予防って?

今回は暑い、寒いを例に書いていく。

例えば、右膝が痛くて来院した人に、
「左膝も予防のためにやっておきましょう」
(予防になるのかは知らないけど)
みたいな場面は多くの人が出くわすイベントだったりするはず。

事前にやるという意味では予防という認識でいいはず。

ただ、今回の本題である「暑い」「寒い」はどうか。

「季節の変わり目だから体がだるい」
「暑いからなかなか体が動かせなくて」
「寒いからなかなか体が動かせなくて」

他にもやらない要因はあるはずなのに、
気温のせいで片付けるのはどうか。
もちろん寒いの苦手、暑いのが苦手が人それぞれあるのは理解している。
ただ、それって何十年と生活していて、毎年来るのが分かっているのに、
そこの対策はしないのか。そこが疑問の一つ。
予防という意味で「暑い」「寒い」はしょうがないとして、
そういう時期が来るのがわかっているのであれば、
春や秋の時期に何か対策をしてるのか。という話になってくる。

してればいいが、してないなら、
我々の施術ではどうにもならないと考えるのが妥当だと思っている。

こういう観点から、予防というものが本当にできているのか疑問になってくる。
(気候など人にはどうにもできない要素が絡んでくると)

施術家からの視点からすると、
健康になってほしいと患者さんに予防やメンテナンスを施すのに
心の奥底には、患者さんの体調不良に少なからずチャンスを感じていると思う。
なぜかというと、
ずっと健康で調子がいい。さらに関係性が薄かったりすると、次に来なくなるのではないかと、ビジネス的な思考にはいりやすい。
「調子がいいので通うの一旦やめます」
「しばらく自分で様子見てみます」
などを言われることへの恐怖心があるぐらいなら、
「調子が悪いんです」と言ってくれれば、
「もう少し続けたほうがいい」
と言いやすい。

季節の変わり目なんかは一年に何回も来るので、
「季節の変わり目なので」
「寒い(暑い)からですね」
と一年中、大義名分みたいなのがあるので、
それを理由にしてれば一年中通ってもらうことも可能だと思う。
暑い、寒いはしょうがないが、果たしてそれは真摯に患者さんに向き合っていると言えるのか。

僕は原因という言葉は使わないが、
都合よく物事を解釈して原因みたいにしてませんか?と思う。

もし天気が原因なら、施術家は何もやることがない。

重要なのは施術者側の対応

このままいつも通り寒い、暑いを理由に対応していくのか、
「これから寒くなってくるので、今のうちにこれをやっておけば、もしかしたらこうなるかもしれません」と提案できるか。提案することによる、いい意味での患者さんのマインドセットを行うことは大切だと思う。
(あくまで提案で未来のことは誰にも分からない。ただ毎年同じように過ごすだけなら、やってみる価値はあるのかなと思う。)

夏に体調を崩すのがほぼ確定の患者さんが、
体調を崩すのを待つのではなく、その手前でアプローチをし、いい意味でマインドセットを行い、「これをやってみましょう」「準備してみましょう」と、
新しいことに取り組んでいくのか。
それでいい方向に行けば患者さんも嬉しいはず。

人の体をプラスにするには運動や食事ぐらいしか今のところ思いつかない。
施術というのは、マイナスの状態を0までしかできないと思っている。
「軽くなった」「楽になった」などは、例えば−4が最大で0になるというマイナスの中でのプラスの変化でしかないと思っている。
プラスにするには中長期的に運動や栄養管理などしていかないとプラスに持っていくのは難しいと思っている。
即時的にプラスに持っていくのは不可能だと思っている。

すでに長期的に通っている患者さんのためにもやれることはないか。
これは常に考える必要がある。そして中長期的なスパンで設計していくことも大事。

困った時に来てもらうというスタンスなら問題はないが、年単位で継続的に通ってもらっているなら、少し考えてみてはどうか。
というおはなしでした。

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