「頭でモノを運ぶ」から考えた女性の生き方
マンボ!
タンザニア在住ライターのほりとも(@tmk_255)です。
タンザニアにいると、「女性の幸せとは?」そんなことを考えさせられる機会が多い。
なぜなら、タンザニアでは「女性は家で家事をする」的なイメージがまだ強く、伝統的な社会慣習や文化から、男尊女卑の傾向が見られるから。
女性が頭でモノを運ぶという、あのアフリカらしい「すてき」だと思っていた風景も、そんな女性の厳しい現実を反映したものらしい。
なぜ、アフリカの女性は頭でモノを運ぶのかは、こちらから。
タンザニアでよく見る「頭にバケツ」の風景は、私がタンザニアの女性たちは女性の生き方についてどう思っているのだろう?と興味をもつようになったきっかけ。
実は、タンザニアの女性は大統領。タンザニア初の女性大統領だと聞いて、「女性の権利向上を助けてくれる」と期待した女性も多かった。でも、実際は全くそんなことはなかったらしい。タンザニアの女友達に聞けば、声をそろえて「全然、良くなっていない!」「彼女にはがっかり」といった答えが戻ってくる。(大統領を批判することはこの国では許されないので、ひそひそ声で)
日本と比べて、まだ女性の権利が尊重されていないと感じる一方で、女性の生き方について、タンザニアに友達と話していると、意外な驚きを感じることもある。
例えば、一夫多妻制への意見。タンザニアの宗教は、イスラム教徒とキリスト教徒が全体の40%ずつ占める。イスラム教には、男性は最大4人まで奥さんを持つことができる一夫多妻制というシステムがある。
私の家のお隣さんは、この一夫多妻制の大家族。いつも子供の声がしてにぎやかなので、幼稚園を経営しているのかと思っていた。実はアパートが4棟ほど並ぶ敷地で、1人の男性に3人の奥様が別々の家に住むイスラム教の一家だった。
この一夫多妻制へのタンザニア人の女友達(キリスト教徒)たちの意見がなかなかシビアだ。「知り合いは3人妻の一人だけど、いつも不幸せそう」「多妻だなんて、私は絶対に無理」「イスラム教の教えは完全に女性の権利を踏みにじっている」堂々と、多妻制への反対意見を表明したり激怒している。
イスラムの信仰はそれとして尊重することは大切だけれど、私はタンザニアの女性たちがこうやって堂々とはっきりとした意見を持っていて発言することが意外で嬉しかった。
ある時は、旅行で訪れたナミビアで現地の部族である「ヒンバ族」の女性が胸を露出していたという話をした時。タンザニア人の女友達は、その写真を見て、私以上に衝撃を受け、驚いていた。開いた口がふさがらないとはこのこと、まさにそんな表情だった。
同じアフリカの他の国で、今の時代でも胸を露出する文化を維持している民族がいることを彼女は知らなかったらしい。そして、信じられなかったらしい。
「自分の娘が大人になった時には、頭にバケツを乗せる女性の姿が見られなくなって欲しい」「それが実現するのはあと50年はいるかもしれないけれど」
女性の生き方について、タンザニアの女性と話をしていると、現状を変えるという力強い意志が感じられる。彼女たちの強い想いを聞くと、時間はまだかかるかもしれないが、タンザニアの女性の権利は確実に良くなっていくと確信できる。
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