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RENOVATION OF THE YEAR 2019

春です。入学や卒業、入社、転職など、一年でもっとも変化が大きい4月がやってきます。新生活。期待と不安。夢と現実。高揚と疲労。様々は気持ちが入り混じるこの時期に、自分のライフスタイルを改めてじっくり考えてみるのはいかがでしょうか。

今回は昨年末発表された「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2019」がテーマ。1年を代表するリノベーション作品を4つの価格帯別に選別するコンテストです。900社超のリノベーション協議会加盟企業の施工事例から選び抜かれた優秀作品を見れば、リノベーションの最先端がわかります。

リノベーションオブザイヤーで選ばれたリノベの先輩たちも、最初は自分の暮らしを見つめなおすことがスタートでした。ワクワクするリノベーション事例を見ながら、自分だったらどうする?を考えながら見てみると面白いかもしれません。

部門別受賞作品

リノベーションオブザイヤーは4つの部門があります。

・500万円未満部門
・1000万円未満部門最優秀賞
・1000万円以上部門最優秀賞
・無差別級部門

それぞれの部門から一つずつ最優秀賞が選ばれます。そして部門関係なく、すべての作品の中から総合グランプリが一つ選ばれます。部門別の4作品、総合グランプリの1作品、計5作品を見ていきましょう。ライフスタイルの目利きが選んだ、リノベーションの今が分かります。

■500万円未満部門最優秀賞:我が家の遊び場、地下に根ざす

一戸建ての地下室のリノベーション。引っ越してから11年、地下室はほとんど手入れしていなく、「あまり行きたくない」空間だったといいます。そこに光を当て、家族が集まる遊び場に。本棚に囲まれて、読書を楽しんだり、プロジェクターを白い壁に映して、みんなで映画を愉しんだり。

■1000万円未満部門最優秀賞:my dot. - 東京の中心で風呂に住む-

街で遊び、家はリラックス。リラックスといえば、風呂。部屋全体をお風呂に見立てるという面白いコンセプトです。40㎡というコンパクトな面積ながら、1616サイズの大きめのユニットバスを採用し、バルコニー側の窓からは新宿の夜景が望める開放的なお風呂に。

■1000万円以上部門最優秀賞:5世代に渡り受け継がれる、築100年の古民家

「郊外にある実家は"負"動産」なんて言われます。不便な場所にあるし、築古でもう手に負えない。でも見方を変えれば。大自然の中での子育て。時を見方にした味わい深い空間。テレワークが進んだら、都心に住む必要なんてなかったと気づく日が来るかもしれません。新たな視点をくれる事例。

■無差別級部門最優秀賞:古くなった建物に、新築以上の価値を。~戸建性能向上リノベ実証PJ

リノベーションは「オシャレ先行」で、「オシャレは我慢」という側面もあったことは確か。断熱と耐震性能を、新築で求められている数値以上を目指すことで、誰もが「安全・安心・健康・快適」を手に入れることができる。リノベーションの潮流が大きく変わり始めていると感じる事例です。

総合グランプリ作品

鹿児島断熱賃貸〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜

今まで、リノベーションの事例の見せ方といえば、ビフォーアフターの写真でドーン。わーすごい!みたいな側面があったのは確か。定量的に語られることはほとんどありませんでした。この事例は、Ua値、体感温度、電気使用量等の客観的なデータを明示し、効果を示しました。

リノベーションは「機能」強化の時代へ

2016年はいろいろと入れ替わった1年でした。アメリカ大統領選挙では民主党のオバマ政権から、共和党のトランプ政権に。日本で大ヒットした映画『君の名は』では、男の子と女の子とが入れ替わり。日本の実世界では、首都圏において、新築と中古の比率が逆転しました。

新築神話が根付く日本において、中古を買う人の方が新築を買う人よりも多かったという事実は業界に大きな衝撃を与えました。建物を壊しては新しいものを建てるスクラップアンドビルドから、既存建物を生かすストック型社会への流れが本格的なものへとなったのです。

中古を選ぶ人が増えるにつれ、リノベーションの認知度、実際に選ぶ人も増えてきています。リノベーションが日本に入ってきた10年程前はデザインやオシャレさが重視されていたのもここ数年で変化が起きてきました。より機能的なものが重視されてきたのです。

2019年のリノベーションオブザイヤーの受賞作品を見ると、それが色濃く表れています。「性能向上リノベーション」がキーワードになり、受賞作品の多くは機能や効果を客観的に明示したものです。部屋が底冷えするあなた、効率よく家事をしたいあなた、リノベーションの出番かもしれません。

INFO

“We provide the best of beauty product.”をテーマにリサイクルとリユースにフォーカスした木を無駄なく使い、様々なシチュエーションに合ったオリジナルファニチャーを創造するプロダクションです。