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KUZU

あんな奴、死んでしまえ!!


私はこんな台詞を簡単に吐いていた。

数年前は、「こんなクズになりたくない」と思ってた。

でも、今は誰かの為に良い人間を演じてるのなら、クズだと思われても自分の好きな生き方をした方が良いと思った。

例えばこんな事だ。

幸せな人を見て「良かったね!」と笑顔で言える人間を辞めた。

嫌いな人間を好きになろうとか、仲良くしなきゃとか思うのは辞めた。

体調悪くても、笑顔で頑張るのを辞めた。

したくない親切を無理にするのを辞めた。

ポジティブシンキングで頑張るのを辞めた。

誰かれ構わず親切に、平等にするのを辞めた。

家族の為に自分が頑張ろうと思うのを辞めた。

私がやらなきゃ…と一人で頑張るのを辞めた。

自分の気持ちを押し殺してまで、良い発言なんかするのを辞めた!!!!

私はとても良い人間と言われてた訳ではなかった。

でも、真面目さと礼儀を忘れない人間であったから、今まであちこちで信頼されて生きて来た。

誰かに評価されなくても、私なりの優しさを陰で頑張ってた。

でも、私の親切は当たり前に受け取られ、私の努力は当たり前に無視されてた。

頑張っても誰も褒めてくれないし、気づく事もなかった。

自分が優しさを与えても、むしろ冷たい仕打ちで心を引き裂かれた。

どんなに努力しても、私には手に入れられない物があるのだと知った。

心の崩壊だった。

二年か三年…

私は彷徨ってた。

壊れた心を抱えて、記憶の無い人生を歩いたと思う。

「記憶の無い人生」

それは、記憶に何も刻まない生き方。

誰に会っても

どんな事があっても

心に何も響かない

空の色も、日常も見える未来も…全てグレーだった。

だから、どんどん腐ってた。

あんなに前向きに生きてた自分が嘘のように思えた。

ネットを見ると、皆はこぞって幸せアピールや、成功した話や、楽しい生き方を自慢してる。

どんなに努力しても、恵まれない人間がいる事をまるで無視したかのように。

人の人生は、楽しいことばかりじゃない。

自分のことだけなら楽しく生きられる事も、誰かの為に生きる事で辛くなったり、惑わされたり、傷つけられる。 

まるで自分だけが不幸の中にいるようなそんな気持ちになっていた。

あの頃、私は何も生き甲斐を見出すせず、ただ「早く死にたい」とばかり思ってた。 

心が病んでいた。








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