【書評】覚醒脳の作り方 - フリーデリケ・ファブリティウス/ハンス・W・ハーゲマン
歳のせいか記憶力や知的活動の生産性が落ちていると感じる今日このごろ。
そして仕事の成果を上げるための施策を最近はずっと考えていて、脳を効率的に使いたいと考えているため読んでみました。
概要
「脳科学で知的生産性を10倍高める」というサブタイトルの通り、脳科学から成果を発揮する方法を解いてあります。
ドイツのコンサルティング会社の筆頭エキスパートとCEOの方の共著のようですが、このミュンヘン・リーダーシップ・グループというコンサルティング会社がGoogle検索でヒットしなかったので、実態は不明。
結論としては、最高のパフォーマンスを上げるために重要なことは
睡眠と運動
です。
「よく寝て、よく動け。そうすれば脳は最高のパフォーマンスを発揮する。」
これでこの本のすべてが説明できると思います。
記憶力をアップさせるのも、集中力を持続させるのも、フローに入るのも、結局のところは睡眠と運動ということなのです。
書評
上述のとおり、特に目新しいことはありません。
最高のパフォーマンスを発揮するには、フロー状態に入ることが重要、ということなのですが、フローに入るには人それぞれスイッチオンになるポイントが違うので、パフォーマンス特性に合う環境を見つけられるかどうかにかかっている、ということは新しい発見でした。
これは、長倉顕太さんの『移動する人はうまくいく』にも通ずるところがあると思います。
もう一つ、目新しいことといえば、マルチタスクについて。
人間はマルチタスクは不可能というのは最近いろいろなところで聞きますが、マルチタスクによって
タスク完了まで50%余計な力がいる
ミスをする確率が50%上がる
ほんの少しタスクが中断されただけで、集中状態が元の状態に戻るまで平均23分もかかる
とのことです。
マルチタスクができる、という人は実際はマルチタスクをしているのではなく、脳のスイッチを切り替えているだけなので、パフォーマンスが下がっているそうなのです。
仕事の電話を受けながら、資料作成ってできないですよね。
電話の内容を聞き落とすか、資料の数字を間違えるか…
電話をしながら資料を作っている人は、電話の内容がつまらない場合ではないかと思います。
思い起こしてみれば、私はVoicyでニュースを聞きながら仕事をしているとき、ニュースは全く聞けていません。
でも友人の仕事の愚痴を聞きながらお皿を洗うことはできます。
愚痴を聞き流しているので(笑)
つまり、人間はマルチタスクをしているようでも、実際はできていないのです。
マルチタスクができると思っていたので、それは私の傲りだったと深く反省しました。
これからは一つのことに集中します。
①質の良い睡眠
②軽い有酸素運動
③食事の質を上げる
④マインドフルネスで「今ここ」に集中
これで脳が活性化されて成果が上がるのであれば、簡単なことですよね。
そもそも、人間はそんなに複雑な構造ではないのだと思います。
当たり前に言われていることを当たり前にやれば成果は上がるのです。
欲に負けて不摂生をするからパフォーマンスが下がるのです。
基本に立ち返って、健康的な生活をするのが一番ですね。