『武器としての決断思考』〜なんとなくで決めるのをやめよう〜
こんにちは、とみたです
最近週に1冊は本を読んでいるのですが、まとめが追いつかず、インプットが溢れてしまっています。
なんともバランスが悪いですね。
さて本日は、瀧本哲史先生著の『武器としての決断思考』を読んだので、内容をまとめて行きたいと思います。
『武器としての決断思考』(瀧本哲史)について
瀧本先生は京都大学の客員准教授でありながらエンジェル投資家(若い会社の将来性を期待して投資する投資家のこと)でもあったのですが、47歳という若さでこの世を去ってしまいました。
本書は、そんな瀧本先生の、京都大学でも人気のあった「意思決定の授業」の内容を一冊の本にまとめたものです(こんな本が読めるなんて、一般人からしたらありがたい限りです)
いわば、瀧本先生の、若者への遺言とも取れる本なのです。
では、どういう内容なのかー
本書では、日本ではほとんど取り入れられていないディベート思考を使って、物事を論理的に考え決断を下すにはどうしたらいいのか、その具体的な方法が分かりやすく記されています。
スーパーに行って物を買う時、どういう判断で買う物を決めているでしょうか?
ほとんどの人が、なんとなくで決めているのではないでしょうか?
ましてや私たちは、自分が通う高校から、理系に進むか、文系に進むかの選択、大学はどこにするか、就職先はどこにするか、ということまで、きちんと考えて結論を出してきたでしょうか?
なんとなく行けそうだったから、という理由でそうなったのではないでしょうか?
僕はそうじゃない、とはっきりとは言い切れないです。
それは日本の教育が、論理的な決定手段について教えてこなかったことも一因になっています。
しかし安心してください。この本を読むことで、論理的に決断するための考え方が身につきます。
この本を読むことで、「考え方の型」が出来上がります。
そしてこの「考え方の型」は、生活から仕事にまで何にでも応用可能です。
全ての若いビジネスパーソンに読んで欲しい。そのような内容の本になっています。
ディベートを使った意思決定の具体的な方法について
①議題は、「やるか、やらないか」の2択に設定せよ!
まず議題(問題)の設定ですが、必ずやるか、やらないかの2択に設定する必要があります。
なぜなら、例えば「日本の英語教育を今後どうすべきか」などという曖昧な議題に設定してしまうと、論点があっちやらこっちやら行ってしまって、収集がつかなくなるからです。これでは何も決定することができず、時間の無駄になってしまいます。
よくテレビで見かける討論などが、まさにコレに当たります。みんなが言いたい放題言って、結局なんの収集もつかずに時間切れ。(ま、エンタメとしては成立しているのかもしれませんが。)
そうではなく、意思決定するためには、「ネイティブによる英語授業を標準化すべきか」などと言った、Yes or No の2択でなければなりません。
2択にどうしてもならない場合は、ある問題に対して、2択になるまで掘り下げて行きます。そしてそれ以外の問題は、また別の議題として設定する必要があります。
②メリット・デメリットを考えよ!
いざ議題が決まったら、賛成派のメリットと、反対派のデメリットを考えて行きます。
自分一人で決定するときは、賛成派と反対派の両方を自分でやる必要があります。
そしてここが重要ですが、メリットには3つの条件が揃っている必要があります
●メリットの3条件
・内因性(なんらかの問題がある)
・重要性(その問題は重要である)
・解決性(問題がその行動によって解決できる)
まずなんらかの問題があることを示し(内因性)、その問題が重要であること(重要性)、そしてその行動を取れば解決しますよ(解決性)、ということを示す必要があります。
例えば先ほどの例の「ネイティブによる英語授業を標準化すべき」という議題でいくと、
・日本が国際社会から遅れをとる(内因性)
・国際社会から遅れをとると、テクノロジーや経済において世界から遅れを取り、日本は貧しくなってしまう(重要性)
・ネイティブによる英語授業を標準化すれば、国際社会から遅れを取らずに済む(解決性)
といったようになります。
逆にデメリットですが、デメリットはちょうどメリットを裏返したような形になります
●デメリットの3条件
・発生過程(その行動をとった時に、別の問題が発生する)
・深刻性(その問題が深刻である)
・固有性(現状ではその問題はない)
例えば先ほどの「ネイティブによる英語授業を標準化すべき」という例でいくと、
・各校にネイティブを確保するには、多くのコストがかかる(発生過程)
・そのコストにより、他の科目の予算が圧迫され、文学や科学での発展が損なわれる(深刻性)
・現状ではそのような問題が起きていない(固有性)
と言った具合でしょうか。
ざざっと作ったのでアレですが、大枠はこのようにしてメリットとデメリットを考えて行きます。
③反論を考えよう!
メリットとデメリットを考えたら、次はそれらを反論するにはどうしたらいいかを考えて行きます。
せっかく考えたのに‥と思うかもしれませんが、反論に耐えうる論こそが、本当の意味で筋の通った論なのです。
さて、反論の仕方ですが、先ほど考えたメリット、デメリットの3条件に沿ってツッコミを入れて行きます。
まずメリットについては、
・内因性‥そんな問題はそもそもないのでは?
・重要性‥そもそも大した問題ではないのでは?
・解決性‥本当にその方法で解決できるの?
と言った具合に、ツッコミを入れて行きます。
デメリットについても、同じようにツッコミを入れて行きます。
そうやってツッコミを入れて行って、もしおかしいなと思ったら、その理論は破綻しているので使うことができません。
根拠は、常に反論に耐えた物でなくてはいけないからです。
④判定をくだそう
最終的には判定を下さなくてはなりません。
メリットとデメリットについてそれぞれ反論を加えて行き、メリットの方が大きければ賛成、デメリットの方が大きければ反対、という判定になります。
この判定というのは、絶対に正しいということではなく、現状の最適解である、と理解しておくことが重要です。
最終的には、自分の主観で決定することになるのです。
しかしながら、ただなんとなくで決定するのと、ディベート形式で賛成と反対を闘わせた後で決めるのとでは、雲泥の差があると僕は思います。
決定というのは、自信がどれだけ納得しているかで、その後の行動も大きくかわったくるでしょう。
ひとつの強力な武器として、このような決断思考を持っていても良いのではないでしょうか。
少なくとも僕は全員がこの考え方を知っていた方がいいと思っています。
瀧本先生が日本の将来を不安に感じて、私たちに武器を与えようとして書いてくれたのが、この決断思考なのです。
気になった方はぜひ読んでみてください。
それでは。とみた
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