週に何回?

リハビリで、
週に何回くるのがいいのか?
1回?2回、3回?毎日?

結論は当たり前だけど、人による。
ただ、一つ言えるのは、たくさん来ればすぐ治るわけでもないし、
少なくても、改善していくこともある。

実際、同じ患者さんで、週2回の場合と4回の場合は試せない。
だから、4回通ったから速く治ったかは証明できない。
そもそも、病院の場合は1単位20分と決められているので、
週2回で最短で40分。
1週間のうちたった40分だけ。この短時間の介入で、
改善したら自分の介入が良かったとなってしまうのが怖い。
(昔の自分)

あくまで1例として、
肩関節周囲炎(いわゆる四十肩、五十肩)は実際、
僕の経験上の肌感でしかないが、
週2回も4回もあまり変わらない気がしている。
来院時の可動域、痛みなどは人それぞれではあるが、
大体、リハ開始から半年から1年ほどで、
ある程度満足する目標に到達する。
(凍結肩みたいに改善が難しい状態は除く)

ここからは僕の一つの考えを話そう。
僕は基本、週2回をすすめている(それが正しいかは分からない)。
1回だと、中6日以上空く時もあるので、リハとしてどうなのか。
3回、4回になるとほぼ1日おきにくる感じになるから一見良さそうに見えるが、
1日の変化が少ないことが多い印象なので患者さんのモチベが下がりやすい気がする。
「こんなに通っているのになかなか上がらないし痛い」
もちろん最初の説明で時間がかかるものという説明は大事。
2日ぐらいの場合だと、中3日くらいは空くから、
リハで普段以上に動かして次の日はどうだったとか、
運動指導をした場合は、やってみた感触はどうか、
間隔が適度なので、コミュニケーションはとりやすいなと感じる。
そして、あまり依存度も高くないし適度な距離感があるので、
リハの終着点もすんなり決まっていくことが多い気がする。

逆に週4回も通っていると、リハへの依存率も高くなると思っている。
「リハ後は調子がいい」
「間が2日空いてしまうと肩の調子がよくない」
ビジネス的には通ってもらい続けるに越したことはないが、
もう状態的には終了でいいのに(患者さんの訴えも考慮して)、
いつまでも続いてしまう。
これが患者さんにとっていいことなのか?

患者さんにとって何かあったら頼りになる場所になれるのは嬉しいことだが、
患者さんにとって絶対になければいけないものになってはいけないとも思っている。(ルーティンに組み込まれてはいけないと思っている。)

患者さんは自分では分からない。だからプロになんでも聞いてくる。
来院頻度もそう。
セラピストが2回といえば2回くるし、
4回なら4回くる。
患者さんの未来はセラピストの匙加減にかかっている。
もちろん病院によってはマニュアルもあるだろうし、
論文にあるからこれぐらいの頻度でと決めることもあるだろう。
ただ、
マニュアルに当てはまらないこともあるし、
論文はあくまで確率が高い低いが多くの症例から弾き出された数字でしかない。

目の前の患者さんの状態は自分しか知らない。
マニュアルを無視して勝手にやるのはリスキーなので、
自分がみたものを上の人に伝え介入方法を提案をする。
明らかに論文の内容に当てはまらないと思ったなら、やり方を変えよう。
自分の中に答えがあれば、躊躇せずに行動を起こせる。
書籍等から得られる先人たちの知識は重要だが、
自分の実際に診てきた経験も大事にしてほしい。

経験則からくる介入方法はおそらく大まかには当たっている。
介入方法にこれといった正解はない。
介入とは確率を上げていく作業にすぎない。
そして100%になることもおそらくない。
原因の究明は困難。

だから、
最終的にはセラピストが自分の中で根拠を持って自信を持って介入することが患者さんに対する敬意である。

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