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【逆医者】最高に体に悪いカレーを作ろうとした話

カレーライス。
それは、日本のソウルフードと言ってもいい。

そして世の中には色々なカレーライスがある。食堂で出るカレーや、蕎麦屋の出汁が効いたカレー、洋食屋で出るカレー、それぞれに良さがある。

そんな中、最高に体に悪そうなカレーを作ってみようと考えた。

その名も
『豚骨ニンニク肉塊カレー』

今回の材料一覧である。
豚骨スープを使い、ニンニクとバターで一気にパンチ力を高める採算だ。

・ゲンコツ 600 g
・豚肉 200 g
・玉ねぎ 1.5個
・ニンニク 1株
・ジャワカレールー 半分
・バター
・その他調味料

1.豚骨スープの仕込み

カレーをつくるためにまずは豚骨スープをつくる。カレーで通常使う「水」をすべて豚骨スープに置き換えるのがこのカレーなのだ。

まずは豚骨、今回はゲンコツの下茹でをする。下茹でをすることで、豚骨の臭みをとり、血合を抜くのを目的としている。

下茹で前
下茹で後のゲンコツ

下茹で後のゲンコツをいよいよ圧力鍋で炊いていく。

圧力鍋にゲンコツ、ネギ頭、ニンニクを入れる。

煮込み前

ここから約1時間圧力鍋で煮込む。

1時間待機

そして1時間後...

煮込み後

1時間だとこんなものだろう。
ここから圧力をかけずに強火でさらに1時間炊く。

水かさが減り、乳化が起こる
煮込み後のスープ

いかがだろうか。
よく見る豚骨ラーメンの色にかなり近いと言えるだろう。今回は約2リットルの豚骨スープができた。

できたスープ約2リットル

こうしてスープ作りを終える。

2.具材を炒める

美味しいカレーを作りたいなら具材を炒めるのは基本だ。具材を炒めることで肉や玉ねぎに焼き目をつけて、メイラード反応によってうまみを増やす作戦である。

メイラード反応(メイラードはんのう、英: Maillard reaction)とは、還元糖とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質)を加熱したときなどに見られる、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のこと。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/メイラード反応

まずは玉ねぎを炒める。薄く切って電子レンジで5分ほど温めると後に飴色の玉ねぎになりやすくなる。

そして玉ねぎを炒める。このときに牛脂やラード、バターを使うとよい。今回は牛脂とバターを使った。

続いて豚肉を入れ、ニンニクを炒め、ケチャップとウスターソースで味をつける。

豚肉、玉ねぎ、ニンニクを炒めた後

ここまで来たらあとは煮込むだけだ。

3.煮込む

いよいよ豚骨スープを入れていく。

既にカレーのような見た目だ

これをしばらく煮込む。
十分に煮込んだところで火を止めてルーを溶かす。
さらに、ここですりおろしにんにくとバターを溶かす。

できた

できた。

4.食う

カレーはできた。
そして今回はライスではなく、ガーリックライスでカレーを食うことにした。

あらかじめ用意しておいたガーリックライス
合体

こうして手間をかけたカレー。
果たしてお味は...?

5.カレーの味

最高に体に悪いカレーを作ろうした。その味はどのくらい頑固なものなのだろうか。

上品だ...

そう。
ジャンクなカレーを作ろうとしたのに、想像以上に上品な出来だった。

口当たりはよく、豚骨の旨みもカレーを邪魔しない程度にある。
最後に入れたバター、そして隠し味で入れたウスターソースとケチャップが上品な仕上がりにしたのだろうか。

うまくてバクバク食べた。


これで、良かったのだろうか。

美味しいカレーがつくりたいだけならここまでのレシピで良い。

だが...

6.ジャンクフードは常識の範囲内からは生まれない

俺が作りたかったのは、ジャンクフード、最後の晩餐、脳内麻薬の源泉、死を恐れない飯。

俺は豚骨スープと通常の5倍のニンニクさえあれば、そんな死を近づけるジャンクなカレーができると思っていた。

だが、俺が入れた豚骨スープもニンニクもカレーを美味しくする常識的なレベルでしかなかったのだ。

ジャンクフードは常識の範囲内からは生まれないのだ。

常軌を逸するほどの脂肪、塩分、ニンニクがもっと必要だ。

ジャンクフードを勧める人間は逆医者だ。細く長く生きながらえるよりも、太く短く生きることを求めている。

健康に生きたいのならば、朝5時に起きてランニングをして黒酢でも飲んで玄米と薄味の煮物を食べていればいい。

今回の反省を活かして、次は確実に寿命を縮めるカレーをつくる。

ニンニク、豚骨、バター、倍プッシュだ。

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