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ディズニープリンセスに見る恋愛心理学 パート2

こんにちは。臨床心理士のとみーです。
前回の白雪姫に引き続き、プリンセスの恋愛模様について書いていこうと思います。

今回は美女と野獣に登場するベルについて。
野獣によって監禁生活を強いられたベルはいつしか野獣を愛するようになり、野獣もまたベルを愛するようになった。実は野獣は魔法によって姿を変えられた王子様で、魔法が解けて2人は結ばれた。というお話ですね。

監禁の被害者が加害者に好意を持ってしまう。この不思議な現象のことを、心理学を学んでいる人なら聞いたことがあるかと思います。

1973年、スウェーデンの首都ストックホルムで銀行強盗事件が発生し、犯人が数名の人質とともに銀行内に立てこもりました。
最初は怯えていた人質たちでしたが、次第に犯人に協力的になり、釈放後も犯人をかばうような発言をしていました。
このような異常な心理状態のことを、事件の起こった土地の名前から「ストックホルム症候群」と呼ばれるようになりました。
日本のよど号ハイジャック事件などでも、この心理状態になっている被害者がいたようです。

精神医学上では心的外傷後ストレス障害の一種に分類されています。
原因については「犯人に支配された生活を送る中で犯人に対して好意的な感情を持つことで自分を守ろうとするため」と考えられています。

人の脳というのは不思議なもので、あまりにも辛い出来事があると、記憶や感情を変化させることで精神を守ろうとする働きがあります。
代表的なものとして、記憶喪失になって辛い記憶を思い出させないようしたり、多重人格になって違う人格で生きようとしたりします。

ベルだって野獣のこと好きにでもならなきゃ辛くて辛くてしょうがなかったんじゃないかな。
結果的に実は王子様だったしイケメンだったからハッピーエンドになったけど、醜い男に監禁されて愛し合って結婚するって普通の心理状態じゃありえないイカれた恋愛ストーリーだよなぁ。

さて、次回はもっとイカれた恋愛観のプリンセスの話を書きます。
またよろしくお願いします。

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