見出し画像

ノースリーブ。

noteにはちらりと書いたことがあるんだけど、中学生の頃に病気をした話。

これがなんだったのかというと、摂食障害(拒食症)でした。

この病気をしたことについて、今まであんまり人に話したことがありませんでした。
別に秘密ってほどでもなかったけど、大して明るい話じゃないし、わざわざ切り出すタイミングも無いし、と思って。それに摂食障害ってメンタルが原因の病気なので、精神病患者っていうレッテルを貼られることが怖かったのもある。当時の私を真横で見て心配してくれていた幼なじみにすら、病名を明かしたのは大学生になってからでした。

でも、SNSでこのことをシェアしようと決めました。
最近、自身に起きた辛かったこととかもオープンに話してくれる人達がいて感化されたことと、改めて、克服する勇気をくれたのは「私がやせても太っても、それで離れてくような人達じゃないだろう」と信じられる、素敵な人達のおかげだと強く想ったから。この経験をシェアすることで、一方的だけど、ありがとうと言いたくて。

それに加えて、ひとつ自分の中の挑戦ができたから。
それは、ノースリーブを着ること。

命の崖っぷちまで行ってしまったところから奇跡的に3ヶ月で退院できたものの、リバウンドで太った自分の身体が大嫌いで、鏡をまともに見られないほどでした。というか、外見も内面も、自分の全てが心底大嫌いで、こんな自分に生きてる価値なんて無いとよく泣いてました。今思えばそれはきっと「生きたい」「誰かに、私がここにいるって気づいてほしい」の裏返しだったんだろうけど、当時は毎日真っ暗な気分でした。

幼稚園〜高校くらいまでずっと容姿のことでいじめられたり暴言を吐かれたりしてたこともあり、外見コンプレックスは摂食障害になる前も後もずーっと強くて。今まで腕を出すのが不安で、どんなに暑くてもノースリーブを着たことがありませんでした。客観的に聞いたら馬鹿げてると思われるかもしれないけど、「こんな太い腕のくせにノースリーブなんて着たら、どんな風に思われるんだろう」って大真面目に思ってた。

でも20代半ばくらいから時間をかけて自分と向き合って、少しずつ自分を受け入れて、このままの私でいさせてくれる、素敵な人達に囲まれるようにもなって。外見も内面も、まあこんな私もいいかな、と思えるようになりました。
そしたら何でかノースリーブを着てみたくなって、今年初めてノースリーブのワンピースを買ってみました。着てみたら、やっぱり慣れなくてそわそわしちゃうけど、なんかちょっと感極まって泣きそうでした。人からしたらノースリーブ着ただけでそんなに?って思うだろうけど、私にとってはとんでもなく大きな一歩なんです。ずっと、コンプレックスの象徴だったから。
やっと、毎日不安に怯えて、怖くて苦しくて、でも「誰か助けて」が言えなかった17年前の自分を迎えに行けたような気がしました。

SNSでこの話を投稿したら、色んな人が「いいね」をくれました。「シェアしてくれてありがとう」ってコメントしてくれる人もいて、ああ投稿して良かったと安心しました。ずっと話すのが怖かったのに、思ったよりもすんなり、そしてあたたかく受け入れてもらえたような。「いいね」ってこんなに背中を押してもらえる気もちになるんだなあ。

結局、私は人を心から信じるってことがずっと苦手で、ある程度仲良くなっても心のどこかでは線を引いて「こっから先は入ってこさせないぞ」ってがちがちに身構えるところがあって。
だけど、もっと信じたい、心の深いところも分かち合いたいと思える素敵な人たちが周りにいてくれるから、自分の経験をシェアすることでその線を取っ払えたような気がして。それもまた自分の中では挑戦だったから、できたことが嬉しくて。本当に周りのおかげなんだけど、でも、自分の勇気もちょっと褒めたいな、なんて。

自分の弱さも大切な人には素直に話す勇気、その弱さを受け入れて私は強くなれたこと、どれだけ周りに恵まれてるかの再認識、もっと自由でいいんだ、私は私でいいんだっていう安心感。ノースリーブを着たいと思えたことで、思いがけず自分を見つめなおすことができました。
このチャレンジは大成功だったな。

今は一着しかない、ノースリーブのワンピース。
まだまだ暑そうだから、もう数着買っちゃおうかな。

近いうちに、お買い物にくりだそう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?