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ミニマリストと良寛さんと一鉢

究極のミニマリストは良寛さんだよと誰かが言っていた。

こんにちは。最近、Youtube上でミニマリスト志向の動画を見ながら、断捨離に励むという謎の流行が自身の身に起こっていますw

そんな中、上述のとおり、およそ200年前、江戸時代後期の禅僧 良寛さんの事がふと浮かびました。


良寛:越後(現在の新潟)出身の禅僧。(1758〜1831年)
歌人、書家であり、その質素な暮らしぶりと穏やかな行いが、多くの伝話を残す。


有名な伝え話の一つとして、友人が訪ねた際、足をあらうために一つの鉢を差し出したエピソードがあります。
友人が、これは飯を食べるための器ではないかと驚くが、良寛いわく、飯を食べる事もできるし、顔も足も洗う事もできると。


この話、出典は覚えていませんが、小学生時代に読んだ偉人伝と高校の現代文参考書に出ていた覚えがあります。当時は、物欲がないお坊さんがいたんだな〜くらいの印象でした。


さて、ここから少し込み入りますが、この話、元ネタは無いかと疑問に思いました。

良寛エピソードは基本、伝聞がまとめられている形式ですが、伝聞は往々にして話し手が程度をもります。実際に、高校時代に見た参考書にはわざわざ鉢の写真が載っていたほどで、印象強化されている感が今思えばありました。


そこで、実際に良寛自筆の詩集、『草堂集貫華』に、当時の暮らしを歌っている箇所はないか調べてみました。

以下、引用させて頂きます。

自従一出家    一たび出家して自従り、 
不知幾箇春    幾箇の春なるやを知らず、
一衲與一鉢    一衲と一鉢と、
騰騰送此身 ※   騰騰 此の身を送る  

※原文、送は旧字体
引用:『良寛詩 草堂集貫華』 内山 知也 1994年 春秋社 139P


一枚の僧衣と一個の鉢、質素な暮らしぶりを自ら歌われていたのですね。

この漢詩、まだ続きますが、後半は蓄財に励む人を思う良寛さんの言葉が記されています。思わずどきっとするのですが、現代人にも通じる教えがあり、別の機会に紹介したいと思います。


それでは!







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