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令和5年 一級建築士 製図試験を終えて

2023年10月8日に、令和5年一級建築士製図試験を受験しました。
この投稿は受験に至った経緯、試験までの過程、振返りをまとめたものです。

受験に至る経緯

一級建築士を受験を決心した経緯は、5つあります。
(私の場合は、上二つが大きな動機になっていると感じています。)

  • 一級建築士を取得することで、社内・お客様から信頼されやすい(私の会社は一級建築士の資格が必須ではないです)

  • 仕事や転職の幅が広がる

  • 2022年に二級建築士を取得したため、知識と勉強習慣が身に付いている内に受験した方が楽だと感じたから。

  • 新卒入社2年目で、比較的勉強時間が確保しやすいため(今後は仕事量が増えて、勉強時間の確保が難しくなると上司に言われている)

  • 建築学科を卒業した時から、一級建築士はカッコいい、憧れだった。

学科試験

別記事にて掲載しています。

製図試験

製図試験本番までの勉強方法・勉強量

学科試験後(7/23)から10/8までの約2ヶ月間の勉強量は下記です。

  • 勉強時間は下記です。
    製図試験期間は二年目になり忙しくなったことや、仕事のストレスが大きく、メンタルがやられそうだったため、心身の健康を優先し、あまり勉強時間を確保しませんでした。

  • 仕事のある日:電車の通勤時間:30分×5=2時間30分

  • 休日(火曜):8時間(やる気が起きず、4時間くらいの日もあった)

  • 合計:115時間30分

意識した勉強方法は下記です。
特に、twitter(X)を使った情報収集は有効だと感じました。
他の人の呟きを見て、自分の弱点がわかったり、自分の資格学校では取り扱っていない内容を把握できたりします。

はり、言われたことをやるだけより、自分で何が足りなくて、何をやったら良いかを理解して行動することが大切だなと改めて感じました。

  • 各課題の解説動画は必ず視聴(通勤時間)

  • 計画の要点の暗記(通勤時間)

  • 法規、構造、設備計画の理解(通勤時間にテキストを読む)

  • 階段の寸法を覚える

  • twitter(X)を使った情報収集(各資格学校の勉強方法や課題の傾向)

試験直前期にやっておいて良かったなと思ったことです。

試験一週間前に初めて全課題の1/1000プランを課題文、エスキスプロセスを読みながらトレースし、ゾーンを色分けしました。(1課題:30分~1時間)
これを行うことで、屋外施設、アプローチ、室、コアの配置の根拠や特徴が明確になり、自分の中で整理できます。(例:二階建てだと重複距離が厳しいから、利用者用階段は真ん中あたりに持ってきた方がいいなど)
また、トレースに合わせて、自分がその課題でミスしたところを整理しておくと、本試験前の復習に役立ちました。

試験直前期の心情

本試験一週間前あたりには、概ねエスキスなどは一人でしっかりできるようになっており、チェック漏れや新出に対応できれば、50%くらいの確率で(運が良ければ)合格できるのかなと感じていました。

試験当日

試験当日の勉強

  • 自宅から資格学校までの電車内、試験開始30分前のみ。

  • 資格学校と試験会場のバスは音楽を聴いて気持ちを整えてました。

  • 自分で作成した1/1000プラントレースと計画の要点の見直しのみ行いました。

試験中の流れと心情

  1. 試験前
    タンパク質パン1個と、おにぎり1個を食べる。
    食事の準備は、高カカオチョコレート、ガム、コーヒー1本、水1本、プロテインバー1本

  2. 課題文読取 11:00〜11:30
    まずは配布物全体に目を通して傾向を把握しました。
    資格学校の担当講師に変な先入観を持たずに読め、課題文が全て正しいと思えと口酸っぱく言われていたので、頭の中でその言葉を反芻してました。

  3. 1/1000プラン 11:30〜12:30
    北側斜線と道路斜線の高さ検討を複数パターンやったため、かなり時間がかかってしまいました。
    ここまで時間がかかった事が無かったため、だいぶ焦りを感じてました。

  4. 1/1000プランチェック 12:30〜12:40

  5. 1/400エスキス 12:40〜13:35
    高さ制限に抵触するのが怖く、エスキス完成後も塔屋の位置を調整したため、時間が掛かりました。

  6. 1/400プランチェック 13:35〜13:50
    チェックしてると、少し漏れがあったので、修正しました。

  7. トイレ休憩

  8. 要点記述13:55〜14:50
    新出はとりあえず埋めることを意識しました。要点記述の屋上設備とプランの整合性を取る必要があったため、少し時間が掛かりました。

  9. 作図 14:50〜16:40
    記述内容はそこまで多くなかったため、この時間で作図が完成した。

  10. 最終チェック 16:40〜17:30
    要求図書をチェックリストとして活用しているが、試験当日はいつも以上に心配になり、チェックに緊張してしまう。疲れでチェックが正確にできているか心配になりました。

試験終了直後の率直な感想

課題文に要求されている事に対して適切に回答する事が大切だと感じた
→任意で付け足したテラスなどでミスを誘発してしまう恐れがある。

各工程でミスを防ぐ事ができる自分のチェック方法を確立しておく事が大切だと感じた。

設計の自由度が高く、困惑した。(施設管理に必要な室を自分で計画しなくてはいけなかった。)

学科の知識があれば、問題文も読みやすかった。(開架、閉架の蔵書数)

設備計画の理解が乏しく、いつもと異なる用語や視点で問われると回答できない。

試験後の心情

1/1000、1/400、最終チェックの各段階で、チェックしなければならない項目、自分でミスしやすい項目のチェック方法を確立しておく事が大切だと感じました。

本試験では中間チェック15分、最終チェック40〜50分くらい確保できました。
でも最終チェックは、絶対にミスできないと、慎重になりすぎて時間が10分ほどたりませんでした。
最終チェック時間は1時間は確保しておいた方が確実かなと思いました。

復元図面を描いていると、本試験の図面はしっかり描けているのか?と不安になりました。
そのため、資格学校の採点会が終わるまでずっとモヤモヤが残ってました。

採点会

資格学校の採点はAランクでした。

資格学校の採点表でのミスは一つ。
・屋外施設の屋外ファニチャー無し(試験の時に自分では何を書けばいいか分からず書かなかった。)

自分の中のミスは一つ(資格学校的には減点無し)
・課題文の空調室外機が気になり、単一ダクト方式なのに、空調機械室の外に空調室外機を書いてしまった(屋上に空冷ヒートポンプチラーユニットを設けてます)
→これに関しては、完璧に設備の知識不足。曖昧な知識だと、本試験でいつもと違う言葉で出題された場合に対応できない。

記憶が定かでないミス
・断面図のトップライトに、天井を誤って書いているかもしれない。(これは、ふとちゃんと書いたっけ?と思ってしまったので、本当に覚えてません。)万が一の場合の要因の記録として記載しています。

令和5年 一級建築士製図試験を終えて

この経験を通して重要だと感じたことです。

  • 自分の資格学校の情報だけではなく、他校の生徒がどのような学習をしているか、情報共有を行う。

  • 資格学校に通って、与えられたものだけをこなすのではなく、自分には何が足りてなくて何をすれば合格できるのかを常に考えて行動する。

  • 製図試験に限ってかもしれませんが、自分がミスしやすい項目を明確にして、それをチェックできるようなチェック方法を確立する事です。

この経験が自分の将来に活用できる事を目指して記録として残します。

合否は12/25まで分かりませんので、当分の間は製図試験の事は忘れて過ごします。

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