デイサービスの役割である『地域連携の拠点となること』についてお伝えします
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
私は作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、管理職に必要な知識と情報をシェアしていきたいと思います。
今回はデイサービスの職員向けの記事です。
デイサービスの役割である『地域連携の拠点となるとはどういうことか』についてお伝えします。
厚労省の資料には、デイサービスの役割の一つに『地域連携の拠点となること』という記載があります。
具体的には下記のような内容です。
では「地域連携の拠点?」いったい何をするのでしょうか…
地域連携の拠点としての機能とは、
相談窓口
地域の方へ向けての介護・介助・リハビリ・看護面でのセミナー開催
地域の学生との交流
自治会への参加
地域の防災訓練の参加
等いろいろ考えられます。
あなたの所属している施設は『地域連携の拠点』としての働きをしているでしょうか。
日々忙しい管理職の方、もしくは今後ご家族のデイサービスの利用を検討されている方に読んでいただけると嬉しいです。
地域の拠点としての機能、3本柱
3本柱とは、
家族会
施設見学会
他施設との交流
です。
家族会
まず地域の拠点として最も大事なことは定期的に家族会を開催することではないでしょうか。
現在利用していただいている方、もしくはそのご家族との交流は非常に意味があるものです。
家族会により、
介護疲れなどの察知
日々の手紙でのやり取りではわからない悩みを伺える
認知症対応の悩みを伺える
などができます。
そして、
介助・介護方法のアドバイス
福祉用具のアドバイス
自宅でできそうな運動や活動の提案
なども行うことができます。
「地域交流、地域連携の拠点としての活動をするぞ!」と動く前に、まずは身近な方々との交流から深めていく必要があります。
その中に本当に必要な地域連携の拠点としてのニーズが隠れている可能性が高いです。
施設見学会
施設見学会には地域の住民はもちろんですが、ケアマネージャーを招待します。
ケアマネージャーは担当の利用者に適した施設を紹介し、マネジメントをすることが仕事です。
施設見学会ではケアマネージャに自施設を知ってもらうこと、また他の事業所の特徴や取り組みを伺うことが重要か思います。
いくら良いプログラムを提供していても、発信しなければ利用者は来てくれませんしね。
そして施設見学会では、
施設内のハード面の紹介
施設のプログラム紹介
事例発表
新しい取り組み
意見交換
等をお題にしてみてはいかがでしょうか。
他事業所との交流
デイサービスは、地域内の他の社会資源(具体的には、行政機関、各種施設、団体、法人、企業、ソーシャルワーカー、ケアワーカー、保健師、看護師、家族、友人、ボランティアなど)との情報共有、業務協力が求められ、そのためには定期的な交流に参加すること、さらには、これらを運営するというような連携の強化が求められています。
まずは情報交換の場(地域ケア会議など)に、定期的に参加し、交流を深めているという実績が必要です。
地域内の専門職種の把握に当たっては、地域の行政職員等の主催する会議や他の職種・専門職との集まり(勉強会や懇親会)に定期的に参加することが活動の第1歩となります。
地域内の専門職種と協働できるよう、このような会議・勉強会・懇親会といった集まりへの参加を通して、いわゆる顔の見える関係性を日ごろから構築しておくことが求められます。
そして、もし可能であるなら自施設で交流会を開催することをお勧めします。
やはり自施設主催というのは大変エネルギーを使いますが、自施設の存在または自分自身の存在を地域のあらゆる方に知って覚えてもらうことができ、短期間で深い関係性を作ることができます。
交流を通して以下のような《情報共有》《業務協力》をしていくことが大切です。
《情報共有》
地域内の社会資源と関係を構築するに当たって求められることは、他機関の職員と良い関係性を築いた上で、利用者に対するサービスの内容やその種類を正しく伝達できることです。
必要と考えられる情報としては、
利用者さんの家族や親類・知人のネットワークの状況
公的な各種手当の有無
自らの事業所・施設以外の医療・介護サービスの利用の有無や今後の利用可能性とその利用の可否
また、地域の社会資源を活用する方が効果的であると判断するためには、自施設だけでなく、これ以外の多様な他機関から情報収集を積極的に行い、その後で最適な内容を掲示することが必要です。
《業務協力》
業務協力をするためには、利用者さんに必要とされるサービスを選び、これらを提供するための協力を要請することや、その協力までのプロセスを文書として残していることが必要です。
これらのプロセスが文書として伝達されることで、情報を蓄積し、こういった問題への対応の定型化や標準化が進みます。
こうした文章のやり取りやその記録を自施設に蓄積していかなければなりません。
利用者さんやご家族からの相談や問題状況に応じて、より良いサービスを提供するためには、関連する他のフォーマルな機関(医療機関、行政、地域包括支援センター、社会福祉協議会など)のみならず、インフォーマルな関係機関(住民組織や各種団体)、さらには、利用者さんの知人等にも、日ごろから協力を要請できる関係を築いていくことが必要です。
それぞれの具体的な内容
家族会、施設見学会の内容
私の事業所では、去年家族会と施設見学会を一緒に行いました。
例として上げますので参考にしていただければと思います。
初めのあいさつ
スタッフの自己紹介
デイサービス〇〇のプログラムの説明
加算について
パワーリハビリ体験
物療体験
入浴について
グループリハビリについて
行事予定
質疑応答
終りのあいさつ
フリータイム
フリータイムでは自宅での様子を聞くようにしています。
以下のような情報を準備しておきます。
利用者さんのバーセルインデックスの項目を参照に伺っていく
居宅訪問のアセスメントを参照にする
「自宅でできる運動」を教えてほしいと言われるかもしれないので準備しておく。
最後に必ずアンケートを取るようにしています。
アンケート内容は下記になります。
次回の議題
本日の感想
家での困りごと
事業所SNSの宣伝
SNSでどんな発信をして欲しいか
QRコードからの登録
他事業所との交流
私たちの施設では半年に1回程度交流会を開催しています。
内容としては、
自己紹介、施設紹介
事例紹介
グループディスカション(同一事業所の方と別のテーブルについていただく)
などです。
講師を招いてセミナーを開いていただく場合もあります。
昨年は、テーマ:「信頼関係を気付きにくいクライアントを理解するための新しい視点」にて内科医をお招きしセミナーを開催しました。
そして必ず最後にアンケートを取るようにしています。
以下、アンケートの内容と、それに対する返答を載せますので参考にしてください。
参加者アンケート:
【今回の「地域交流会」のご意見、ご感想をお聞かせください】
返答内容:
地域の他の事業所の方々とゆっくりお会いする機会はなかなかないのでとてもいい時間を過ごせました。
前回より多くの方が来られ、色々な話を聞けて良かったです。
それぞれの事業所様の特色を知る事が出来て良かったと思います。
いろいろな出会いがあり良かった。
気軽な感じで楽しめました。
こういった形式の研修は初めてでとてもよかったです。とても有意義でした。
地域を知る事ができた。
同じテーブルの方とは話ができました。たくさんのところの意見を聞けて良かったです。もっとたくさんの方々と話ができるといいと思いました。机とかがない方がいいかもしれないです。
さまざまな事業所の事が知れて良かったです。
フットケア【自費】のサービスを知る事ができてよかった。締め付けない靴下、寝たきりの利用者の様に話しをしてみます。
フットケアサービスについて、とても気になりました。色々なサービス(保険外)の事が知れて良かったと思います。
とても勉強になりました。取り組みなども色々で。心の中で「ほほー」の連続でした。
初めて知る事業所などもあり、その事業所の特色を色々きけて勉強になりました。
参加者アンケート:
【今後「地域交流会」で扱ってほしいテーマ等があればお聞かせください】
返答内容:
困っている事例などを話し合うなど
「うちではこうしてます」などヒントになることが発見できるかも
他の事業所間でのスタッフの交流、体験
同じような会の拡大が一番、また来させていただきたいです。
事例検討会、予防の予防で50歳からのリハビリ等
異業種の方にも参加して頂いて、色々な情報や知識を得たいです
これを機会に今後も横のつながりを作って関わらせて頂けたらと思います。そのためにもっと事業内容や取り組みを詳しく聞かせて頂けると嬉しいです。
参加者アンケート:
【 今後、第〇回を開催するにあたって、ご都合の良い曜日や時間帯をお聞かせください】
返答内容:
今の18:30がいい
水曜日以外だと看護師が参加できる
夜ならいつでも
19時以降の方が参加しやすい
平日の18時以降
おわりに
2025年を目途に、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括化システム)の構築を推進しています。
介護事業所・施設は、専門職という立場だけでなく、地域の一員として地域包括ケアシステムを推進するために、どのようなことができるかを考えていかなければなりません。
そのためには、地域内の医療機関や介護事業所やほかの施設などと定期的な会合を持ち、利用者のための取り組みについてどのようなことが必要かを常に検討していくことが求められています。
では皆さま。制度が求めているデイサービスを実践し、模範となることで先陣をきっていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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