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おもろい副業依頼

えらい久しぶりになります。
2020年から滞ってました。当時はデータサイエンス、AI、データやらにハマってました。元々文系脳で、理系脳を得ようと独学をしていましたが、つい先日まで約1年と2ヶ月ほど、プロのデータサイエンティストの方から師事を賜り、実践やら読書を行い、一旦、お休みということで、今月か来月からデータ分析の副業をやろうと思っています。

さて、昨年の春くらいからカメラやGoProで撮影の仕事を探していました。元々車とバイクが好きで、あまり同じ場所にジッとできない性格もあって、移動をして都会にはないところへ出向いていろんな景色を撮ってみたいと思ってました。

先日、面白い依頼があったので応募してみました。

「大阪」「奈良」「和歌山」「京都」の神社やお寺の写真を撮ってほしい。住まいが大阪府南部なので、これはバイクで出向いて撮影できるからちょうどええか、と思い、ちょっと欲張って、これまでにも和歌山、奈良、大阪、兵庫と愛車のバイクで出向いて駅舎、葬儀場などの写真撮影、日没の動画、車載動画とか撮ってきたことがあるので、大阪、和歌山、奈良、京都は撮影できます、とダメもとで応募しました。

翌日に返事があり、「西國33ヶ所の撮影をお願いしようと思っています。納期は7月中でいいので、◯万7千円でご予算はいかがでしょうか。」大阪、和歌山、奈良、京都で合計25ヶ所。1件だいたい1,000円と少しだった。

西國33ヶ所で検索してみる。ええサイトがあった。

和歌山は3ヶ所やけど、青岸渡寺というお寺は那智勝浦(和歌山のかなり南端のあたり)にあり、奈良は長谷寺、南円堂、京都府は成相寺は天橋立、松尾寺は舞鶴市、穴太寺は亀岡、西山善峯寺は西京区の山の奥、三室戸寺は宇治、醍醐寺は伏見の醍醐と京都市内からえらい離れすぎてるので、値段交渉をして単価を上げてもらった。

試しに自宅から一番近かった、「施福寺」へ撮影に行ってみた。

槇尾山という山の麓に駐車場があり、すぐに近くに茶屋があるので、ペットボトルのスポーツドリンクを念の為買って、入山した。最初に八丁という杭があった。八丁、これは距離か、どれくらいだろう、調べもせずに結構な急斜面を登り始めた。すぐに下山してきた人が、涼しい、清々しい顔をして通りすがら「こんにちは、頑張ってください。」と声をかけてきて下さった。

一丁から二丁あたり行くと「山門」という立派な門に差し掛かる。仁王像が逞しくこちらを見つめている。ここに来るだけで、結構な発汗。真っ直ぐ前を見ると険しい傾斜の上りの山が覗ける。実際に登り始めるが、行けど、行けど、全然寺のような建物が見当たらない、後で分かったが八丁は約870メートル、これが平坦ならいいが、見上げながら石段を登るような道中。汗だらけで山頂の施福寺に到着。

この仕事、やれるのだろうか・・・。あと24ヶ所もある。
実はこの記事を書いている時点で、既に24ヶ所の撮影を終えていて、残すは大阪の勝尾寺だ。思いおこすと、同じように険しい山、本堂までの距離のあるお寺は、金剛宝寺(紀三井寺)、青岸渡寺、壺阪寺、長谷寺、清水寺、醍醐寺。当日の京都府と奈良県の最高気温は40度近く。

不思議なもので最初の小寺が施福寺でよかったかもしれない。このお寺が最も参詣道が酷。でもお参りと撮影をして下山するときは何か清々しかった。青々とした緑、お寺によっては綺麗に生けられた紫陽花や蓮、何よりも地方にあるのが、とても新鮮だった。

穴太寺(京都府亀岡市)

お寺によっては様々な顔がある。
お寺だけでなく、庭、参詣道、駐車場まで行き届いているところもあれば、参詣者からの寄付、寄進を募りながら、寺務所の人が本堂の修復をしているお寺もあれば、醍醐寺のような超巨大なお寺もある。でも一貫しているのは、遥か古より、同じ状態が保存され、当時の習慣、教え、風習、景色、行事が継続されていることだ。もしかしたら最もSustainable(持続可能)な場所かもしれない。だからこそ、拝観料や、お賽銭、人によっては祈祷や献灯を惜しみなく捧げているような気もする。

行願寺(革堂)(京都市中京区)

大阪の総持寺から京都府に向かって撮影をこなしていくと、お寺にある季節の草花にも注目するようになっていた。バイクで駆ける田舎の府道や国道、渓流沿いに走るのはとても気持ちいい。昔の人は歩いて33ヶ所を巡るとなると人生のうち、どれくらいの時間をそれに捧げていたのだろうか。

ただの撮影の案件ではない気が次第にしてきた。副業であるので、儲けもそうなのだけど、ご利益はあるだろうし、何よりもその土地、土地の風土記や歴史にも興味が湧く。訪れるお寺の歴史、なぜその地にお寺が出来上がったのか、なぜ西國33ヶ所の巡礼が形成されたのか、いろんなことを考え、京都府での撮影は西舞鶴に1泊、京都市内は中京区のおしゃれなカプセルホテルに泊まったが、少し歩くと六角堂があり、そのお寺には独特の刹那と歴史を感じたが、このような依頼がないと決して泊る機会には巡り会えなかっただろう。清水寺や長谷寺、醍醐寺などは観光名所でもあるが、全然マイナーなお寺にもなぜか魅力を感じたし、できるだけたくさんの人に人生のうちに訪れて欲しくなった。

清水寺(京都市東山区)

僕は外資系の航空会社に勤務している。幸いなことに6月最終週から、本社の人たちは約3週間のサマーバケーションに突入するので、今回有給休暇を利用してこのお仕事に挑んだ。一昨日に京都の醍醐寺、奈良県の南円堂を撮了したが、正直、熱中症と腰の痛みが今も続いている。でも達成感はかなりある。何よりもたくさんのお寺で受付している人、今の季節にしかないお寺の景色、風景を維持してくれている方、その土地土地でお世話になった人、何よりも今回こんな過酷だが、貴重な経験を与えてくれた依頼者の方にお礼が言いたい。

人生は一回しかないし、仕事とは拘束時間がとても長いものであるが、僕はこれからだんだんそういった時間の在り方も変わっていくと思う。

いつも手を動かし、世のため、人のため、能動的に仕事をしていく方が、これからの社会とか生き方やウエルビーイングとしても向いているのかもしれない。それにしても愛車のYamaha SR400、よくこの酷暑の中、走り遂げてくれたなぁ。

京都舞鶴港 第3埠頭にて

県民割、地域クーポン、7月15日までのようだから、今度は奈良の十津川村あたりに完全にオフとして温泉と村の生活を楽しみたい。

久しぶりの投稿でしたが、真夏は一年に一回しかないから、7月、8月も楽しんで行きたいもんです。

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