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各種英語検定スコアの「真の」換算表(英検、TOEIC、TOEFL、IELTS、etc)
換算表
各種英語検定スコアの「真の」換算表を作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1714727189066-L6EMhpiPll.png?width=1200)
表に含まれる英語検定は次の通りです。
目的
とある理由から、様々な英語検定のスコアを比較したいと思ったのですが、知りたい検定が一覧でまとまったものがなかったり、スコアの対応に疑問があったりして、不満があったため、独自で調査して「真の」換算表を作ることとしました。
文科省作成の換算表
ネット上に公開されている換算表で、最も広く参照されているものは、おそらく文科省の作成した次のものだと思います。
しかし、知りたい検定が含まれていなかったり、スコアの対応が実体験と食い違っていたりして、あまり参考にならないと思いました。
英語検定の選択
国際基準
まず、検定間の比較を容易にするために、国際基準であるCEFRを用いることとしました。ただし、CEFRは枠組みであって、その水準を直接測る専用の英語検定はないため、他の英語検定から換算して判定する必要があります。
CEFRのレベルはA1からC2まであり、英語を学び始めの初級から、ネイティブスピーカーに近い上級まで6段階に分けています。A1が最も低く、C2が最も高くなります。
今回の換算表で、A1は下限が曖昧であることと、C2は信頼性をもって測定できる検定がほとんどなく、比較検証が難しいことから、A2~C1の範囲のみを対象としました。
日本で一般的な英語検定
日本国内で次の2つの検定を選びました。
TOEIC L&Rはリスニングとリーディングの2技能のみですが、S&Wの方はあまり使われていないので、L&Rのみを選んでいます。
大学(院)留学で使われる英語検定
海外の大学や大学院に留学する際の基準として広く使われる英語検定として、次の2つの検定を選びました。また、この2つは高校留学の基準としても使われることがあります。
どちらの検定も、CEFRのB2からC1のレベルの英語スキルの判定に適した内容となっているようです。しかし、B1の判定には曖昧さがあるようです。
中学高校留学で使われる英語検定
海外の中学や高校に留学する際の基準として広く使われる英語検定として、次の2つの検定を選びました。この2つは他の4つの検定に比べると知名度は低いですが、中高生をターゲットとしています。
どの検定もB1からB2のレベルをカバーします。しかし、C1の判定には適していません。
検定スコアとCEFRの対応
英検
英検によれば、準2級以上は、CEFRときれいな対応関係になっているようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1714710523486-jfKIHO1LOG.png?width=1200)
英検のガイドラインによれば、各級の合格基準はCEFRの最低ラインより少し上であるとなっていますが、他の検定との比較でやや疑問があることと、実用上も余計な複雑さを持ち込むこととなるので、英検の級とCEFRのレベルは完全一致しているものとして扱います。
A2 = 準2級
B1 = 2級
B2 = 準1級
C1 = 1級
TOEIC L&R
TOEICは、CEFRのレベルとスコアの対応関係を独自に調査して公開しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714710720915-lncBClcJq1.png)
TOEIC L&RのスコアとCEFRの対応関係については、ListeningとReadingのスコアの合計スコアを用いて基準スコアとします。ただし、C1はスコア上限に近く、信頼性が低いと考えられるため、除外しました。
A2 = 225
B1 = 550
B2 = 785
IELTS
IELTSの運営母体の1つであるケンブリッジ大学英語検定機構は、IELTSのスコアとCEFRおよびケンブリッジ英検のスコアとの対応関係を公表しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714753829743-TQMspBARf5.png?width=1200)
これによると、IELTSのスコアとCEFRのレベルはきれいに対応付けられてはいませんが、おおよその対応関係を取ることができます。
ただし、スコア4.0については、対応関係が明示されている下限であり、幅も狭いことから十分な信頼性が確保できないと考え、4.5を暫定的なB1の基準スコアとして採用することとし、次の対応関係を採用しました。
B1 = 4.5 (暫定)
B2 = 5.5
C1 = 7.0
TOEFL iBT
TOEFLは、iBTスコアとCEFRのレベルの対応関係を独自に調査して公表しています。また、同じページでIELTSのスコアとの換算表も公表しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714711496757-YWPK1s9JcD.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1714711928360-00rcfm1s2u.png)
ところが、IELTSの換算表とCEFRとの対応関係が、B1、B2レベルで大きく矛盾するため、ひとまず、IELTSスコア7.0に対応するiBTスコアをC1レベルとして採用することとしました。
C1 = 94
TOEFL Junior
TOEFLは、TOEFL JuniorスコアとCEFRのレベルの対応関係についても、独自に調査して公表しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714712368087-Gh2mq7ZQvx.png?width=1200)
ここから、次の対応関係を採用しました。
A2 = 630
B1 = 740
B2 = 860
iTEP SLATE-Plus
iTEPは、CEFRのレベルや他の検定スコアとの対応関係について、独自に調査して公表しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714713076869-Q38JUAPIj6.png)
しかし、全体として、TOEFL JuniorのCEFRの対応関係に比べて厳しく見積もっていることから、iTEPの公表する対応関係は採用せず、TOEFL Juniorのスコアを基にして基準スコアを選ぶこととしました。
A2 = 1.5
B1 = 3.5
B2 = 4.5
検定間のスコアの対応
TOEIC L&RとTOEFL iBT
まず最初に、TOEIC L&RとTOEFL iBTの換算について検討します。
株式会社アゴス・ジャパンがTOEIC L&RスコアとTOEFL iBTスコアの関係について調査した結果が公表されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714716769203-KZ9uCY7TlR.png?width=1200)
提案されている換算式は使わず、この表を直接参照してスコアの換算をするようにします。また、TOEIC L&R 500点未満と900点以上は除外します。
まず、空欄となっているTOEFL iBTのB1、B2の基準点を、TOEIC L&Rの基準スコアから換算しました。
B1 = TOEIC L&R 550 = TOEFL iBT 42
B2 = TOEIC L&R 785 = TOEFL iBT 58
B1の基準点は、TOEFLが推定した基準スコアと一致していますが、B2の基準スコアは72と58でかなりの差があります。B2のスコアについては、後で再検討することとします。
IELTSとTOEFL iBT
IELTSの高得点範囲(6.5以上)については、先に挙げたTOEFLの換算表で特に問題はないので、そのまま採用します。
IELTS 6.5 = TOEFL iBT 79
IELTS 7.0 = TOEFL iBT 94
IELTS 7.5 = TOEFL iBT 102
その他については、iTEP Academic-Plusの換算表を参考にします。
![](https://assets.st-note.com/img/1714717996103-M0XbQ9c0qu.png)
(iTEP Academic-Plusより)
まず、B1とB2の基準スコアから確定していきます。
B1 = TOEFL iBT 42 = IELTS 4.5
B2 = TOEFL iBT 58 = IELTS 5.5
これにより、IELTSのB2の基準スコアについて、計算されたスコアとIELTSの公式のスコアとが一致したため、TOEFL iBTの基準スコアの妥当性が確認されました。
また、暫定となっていたIELTSのB1の基準スコアを、4.5と確定しました。
さらに傍証として、以上で推定された基準スコアは、iTEP Academic-Plusの換算表にあるCEFRのレベルとも矛盾しないことが確認されました。
続いて、IELTS 5.0と6.0について、4.5と5.5に対応するiBTスコアを線形補間しました。さらに、上記のアゴス・ジャパンの換算表でTOEIC L&Rスコアを計算します。
IELTS 5.0 = TOEFL iBT 50 = TOEIC L&R 650
IELTS 6.0 = TOEFL iBT 66 = TOEIC L&R 860
これによって得られたIELTS 6.0に対応するTOEFL iBTスコアは、TOEFLが示している換算表から得られたスコア(60点)よりもやや高いものの、IELTS 6.5に対応するスコア(79点)との接続で大きく矛盾しないため、妥当性があると考えられます。
TOEFL JuniorとiTEP SLATE-Plus
上記、iTEP SLATE-PlusとTOEFL Juniorの換算表を用いて、次のスコアの対応関係を得ました。
iTEP SLATE-Plus 2.5 = TOEFL Junior 675
iTEP SLATE-Plus 4.0 = TOEFL Junior 790
英検1級とTOEFL iBT
英検1級については、検証に使える情報が少ないため、ネット上で体験談を探しました。
例1)
2023年11月 英検1級取得
2024年1月 TOEFL iBT 95点
例2)
TOEFL iBT ベストスコア 107点
2015年11月 英検1級取得 正答率85%
合格ライン 正答率75%
例3)
2016年2月 英検1級取得
2016年4月 TOEFL iBT 97点
以上を参考にすると、英検1級取得者は、TOEFL iBT 90点台後半のスコアになる可能性が高く、換算表の英検1級の位置と矛盾はないことが確認されました。
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