アフリカに戻ってくる人の気が知れた日
マンボ!
タンザニア在住ライターのほりとも(@tmk_255)です。
タンザニア生活のカウントダウンが始まりました。
タンザニアでは、「またアフリカに戻ってきました」という人、「タンザニアに絶対にまた帰ってくるぞ」と決意して泣く泣く帰国する人、「また来ちゃったよー」と毎年のように遊びに来る元在住者によく会います
タンザニアでの時間があと少しとなった今、私は彼らの気持ちがよ
~くわかります。
「アフリカの生活って大変でしょう」と思っているあなたには、またアフリカに戻りたい人がいるなんて、もしかしたら、びっくりなことかもしれません。今日は、自分が体験してみてわかった、「なぜみんなタンザニアに戻ってくるのか」について考えてみました。
お母さん逃亡騒動
ある週末の朝。友達といつものように朝ランに出かけました。
普段だと、安全のため自転車か車で友達と合流できる地点まで移動して、そこからみんなで一緒に走ります。走る距離を増やしたいこと、ひとりでも比較的安全なルートがわかってきたこともあり、その日は、家から走ってランに出かけました。さらにいつもより長めの距離を走ったので、家に戻ってきたのは出かけてから2時間後。
家では、ちょっとした騒動になっていたようです。「自転車も車もある。だから母はランニングに行ったのではなさそうだ。しかし、ずっと帰ってこないぞ」と、母親が逃亡したのではと本気で心配し始めた子供たち。
なぜ母親が逃げ出したと思ったかを聞くと「最近のお母さんは、タンザニアを離れたくなさそうだったから。きっとタンザニア人のあのお友達の家にかくれようとして、逃亡したのでは」と疑ったらしい。想像力がたくましい…。
確かにタンザニアには、もっといたいと感じていたけど、子供2人を置いてそんなことはしません。でも、タンザニアを離れたくないという気持ちは、子供たちにもバレバレだったようです。
「なんで、まだやってるの?」
タンザニアに来てから始めたスワヒリ語のレッスン。実は、もうすぐタンザニアを離れる今も、相変わらず続けています。
すると、いろいろな場面でよく聞かれます。
「え、スワヒリ語まだやってんの?」
スワヒリ語の先生も言われました。夏は、海外赴任者たちの入れ替え時期でもあり、多くの生徒は、帰国を前にしてスワヒリ語のレッスンを続けるのをやめます。だから、私のように、帰国間近なのにレッスンを続ける人はあまりいないそう。
ここにいる限りは、レッスンを続けたいと思っていましたが、そう言われると確かに私は変わっているのかも。どうして今もスワヒリ語を学びたいのか考えてみると、「スワヒリ語をしゃべれるようになりたい」だけが理由でないことに気づきます。
スワヒリ語の先生との1時間が楽しいのです。スワヒリ語で会話をしながら、新しく学ぶスワヒリ語の単語の裏に隠されたタンザニア人の価値観を知り、先生の最近の出来事を聞く。
タンザニアでビジネスをしていたり、スワヒリ語が流暢だったり、タンザニア生活にもっと根付いている友達と比べ、私のタンザニアとのつながりは細い。だからスワヒリ語の先生との時間は、そんな私がタンザニアのリアルを垣間見ることができて、タンザニアとつながれる大切な時間です。
在住者も「夢のよう」に感じる日々
夏は、日本に一時帰国する人、または私のように赴任期間を終え、母国に帰る外国人がたくさん。タンザニアの町は総入れ替えの時期です。だから、友達と会うと、タンザニアでの生活について振り返る話題がよく出ます。
そんな時にみんなの口から出てくるのがこれ。
「日本に帰ったら、タンザニアに自分が住んでいたことが夢のように感じられそう」。
まだタンザニアにいる今からそう感じてしまうのは、なぜだろう?
町に出ると目の前に広がる光景、住んでいれば見慣れるけれど、やっぱり先進国で見る景色とは全く違って、それが新鮮だしなんだか非現実的なのです。
スマホ片手に歩くマサイ族、ビーチを歩くヤギと牛の群れ、カラフルなアフリカ布に身をまとった女性たち、頭にフルーツいっぱいのバケツを乗せて歩く売り子さん、揚げパンを路上で売っている人とそれをおいしそうにほおばるビジネスマン、舗装されていないじゃり道ではだしでサッカーしている子供たち…。
海外青年協力隊やインターンのように、地元の人とがっつり関わって外国人が普通ははできないような貴重な経験をした人はもちろん。家族の海外赴任に同行してきた人や、そこまでがっつりタンザニアの人たちと関わることができない外国人でも、タンザニアに魅了されます。
おわりに
「早く母国に帰りたいわ~」と言っている人を私の周りでは見かけません。タンザニアに来た当初は、これが不思議だったんですが、今はよくわかります。
そんな私はタンザニアを離れる前から、すでにタンザニアへの未練を感じています。何とかして、ここに居残ることができたら…、なんて妄想をするくらいです。
ここを離れたらタンザニアでの生活が「本当に現実に起きていたことなのだろうか?」と感じてしまうだろうとすでに確信しています。だから、今日も私はタンザニアの町の風景をしっかりと目に焼きつけたくて、タンザニアの空気をすいたくて、街に繰り出します。
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