」
「ご飯がいい? パスタにする?」

などなど。
その都度、答えるのですが「いや、もう自分で考えてくれよ…」と思ったし、小さくつぶやいた気もします(ゴメンよ)。

じゃあ、妻は料理も買い物もできないから聞いてるのか、と言えばそうじゃありません。
妻は「調整」していたんです。僕が考えているであろう「家事のゴール」に向けて。

もしも、妻が一人暮らしだったり、僕がいない環境であれば、適当に自分で考えてやればいいだけ。けど、僕という(あたかも)決裁権を持ってる人がいるので、決裁を得るために色んなことを調整しなくてはならなかったのです。

▶ 本当に夫は家事ができないのか!?

一般家庭が、普通の日常を送るために最低限必要な家事って、難しいことではありません。
洗濯だって洗濯機がしてくれるし、料理だって便利なミールキットも簡単なレシピも山程ある。

家事を高度に難しくしているのは個々の「生活哲学」ではないかと、僕は考えています。
(この「家事を高度化させる生活哲学」については、また長くなるので別の機会に)

家電が発展し、便利で簡単な生活サポートが揃っている現代において、家事は簡単なはずなんです。(念のため、簡単であることと、大変であることはまた別です

自分で魚を三枚おろしできるスキルはいりません。チャーハンがベチャッとしてるからって訴えられることもありません。
汚れの種類を把握して、適した洗剤をチョイスする知識なんかなくたって、普段の掃除も洗濯も、市販されている普通の洗剤でできます。

家事がこれだけ簡単にできる市場ができてもなお、「家事ができない夫」とは何なのでしょうか。

それは「(妻が思った通りに)家事ができない夫」と言うケースが、じつは多いのだと思います。

もちろん「自分が家事できる必要はないと思ってる夫」もいるし「本当に3歳児のように何もできない夫」がいることも知っています。
けど、そんなことないのに家事ができない夫というのもたくさんいるのです。

それが「妻が思った通りに」家事ができない、なのではないでしょうか。

▶ 「妻(夫)が思った通りに」家事をするのはめちゃムズい

10年ほど前、「家事のダメ出しが夫のやる気を削ぐ」なんてことが話題になりました。

夫は、「家事をすること」を求められていたのではなく「ダメ出しをされない家事」を求められていたのかもしれません。

ダメ出しをされない家事とは、夫にしてみたら答えのわからない家事かもしれません。

いっぽう、妻側からしたらそれは、「気の利かない家事」かもしれない。
答えのわからない家事と、気の利かない家事はおそらく裏表の関係。

夫たちが、答えのわからない家事に苦戦してきたように。
妻たちが、気の利かない家事にイライラしてきたように。

高すぎる家事の調整コストは、夫婦の家事を難しくするのかもしれません。

では、また。


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