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ラオ語の世界①:タイ語との類似性を日本人感覚で考えてみる

先日、ラオ語の歴史を研究した方の書籍を読んだ。ラオ語のみならず、国や民族のにとっての言語の存在意義を考えさせられる、とても勉強になる書籍だった。


せっかくなので、ラオ語とタイ語の関係性について、学んだことや考えたことを自身の体験談を踏まえて、何回かにわけて整理したいと思う。

第1回はラオ語とタイ語の類似性について。
ラオ語を知らない方でもイメージしやすいようにタイ語との距離感を説明してみる、

ラオ語の基本情報

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・言語系統: タイ・カダイ語族
・公用語:ラオス
・表記体系:ラオ文字
・話者数:約330万人

※Wikipediaより引用
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先に紹介した書籍の中でも、ラオ語とタイ語の対比を日本の方言の比較が語られていたが、私のイメージだと下記のような感じ。

ラオ語 → 秋田弁
タイ語 → 東京弁
(文字も同一では無いが、かなり近しい)

ラオ語とタイ語は、これくらいの類似性はあり、実際にタイ人にラオ語で話しかけると、瞬発的に理解できるわけではないが、言っていることはわかる。くらいの感覚だと思う。

一方で、ラオス人にとってタイ語は、テレビ番組などでタイのテレビが放送されているので、タイ語を聞いて理解することができる。
とりわけ、私がいた北部の県の中でもタイの国境沿いの人たちは、かなりの人がタイ語を読み書きができるほどだったし、メッセンジャーではタイ語の文字を使って、ラオ語で話すということが多々あった。

もう少し、タイ人にとってのラオ語について触れておくと、タイの北部のイーサーン地方においては、かなりラオ語に酷似した北タイ語というタイ語方言を話す。
ラオ人の飲み会では、爆音で音楽を流すが、ラオ語との酷似性が高いので、タイのイーサーン地方の歌が人気である。
ちなみに、こちらは私がいた当時、ラオス人がよく聞いてたタイソングのリスト↓


ラオ語とタイ語のイーサーン方言を比較すると、広島県出身の私の感覚だと、その酷似性は、広島弁と岡山弁くらい。(外の人からすると同じように聞こえるけど、当事者からしたらちょっと違う)

こういう背景もあってか、バンコクなど都会のタイ人と話す時にラオ語を使うと、なんとか理解してくれるのだが、時々笑われることがある。北部のイーサーン地方を田舎と認識していて、田舎ぽさがあるのか、タイ人の感覚としては、秋田弁を話す外国人的な感じかもしれない。

ラオ語とタイ語の距離感についてはこんな感じ。

次回は、ラオスという国が独立する中で確立されたラオ語の意義を歴史から紐解いてみたい。

※なお「ラオス」と「ラオ」の表記の違いは、「ラオス」= 国としてのラオスの意、「ラオ」= ラオ民族の意、としている。ラオスという国は多民族国家なので、表記にはこだわってる。

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