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『Medicineメディスン』観る前に勉強してみた📖


英語の戯曲は読めないけど、少しでも舞台を楽しめるように観劇前に少しだけ勉強をしてみました。

Medicineメディスンを書いたのは劇作家エンダ・ウォルシュ。

この舞台を演出される白井晃さんがインタビューで、アイルランド出身のエンダ・ウォルシュは劇作家サミュエル・ベケットの影響を受けているだろうと仰っていました。

(サミュエル・ベケット→アイルランド出身の劇作家で不条理演劇を代表する作家の1人)

メディスンを楽しむ為には『不条理演劇』という演劇のジャンルを少しでも理解しておく方が良いと思い調べてみました。

(不条理演劇ではない)従来の演劇では物語には(起承転結)筋(プロット)があります。

これに対し、不条理演劇では、筋がなく夢の様な構造になっており(ポツンポツンとイメージの連続が組み合わさっている)時間軸などで繋がらない場面場面で出来ているのでこれを知らずに(作品を筋として)理解をしようとすると『わけが分からない…(難しい)』という状況に陥るようです(笑)

この夢のような構造の中で影響が大きいのが『シュールリアリズム』と言われるもの。

ではシュールリアリズム(超現実主義)とはどのようなものなのでしょうか?

シュールリアリズムの作品として思い浮かべやすいのはサルバドール・ダリの『記憶の固執』(砂漠の様な直線的な背景にぐにゃりとした時計が描かれている)など普通では有り得ない組み合わせ、理性や常識を超えた世界が描かれています。

フロイトの『精神分析理論』が支柱にあり、意識の下に閉じ込められている無意識の欲望を描くものとして確立されたそうです。

(これもシュールリアリズム…かも)

シュールリアリズムの作品を見ると人間の顔に花や果物など普通では有り得ない世界にどういう意味が隠されているのだろうと興味をそそられる反面、どこか少し怖さを感じてしまいます。

メディスンのあらすじで『老人と巨大ロブスターがやってくる…』って書いてて『巨大ロブスター!?(なんじゃそりゃ)』ってなってたけど、アリな世界線なんだなと理解してきました(笑)


不条理演劇が生まれた背景としては第二次世界大戦後のヨーロッパ。

戦火の炎に焼かれ、焼け野原になり、大勢の方が亡くなるという絶望的な状況下から人々は神に祈っても願いは叶えられない、『神』という存在に不信感を持つ時代にこの劇は生まれました。

不条理演劇の(夢のような構造の)バラバラな場面場面の共通点は根底に『不安や恐怖』の感情があるということ。

シュールでユーモアがあるお話は笑いを誘い、とても馬鹿げていて観客は笑ってしまうけれど、実はその奥底には不安や恐怖が潜んでいて終わった後にゾッとする…これが不条理演劇の特徴だそうです。

当時、ヨーロッパで生まれた不条理演劇をハリウッドで上演したところ全くウケなかったそうです。(それはアメリカの地は戦場になることなく悲惨な目に合っていなかったため観客は物語の奥底に潜んでいる本当の意味が理解出来なかったからだそうです。)

サミュエル・ベケットの不条理演劇の最高峰と言われる『ゴドーを待ちながら』もハリウッドでは大不評で早々に打ち切られました。

ところが実験的にアメリカの刑務所で上演したところ囚人達が涙を流して観ていたそうです。
驚いて「この難解と言われる劇を理解出来たのか?」と聞いてみたところ「あぁ、俺達には神は来ないんだな…(自由になることはない)」と涙を流していたと。

メディスンは『薬』なので、そういった関係の『何か』が潜んでいるのかな?私は気付けるかな?(気付けたらいいな 笑)

近年新しいウイルスがあらわれ、特効薬は無く、毎日テレビで繰り返される感染者数や死者数、閉鎖された世界を見てきた私たち。

どうにもならない閉塞感を経験したという意味で不条理演劇を観る時期としてはいいのかもしれません。

エンダ・ウォルシュは作品を書くにあたって、アイルランドの精神病院の歴史や自身の母親の老人ホーム、アルツハイマー病について大きな影響を受けたと書いてありました。

あらすじに出てくる『老人』は(影響を受けたという)老人ホームと関係してるのかな?と思いますが『巨大ロブスター』は一体何ぞやと思い調べてみました。

今までロブスターは美味しい食材としか考えたことが無かったけど調べてみると『不老不死』の生き物であることが分かりました。(驚)
内蔵もマルっと脱皮してカラダを一新することが出来るんだとか。
(ただその脱皮はリスクも大きくて脱皮不全で命を落とすロブスターが多いらしい)

ご長寿の巨大ロブスターと老人…

なるほど…
(戯曲は読んでないけど)

どう演じられ、どの様に感じるのか。

有り難いことに東京公演(初めの方)と兵庫公演に行けることになったのでその期間でも自分の中で感じ方がどう変化していくのかわくわくしています。

どうぞ最後まで無事に走り切られますように!


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