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「一番人間くさい仕事」会いたい人には会える時に

「一番人間くさい仕事だなと思って『建築』を選んだんですよ。」

今から15年ぐらい前、最初に2人でランチした時に、ニコニコしてお話ししてくれた。

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今週のはじめ、
仕事で長年お世話になってきた36歳年上の大先輩が空に帰った。

都内に構えていた事務所を昨年引き払って、すっきりさっぱりさせてた。

毎年「大先輩を囲む会」をプロジェクトでお世話になった元職場の先輩方と開催していて、今年も6月にお会いして元気な様子を知っていたのに、「またお会いしましょう。」と見送ったのが最後になった。

いつもと同じだったのに、
朝起きてこなかったらしい。

眠るように旅立つ、
あのお方らしい亡くなり方だった。

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構造設計を専門にする大先輩は、
私たち「意匠デザイン」からしたら、デザインだけでは解決できない難しいあれこれを解決していただくのに、おんぶにだっこの存在。
その都度その都度、アドバイスや裏付けをしていただき、プロジェクトを前に進めていただいてた。

新築でも、既存の建物でも
「この壁なくしたいんですけど・・」「この床切って階段つくりたいんですけど・・」「もっとこうしたいんですけど、このデザインで構造成り立ちますか?」などなど、デザイン側のあれこれをいくつも解決していただいた。

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80歳超えても現役で、
考え方が柔軟で、楽しくニコニコと軽快に仕事をして、
カッコいい生き方の方だった。

「過去の失敗事例を学んで、勉強すると良いよ」と、専門誌の切り抜きデータを定期的に教えてくれたり、
私が一級建築士の受験勉強をしていた時は、教科ごとに勉強のアドバイスを繰り返し教えてくれた。

「一級建築士の受験辞めます。」と言った時も、
「そうですか。」とだけ言ってくれて、またいつもと同じ感じだった。

何度言っても理解されず、「今年は受験しないのか。」と言ってくる父とは大違いだった。

父とほぼ同い年なのに、会話は全然違った。

この本良いから読むと良いよ。と貸していただいた本の数はゆうに100冊を超えてたし、

空間をつくる時の考え方がたくさん詰まってる、
「建築心理学」という考え方もお薦め本から学ばせていただいた。

今はどんなプロジェクトやってるの?
と、その時その時の時事ネタをお互いに話したり、
各地の建築談義を話したり・・・
「囲む会」の先輩たちともいつも話が尽きなかった。

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会いたい人には会える時にあう。
なんでもないことかもしれないけど、
その時間を大事にしたい。




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