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よく聞くCookieとは?キャッシュとの違いもあわせて解説!

Cookieはユーザーに快適なWeb環境を提供する上で欠かせない機能です。ユーザーが一度訪問したWebサイトに再訪問するとき、前回の記録を保存しておくことで面倒な入力などを省けます。

また、Cookieは広告を効率良く配信するためのリターゲティングでも役立ちます。一度自社サイトを離脱したユーザーを追尾して広告を表示することで、再訪問やコンバージョンを効率良く促すことが可能になります。

このように便利に使えるCookieですが、「どのようなものか?」と聞かれてスラスラと説明できる人は意外と少ないと思います。

そこで本記事では、Cookieの基礎知識や近年話題になる利用制限、マーケティングに対する影響などについて紹介していきます。

よく聞くCookieとは?

CookieはWebサイトを訪問したブラウザをIDで識別し、保存しているユーザー情報を反映させられる機能です。

端的に言えば、前回訪問時のユーザー情報がそのまま残っているので、再訪問したときに前回の続きのようにWebサイトを操作できます。たとえば、ログイン情報の入力が省けたり、前回買い物カゴに入れたままにしていた商品がそのまま残っていたりします。

Cookieを使えばWebサイト訪問に必要な手順を省略し、かつ前回の行動履歴を反映した結果をそのまま表示できるのです。

Cookieの種類・有効期限

Cookieは発行元によって「ファーストパーティー」と「サードパーティー」の2種類に分かれます。

ファーストパーティーは、ユーザーが訪問しているサイトのドメイン(ネット上の住所)から発行されたCookieのことを言います。ユーザー名(ID)、年齢・性別(属性)、購入・閲覧履歴(行動)などを保存できます。

ファーストパーティーは、そのサイトの中でのみユーザー情報の取得・保存が可能です。

サードパーティーは、ユーザーが訪問したWebサイト以外のドメインから発行されるCookieのことです。自社サイトのドメインから発行されるのではなく、第三者から発行されるのでサードパーティーと呼びます。

複数のサイトを横断してユーザーの閲覧履歴などを把握できるので、ユーザーの趣味・嗜好・関心事などを確認できます。

キャッシュとの違い

Cookieと似た機能にキャッシュがあります。

CookieはユーザーがWebサイトで起こした具体的なアクション(ユーザーIDの入力や買い物カゴに商品を入れるなど)を保存します。対して、キャッシュが保存するのはWebサイトの閲覧状況です。

Webサイトの閲覧状況を一時的に保存しておくことで、ユーザーが一度見たWebページを素早く表示させられます。

Cookieはユーザーの行動に関する情報を保存し、キャッシュは閲覧した環境の情報を保存します。

Cookieを構成する3つの要素

Cookieを発行する方法としてJavascriptから発行する方法と、サーバから発行する方法の2種類あります。

Cookieを構成する3つの要素は以下のとおりです。

● Content(そのユーザーを識別するためのもの)
● ドメイン(誰が発行したものか)
● Name(どんな目的があるか)

上記の3つの要素は、ブラウザの設定画面で「プライバシーとセキュリティ」→「すべてのCookieとサイトデータを表示」で確認できます。

Cookieの問題点とは?

ユーザー情報を一時的に保存できるCookieは非常に便利な機能ですが、いくつか問題点もあります。

一つはセキュリティ上の問題です。たとえば、共有のパソコンでCookieが発行されると、自分以外の人に自分の情報を悪用される可能性があります。また、自分専用のパソコンであっても、情報を第三者に盗まれて悪用されることもあります。

これら危険は、サイトのhttps化やCookieのsecure設定で対処可能です。

もう一つはプライバシー上の問題です。サードパーティーは第三者がドメインを横断してCookieを発行し、Web上のユーザー行動を把握します。近年、この仕組みがユーザーのプライバシーを侵害しているのでは?と問題視されています。

そのため、Googleは2020年1月14日にChromeブラウザのトラッキング(ネット上でユーザーを追跡すること)用サードパーティーCookieのサポートを2年以内に打ち切ると発表しました。

さらにEUでも、Cookieを個人情報として扱い、業者側で勝手に情報を取得できない法律(GDPR)を制定しています。

その流れを受けてか、最近のWebサイトではCookieを発行するときにユーザーの同意を得るアラートが表示されるようになりました。

Cookieが使えなくなったらどうする?

これまでの広告経由のコンバージョンは、「サイト初訪問」→「離脱したユーザーにリターゲティング配信して再訪問を促す」を繰り返して獲得してきました。

しかし、Cookieの利用制限は今後ますます強くなっていくでしょう。特にサードパーティーCookieは、2022年1月ごろまでにサポートが終了すると予想されます。これまでのように、リターゲティング配信を利用してコンバージョンを獲得する方法は使えなくなると考えられます。

ただ、幸いなことにサーバから直接付与するファーストパーティーCookieについては制限の対象になっていません。これからは、ファーストパーティーをより有効活用して、ユーザーを自社サイトのファンにしていく施策が求められるでしょう。

積極的にメルマガ登録を促したり、LINEのともだち登録を促したりなどの対策を行い、ユーザーとの接点確保に努める必要があります。

まとめ

Cookieは非常に便利な機能ですが、その分データの取り扱いについてはより厳しくなっていくでしょう。最新情報に常に気を配り、適切な取り扱いを心掛けてください。


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