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「介護現場に倫理は必要か?!」を解説【倫理に関する研修】

こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。

今回は【倫理及び法令遵守に関する研修】の資料として使える内容で、「なぜ介護現場に倫理は必要か」について記載します。

☑ 筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

私たちは毎日現場で忙しく働いていていると、倫理について考える暇もありませんよね。
 
そもそも倫理って何なのか…
 
介護に倫理って必要なのか…
 
これらをわかりやすく解説します。
 
コピーだけして研修で使っていただいてもOKですw
 
それでは早速行きましょう。
 


介護に倫理は必要?

「介護の現場に倫理的問題があるなんて知らなかった…。」
 
「私たちは每日、一生懸命介護しているんだからそれでいいと思う。」
 
こんな職員は多いかもしれませんね。
 
では利用者さんが職員の意図とは違う行動をとったり、または職員が「ムカッ」とする言動をしたときはどのように対応しますか?
 
倫理をあまり意識していない職員は「経験と直観で対処している」または「そんな時はこちらが我慢するしかない」といった根性論で対応しているかもしれません。
 
でもそれに慣れすぎていて、倫理観を意識していなければなければ、知らない間にご利用者に対して不利益な状況に追い込んでしまう可能性があります。
 
では、一度じっくりと立ち止まってご一緒に"介護の倫理"について考えていきましょう。

介護倫理と生命倫理

まずは倫理について過去から勉強します。
 
1960年代で世界は「他者の命を尊重しない多くの医療や研究」に関する問題がでてきました。
 
そこで、「生命とは?」「よく生きるとは何か?」ということを共に考えていこうという動きがあり、"生命倫理"という新しい学問が誕生しました。
 
生命倫理には医学だけでなく、看護学・倫理字・法学・公共政策など多くの專門家が、それぞれの専門領域を超えて協働して考えるアプローチが行われました。
 
医学の領域では、ヒポクラテス的“医の倫理”というものがありますが、1960年代以降は看護の領域にも生命倫理は浸透してきました。
 
そういった経緯から高齢者ケアにおいては, 認知症に伴う意思決定能力低下と自己決定の問題、そして終末期の延命治療と看取りの問題など、こういった倫理的問題が浮かび上がってきました。

そして、どんどん介護の領域にも“介護倫理”として倫理学が根づいていったわけです。

参考に生命倫理について下記に載せておきます。

生命倫理:生・病・老・死のそれぞれの倫理を考える学問生:生殖補助医療、妊娠中絶、遺伝子診断、クローン、ES細胞、再生医療など
病:治療方針の決定、人工呼吸器、研究倫理、緩和医療、医療過誤訴訟、患者の権利、医師と患者の関係、 治療の中止・差控えなど
老:認知症、終末期医療、ケア・看取り、虐待 など
死:脳死、臓器移植、延命治療、安楽死など

介護における"倫理的ジレンマ"と"倫理的気づき"

現代は高齢者の数が増加し、介護の領域は医療・看護の領域と並んで、地域包括ケアシステムにおいてたいへん重要な位置を占めてきています。
 
それにもかかわらず介護に関する倫理的問題は、その重要性がいまだ十分に認識されているとはいえません。
 
日常ケアに関するいろいろな問題は、介護技術上の問題だけでなく、倫理的問題をも含んでいます。
 
でも時間に追われた日常ケアの現場においては、「何が倫理的問題か?」という視点が忘れさられがちです。
 
たとえば日常的に遭遇する認知症高齢者の"徘徊 "です。

徘徊への対応を業務としてこなすのか、あるいは熟慮に値する倫理的な側面をもっているとみなすのか、という視点の問題です。

これは単に介護技術における問題だけでなく、本人がしたい行動を制限されることと、介護スタッフ不足との間に倫理的ジレンマを見出すことになります。
  
このような日常ケアにおける倫理的ジレンマに对して敏感になり、「何が倫理的問題なのか」という気づきをもつことが非常に重要です。

それを気づくことで介護スタッフによって対応が大きく異なります。

技術上の問題だけでなく倫理的問題として考慮すると、さらに的確な視点で問題をとらえることができます。

自立と自律、パーソン・センタード・ケア

介護倫理を考えていくうえで、パーソン・センタード・ケアの考えがおすすめなので紹介します。

介護倫理は高齢者の尊厳に配慮したケア、すなわち「人を尊重するということ」が大切とされています。
 
尊重するとはどういうことか例をあげてみます。

利用者さんに「鈴木さん」とその人の名前で呼んだとします。

実はそれで鈴木さんの存在を認め、鈴木さんの人格を尊重しています。

「鈴木さん、なにか飲みますか?」など相手の名前をよび、声をかけ、ケアをすれば、鈴木さんを尊重していることになります。

逆に、「認知症の人だから…」と相手にしなかったり、「わからないからかまわないでしょ」と相手の存在を無視するような態度では尊厳を守っているとは言えません。

また名前をよんでいても目線を合わせず、相手の表情も反応もみずに、とにかく一方的にケアをすると尊重していないことになります。
 
※引用書:ケースから学ぶ 高齢者ケアにおける介護倫理第2班

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は介護現場における倫理について簡単に触れてみました。

振り返ってみると、

  • 倫理の歴史

  • 倫理的なジレンマと気づき

  • 倫理を守るための考え

といった感じです。

これを機に、自分の施設で倫理が守られているか、尊厳が守られているか、ケアを振り返る時間を作っても良いかもしれません。

それではこれで終わります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後も、管理職又はリーダーであるあなたにお役立てできる記事を投稿していきますので、スキ・コメント・フォローなどいただけると大変嬉しいです!

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