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insight~他者からのフィードバックを真摯に受けとめ、改善する力~

先日より

『insight~いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力~』

という本を読んでおり、やっと読み終わりましたので、まとめたいと思います。


 本書を読んだきっかけですが、帯にもあるように、株式会社コルク代表の佐渡島さんが推薦しており、気になったので読んでみました。

いや〜しかし、全520ページと長く、読むのにかなり時間がかかってしまいました。

これは訳本あるあるかもしれませんが、とにかく例示が多い。全体のうち、70%は例示なんじゃ無いかと思うほどです。

本論だけを抽出したら、100ページくらいでおさまるんじゃ無いかな。

とにかく、せっかく読んだので要点をまとめていきます


本書の結論

本書の結論を完全に主観でまとめますと、

『他者からのフィードバックを得て、自己改善しよう』

ということになると思います。

いやいや、そんなこと分かっとるわいという方。

もう少しだけお付き合いください笑

内容の方を細かくみていきたいと思います。

まず本書では、インサイトを個人でのインサイトと、組織でのインサイトを分けて議論しています。

まず個人のインサイトから見ていきましょう。

1️⃣個人のインサイト

①他者からのフィードバックを得る

 他者からのフィードバックを得ることはかなり難しいです。

 なぜなら本書にもあるように、人は他人の悪い点を直接伝えることは避けたいからです。

 直接上司に自分の悪い点を教えてください!と面と向かって言える人なら、

それがいいかもしれません。とはいえ多くの人はそんなことしたくありませんよね。

 なので直接でなくても、様々なツールを使ってフィードバックを得る方法があります。本書では360度評価というものを紹介しており、無料でできるものもあるようです。

他人からのフィードバックがなぜ重要か

 ところでそもそも、なぜ他人からのフィードバックが必要なのでしょうか?

それは、我々は自分で思っているほど自分を正しく認識できていないからです。

 ある研究では、92%のドライバーが、自分の運転は平均的なドライバーよりも安全だと考えているようです(数学的にあり得ないことになっています)

つまり、人は自分のことを高く見積もったり、ある時は低く見積もったりしてしまうのです。だからこそ、他人からのフィードバックが重要なのです。

信頼できる人を選ぶ

 フィードバックを得る際に注意すべきなのは、その人が信頼に足る人物かどうか、ということです。ただ反射的に他人を否定したい人が世の中にいるのも事実です。なので、その人の意見を聞くべきなのかどうかを判断する目が必要になります。

 最も安全なのは、複数の人から意見を得ることでしょう。もしその中で複数回出てくる意見があるのなら、それはおそらく真実であり、耳を傾ける価値があるでしょう。


②フィードバックを受け止め、改善する

 確かなフィードバックを得られたら、次はその意見を参考にして自己改善をして行かなくてはなりません。そのためには、その意見を真摯に受け止める姿勢が大事になります。なぜなら、聞くに値しないと思っているような意見を参考にするはずがないからです。

その際は、自分が思っている自分と、周りから見えている自分は全く別の人物であることを自覚する必要があります。

行動の変化だけでいい

 本書にもあるように、改善するのは指摘された行動のみです。自分のあり方とか、主義主張を変える必要はありません。

 例えば話すときに睨みつける癖があるとか、相手の顔を見て話さないとか、語気が強いとか、そのような行動です。

 それらの行動が周りにどのように受け止められていたかを認識し、変化させることが重要になります。


2️⃣組織のインサイト

心理的安全性の高いチームはパフォーマンスが高い

 本書ではフォード社での改革を例にして、心理的安全性の高いチームはパフォーマンスが高いことを説明していました。つまりなんでも報告できる組織は強い、ということです。

 業績の悪かった時期のフォードでは、現場での悪い報告が本部まで上がってこず、手をうてないでいました。しかし問題点を報告した責任者を称賛する風土を広めた結果、あらゆる現場での問題点が報告されるようになり、それらの問題に対して対策を打つことができるようになりました。その結果フォードはV字回復を達成したようです。

  問題点を皆で共有し、それに対する解決を図っていく。組織でインサイトが重要になる一例だと思います。

問題点='宝'ではないか

 私はこの章を読んだ時にあることに気づきました。それは、問題点というのは、宝そのものではないのかということです。問題点がはっきり分かれば、解決に向けての対策が立てやすい。至極当たり前のことですが、私にとっては重要な気づきでした。普段問題点があれば面倒だとか、勘弁してくれとか思いがちですが、問題点が見つかるということは、改善のチャンスでもあります。正直面倒くさいとは思いますが、これからはもう少し前向きな気持ちで問題に取り組めるのではないかと思います。


3️⃣インサイトにあたっての重要な注意点

 インサイトでは自己認識の改革を謳っています。しかしここで勘違いして欲しくないのは、自己認識=内省ではないということです。

 内省というと、一日の終わりに、あの時自分はどうしてあんなことを言ったのだろうとか考えたり、日記をつけることを想起するかと思います。

 内省もある点では大事なのでしょうが、ややもすると自己批判の方へ陥ってしまう危うさがあります。

 重要なのは、なぜ自分はあの時あのようにしたのか、ではなく、これから何をしようか、ということです。

つまり、自分について考える時には『なぜ』ではなく『何』で考える必要があります。

 タイムマシンのない現在では、いくら過去を掘り起こしても過去は変えられません。しかし一方で未来はまだ起こっておらず、変更が可能です。

なぜという深掘りは、時として人の自信をくじき、鬱への扉を開いてしまうかもしれません。

そうではなく、今から何をしよう?という問いは有効です。

もちろん、世の中の現象についてはなぜ?、と問いかけるのは重要です。

ただ個人の場合は何?と問いかけるのがいいと思います。


ここまで偉そうに色々書いて来ましたが、正直言うと本書は今の自分にどうしても必要かと言われると、そうでもありませんでした。

まだ時期でなかったのかもしれません。

本を読んでいてこの辺のタイミングって、難しいなぁと思います。

もし興味が湧いた方がいましたら、書店でパラパラとめくってみてください。

それではこの辺で。

とみた


 





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