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あなたの才能


周りの人を見ると誰もかれも才能があっていいなと思う。
僕だけにはないもんだと思っていた。

同僚のYさんは上司に甘えるのが上手で、
その手を使って色んな意見を通している。
色んな人脈を持っているので質問する対象も多い。
よって仕事を進めるのが僕よりも早い。

対して、僕はプライドが高くて偉そうに見えるらしい。
上司も仕事関係のことを少し話すぐらいで、
あまりワイワイ雑談はしない。

僕はYさんにはかなわないだろうなと思っていた。

最近とあることがきっかけでふと違和感を感じた。

とある後輩がいつものように僕に業務内容で質問をしてきた。
ちょうど忙しかった僕は「ちょっとYさんに聞いてくれない?」といったら
その子の顔が少し曇った。

「Yさんには聞きにくい?」と聞いてみると意外な回答があった。

Yさんは常に質問をしにくいようなオーラを放っているそうなのだ。
逆に僕は話しかけやすいし質問がしやすいし信頼できるらしい。

僕は意外に思った。
Yさんの方が社交的だし、誰とも話せると思っていたのに、
後輩から見れば僕の方が質問しやすいらしい。

僕はそのあと少しYさんと後輩の会話などを観察するようにした。
Yさんは笑顔が引きつっていてなれない感じだった。

その時にやっとわかった。

Yさんは後輩の扱い方がわからないんだ。

Yさんは自分が下にでて人に甘える、
いわば末っ子ムーブが得意。

しかし、自分の下に人がついたときに、
教えるとか指示するとかが圧倒的に苦手なんだ。
そういうことは自分が上の立場にいるという意識がないと当然できないだろう。

例えばあなたが高校生のいとこに英語を教えてといわれる。
いとこが結構英語が得意だということがわかる。
やりにくくないだろうか?

自分がはっきりと上だとか偉いとか思い込んでないと、
案外教えたりすることはやりにくいものなのかもしれない。

僕は逆に自分が偉いと思っている。
上の例でいえば英語が多少できると思っている。
だからこそ人に教えるという行為を恥ずかしげもなくできるのだ。

上司からは扱いにくいと思われるのだろうが、
後輩からは自信をもって教えてくれて、なんでも質問してくれという僕の態度の方がよく見えるのは当然だろう。

僕にとって最大の弱点だったと思っていた特徴が、
案外マネジメントには必要不可欠な能力だったのかもしれない。

例えが長くなったが、
才能というのは弱点のような顔をしていたり、
当たり前すぎて見えなかったりすることがある。

人は自分に持っていないものばかりを気にして、
持っているものには当たり前すぎて気づかない。

だから新しい特徴に向かって努力する前に、
自分の当たり前にしていることに目を向けること。
案外近くにあるかもしれない。

なんだかんだ俺がこのまま上司に嫌われてしまえば管理職になれないかもしれない。
Yさんは今の評価がさらに上がっていきなり自分の特徴に気づかないままに管理職になれば大失敗するかもしれない。

諸刃の剣でもある才能を自分で自覚しておくことも大切。



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