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市場の予想する金利とSP500指数との関係性について検証してみる

今回は、米国国内の金利と株価の関係について見てみようと思います。

https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html
こちらのサイトでは、FOMCでの政策金利の市場への折り込み具合を見ることができるようになっています。

株価のデータはMarketwatchより持ってきました。
https://www.marketwatch.com/investing/index/spx/download-data?startDate=6/1/2022&endDate=02/02/2023

これらで配布されているデータを元に、
2022年当時から今までにかけて、市場が予想してきた、2023年2月1日の政策金利と、株価の関係性についてみてみようと思います。

まずは、1度底値をつけたようにみえた6月当時の予想金利とSP500の関係性についてみてみましょう。

6月の金利予想と株価

青→水→黄→橙→赤
という形で、予想金利が高いと考える市場参加者の割合を示しています。
9日あたりを起点に、青・水の予測が急激に減り、そこから赤の予測が急上昇、その後橙・黄色の予測率も上がっていたようです。
その9日あたりを起点に株価が下落傾向となっています。
15日にはFOMC後の会見がありましたが、それ以前の観測記事の内容を踏まえ、そこから何日かかけて株価に盛り込まれていた可能性が考えられます。

次は、7月から9月までの政策金利の市場折り込み具合と株価のグラフです。

7〜9月の金利予想と株価

7月から8月中旬までは、青〜黄の割合がほぼ横ばい傾向のように見えますが、
8月26日に行われたジャクソンホール会合あたりから黄の割合が上昇
9月上旬あたりからオレンジと赤の割合が上昇しているように見えます。

また、赤や橙の上昇があってから、すぐにそれを株価が全て織り込むというよりかは、
何日かかけて下降を続けているような気がします。

最後に、10月から今までのものを見てみます。

10月からいままでにかけての金利予想と株価

だいぶ醜くて恐縮ですが、赤が上昇するのに合わせて、株価がある程度下落しているようです。
ただ、一時的なトレンドとして株価が下落するのではなく、次の日には再び株価が上昇しているようです。
この10月のケースですと、赤が0%から25%、40%弱程度と上昇していますが、そこからは少しずつ下降傾向となり、12月15日には0%となっています。
その後は橙がさがり、黄が上がり100%に近づいていくにつれて、株価が上昇しているように見えます。

1月あたりから決算発表されているSP500指数を牽引しているGAFAMあたりの決算は、
全体的に良くなかった印象です。(売上高前年同期比が低い、市場予想の売上高・EPSを下回るなど)

しかしながら、GAFAMの決算が全体的に良くなかったのは去年から続いていましたから、決算が良くなかったにも関わらず、株価が上昇している点については、
予想金利が与えるインパクトというのはなかなか無視できないような気がしています。

では、去年の9月最後あたりから10月の底値の見極めはどうやればできたのか?
という点については、FRBの大枠の方針(インフレ率との向き合い方など)、パウエル議長の発言などから汲み取っていく必要があるとは思います。

その点についての具体的な話はまた別記事で書ければと思います。

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