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アメリカから女性の副大統領が来た!

タンザニアのほりともです。

先日、アメリカからハリス副大統領がタンザニアを訪問していました。この訪問は、タンザニアの女性が実は何を感じているのかをかいま見る機会となりました。

「初の女性大統領」が誕生したここタンザニアでも、女性たちはまだまだ
男性優位な社会だと感じていて、女性がリーダーになることへの居心地の悪さを感じているようだ、ということです。

カマラ・ハリス副大統領とは?

ハリス副大統領とは、アメリカで史上初めて誕生した、女性で黒人の副大統領です。

バイデン大統領は高齢であることもあり、ハリス副大統領が大統領の座を狙っているのではないかという憶測も出たりしています。

また、彼女はスタッフにもとても厳しいとも言われており、ハリス氏の事務所のスタッフの人の入れ替えが激しいことでも有名です。

そんな黒人のハリス氏がタンザニアを訪問。タンザニアの大統領は女性ですので、これは女性同士の首脳会談!ということで、タンザニアの女性たちは特に期待をしていました。

ハリス副大統領と一緒にやってきた「ジェントルマン」とは?

ハリス氏を目撃するチャンスはありませんでしたが、ハリス氏のだんなさんであるダグラス・エムホフ氏のイベントに参加しました。

彼の肩書は「セカンド・ジェントルマン」。アメリカ大統領の奥さんは「ファースト・レディ」ですが、同じように、副大統領の配偶者は通常「セカンド・レディ(夫人)」と呼ばれるのです。今回は、その副大統領の配偶者が男性なので「セカンド・ジェントルマン(紳士)」なのです。

妻が大統領であることを「恥」と感じる男性


ハリス副大統領のエムホフ氏、質問への対応がとても上手

イベントでは、この「セカンド・ジェントルマン」にたくさんの質問が飛びました。

タンザニア人女性からの質問が一番印象的です。

「あなたは、副大統領である妻に寄り添って外遊をしています。そして、『セカンド・ジェントルマン』という肩書を堂々と使っていますね。

でも、タンザニアではこんなことはありえません。ご存じの通り、タンザニアの大統領は女性ですが、彼女の夫は、堂々と「私の妻は大統領だ」なんて言いません。夫よりも妻のほうが地位が高いなんて思われたら恥だからです。タンザニアには女性の政治家もたくさんいますが、彼女たちの夫も「私の妻は政治家です」なんて堂々と言う人は一人もいません。

あなたは、男性なのに、どうしてそんな風に、副大統領である妻を立てて、横でニコニコしていられるのですか?」

なかなか、本質を突いた、しかもかなりド直球の質問です。

これに対して、ハリウッドで弁護士として活躍していたエムホフ氏は、笑顔でこんな風に答えました。

「私たちが、アメリカからきていることの理由の一つは、まさにあなたが指摘したことがあるからです。女性のエンパワーメントの重要性を伝えたいのです。

私は妻と結婚するまでは、成功した弁護士として充実した人生を歩んでいました。しかし、今は、副大統領であり尊敬する妻と一緒に世界中を回って、アメリカとしてサポートすることにやりがいを感じています。

史上初の「セカンド・ジェントルマン」として、取り組みたい課題がたくさんあるのです。」

こんな、タンザニアの社会問題に関するやりとりなどもざっくばらんに行われた後に、元記者だったアメリカ人からこんな一言。

「ハリス副大統領は、大統領選に出るんですかね?」

政治的にデリケートなこの質問に対しては、「はい、次の質問!」と
スルーしていました。


町は大混乱


突然、交通遮断されてしまった大通り

ハリス大統領のタンザニア訪問で町は大混乱しました。

彼女の移動があるため、午後2時からは交通規制しますよーと連絡はあったのですが、実際には昼過ぎから、遮断され、動けなくなった車両たちが大混乱。私もこの中に巻き込まれ、通常10分の道のりが、1時間半かかりました。

600万人が住む、アフリカの中でも都会なほうであるダルエスサラーム。
マラソンレースも良く行われますが、交通規制をほとんどせず、ランナーのすぐ横を車が走るという光景が普通。

そんな町ですから、突然の要人の訪問に、交通規制の手順も
間に合わなかった感じがあります。

タンザニア人の女性たちがウキウキ

黒人女性2人の首脳会談を祝うグッズ

こんな感じで、ハリス副大統領夫妻は、嵐のように突然来て、町を大混乱にして去っていきました。

この一連を一番うれしそうに見ていたのは、タンザニアの女性たちです。

私の周りでも、スワヒリ語の先生や、お手伝いさん、学校で会うママ友達など、タンザニアの女性たちがみな、黒人の女性であるハリス副大統領がタンザニアに来てくれたことを喜び、そしてハリス氏はきっとタンザニア訪問を楽しんだに違いない!と確信しているのです。

アメリカ副大統領のタンザニア訪問は、タンザニアの女性たちの本音がひしひしと感じられるイベントとなりました。


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