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[イベント実施報告]能登半島地震チャリティーイベント『会計士と一緒に「寄附金」について考えるNIGHT!』

先日2024年1月14日に、メタバースプラットフォーム cluster(クラスター)において、令和6年能登半島地震チャリティーイベント『会計士と一緒に「寄附金」について考えるNIGHT!』を開催しました。本稿はそのイベントの実施レポートです。


開催の経緯

clusterではワールド内でVアイテムといわれる課金アイテムを使用することで、イベント主催者などに投げ銭を行うことができます。YouTubeで知られるスーパーチャット(スパチャ)機能と同種のものです。このVアイテムの機能を使った令和6年能登半島地震被害の支援キャンペーンとして、チャリティーイベント内で利用されたVアイテムと等価の金額を寄附することする企画が行われています。今回は企画に賛同し、イベントを開催しました。
イベントでは寄附金の会計上の取り扱いについて解説しました。

イベントの様子

当日は19名の方にご来場いただきました。通りがかりの方もいたため、XやYouTubeとは異なる層にリーチできたと感じています。
チャットでの反応に加えて、エモーションや動作での反応、アバターの表現や立つ位置などでリッチなコミュニケーションを取ることができる点はメタバースならではの利点だと思います。

講演の様子
写真のご提供:高千穂マサキさん
講演の様子
終演後の記念撮影

今回のイベントは私がclusterに開設している兎耳山ホームワールドで開催しました。最大20人程度で快適にくつろげるキャパシティを想定した小さな箱です。登壇者と対面して話をきくメインステージエリアと、登壇者とは距離を持ってくつろげるリビングエリアを設けています。
このワールドでのイベント開催は初めてでしたが、おおむね期待どおりの人入りで、思い思いに落ち着いていただけたようで安心しました。
ライティングはアバターのブルーム設定によっては眩しかったようなので調整したいと思います。あと、演台や教壇のようなステップがあったほうが正面がわかりやすいかもしれません。


エントランスラウンジ
リビングエリア
メインステージエリア

寄附金を送る方法と制度について

ふるさと納税を活用する

イベント内では様々な寄附方法と、その会計税務手続と計算方法について説明しました。そのなかでもっともおすすめできる方法として紹介したふるさと納税を用いた寄附についてこの場でも簡単に解説します。
ふるさと納税は寄附金額の2,000円を超える金額部分について、所得税・住民税の控除により実質的な負担なく寄附を行える仕組みです(上限額あり)。No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)|国税庁
さらにふるさと納税ワンストップ特例を用いることで、確定申告の手間も省略することができます。

ふるさと納税は自治体や日本赤十字社に振込して行うこともできますが、ふるさと納税サイトと言われる仲介サイトを通じて寄附する方法が簡単です。

ふるさと納税サイトを通じたふるさと納税の特徴

✅ ふるさと納税の控除によって2,000円を超える金額部分の実質的な負担がありません(上限額あり)。
✅ ふるさと納税サイトでは災害義援金としての寄附についてはサイトの利用手数料を徴収しないことが一般的です(全額が自治体に届く)。
✅ ふるさと納税ワンストップ特例を利用することができる場合は、確定申告が不要です。
✅ ふるさと納税サイトはUXが工夫されていて、上限額計算ツールを提供している等、多くの人にとってわかりやすく利用しやすい寄附手段です。
❌ 受領した自治体で寄附金受領とワンストップ特例に係る事務負担が生じます。
なお、災害義援金の寄附としてのふるさと納税は返礼品がないことが一般的です。

オススメ! ふるさと納税「代理寄附」の活用

ふるさと納税は、便利な寄附方法ではありますが、過去の地震の先例では被災地自治体の寄附金受領に係る事務手続の負担が過大なものとなり、問題になりました。被災地の行政職員は自らが被災者でありながら災害対応に追われるため、その負担は著しいもので過労による災害関連死が危ぶまれるほどです。
そこで熊本地震後に代理寄附の仕組みが創られました。代理寄附では、被災地とは別の自治体がふるさと納税の義援金を募り、関連する事務作業を負担します。別の自治体が集めた義援金を全て被災自治体に送金することで、義援金の効果をそのままに、被災自治体の負担を最小限に支援を可能にする仕組みです。

代理寄附のメリット
✅ 被災自治体は代理寄附受付自治体からの一括受領により、事務負担を大きく軽減できます。

代理寄附のイメージ
能登半島地震 ふるさと納税「代理寄付」の取り組み広がる|NHK 首都圏のニュース
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240112/1000101011.html

代理寄附は前述のふるさと納税サイトを活用して利用することができます。一例として、茨城県境町市は代理寄附による支援を受付しています。ぜひ活用ください。

各々が得意なことで支援する

clusterのチャリティー企画はそれぞれのイベント主催者が得意な分野で集客し、支援の輪を広げることに取り組んでいます。

私は会計士で、会計士は保安職や医療職のように有事に直接役立つ専門性はありません。しかし、被災者や支援者の会計・税務の相談ニーズに対して無償でサービスを提供することで力になることができると思い、このイベントを開催しました(プロフェッションによる専門性を発揮したボランティア活動はプロボノ(羅:pro bono publico)とよばれます)。
義援金を送ることも大切な支援ですが、それ以外にできることについても今後も継続して取り組みたいと思います。


この記事を書いた人

兎耳山ルカ
会計V/MBA, CPA, CIA, CISA, AFP, 税理士/銀行→会計事務所→独立/AI, Python, GAS, RPA/会計×デジタル/勉強中:ST(午前Ⅰ免除), CFP(1/6)/メタバースやYouTubeで会計の魅力を発信しています
X: @TomiyamaLuca



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