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【初心者】でもこの記事を見れば飼える!!大人気!”フトアゴヒゲトカゲ”の基礎的な知識・飼育の方法【まとめ】


どうも、“TomiReplog“のトミーと申します。

今回は“フトアゴヒゲトカゲ”と言うトカゲについてご紹介していこうと思います。

私は現在、実際にフトアゴヒゲトカゲを飼育していて、以前にも複数飼育していた経験があります。

そして、その個体達の繁殖にも挑戦し”孵化”させることにも成功しています。

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この記事を読むことで

・フトアゴヒゲトカゲの飼育から得た基礎的な知識
・他のトカゲの飼育にも応用できる”フトアゴヒゲトカゲ”の飼育方法

を学ぶ事ができます。


最近ペットで“爬虫類”を飼育することがプチブームになっています。

昔から“爬虫類=悪者”と言うイメージが強く根付いているこの世の中に
私の大好きな爬虫類が一般の人にも認知されて人気が出てきていると聞くと、とても嬉しく思います。

爬虫類は一定の種類を除いて声帯を持たないため、鳴き声を発しません
そして爬虫類の体から臭いはしないですし、全体的に寿命が長い種類が多くいます。(例外で短命な種類もいます)

上記の面から飼育しやすい生き物として注目されています。

しかし爬虫類は、犬や猫のように”懐く”事はありません。

犬猫などの哺乳類とは違い、爬虫類は基本的に野生では常に単独で行動をしている生き物です。

今回紹介するフトアゴヒゲトカゲは、その爬虫類の中でも比較的人に慣れやすく、餌をくれる人を覚えて近寄ってきたり時々見せる仕草が可愛かったりと、実際に爬虫類を飼育している方にも、飼育していない方にも比較的知名度が高く人気があり、とても魅力が多い初心者向けの飼いやすいトカゲとして有名な種類です。

私が学んできた知識と経験からフトアゴヒゲトカゲの魅力をお伝えする事ができたらとても嬉しく思います。

それでは紹介していきます✨

【フトアゴヒゲトカゲ】

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●分類

爬虫網有鱗目アガマ科アゴヒゲトカゲ属フトアゴヒゲトカゲ
まず最初に、フトアゴヒゲトカゲはアガマと言う科に分類されています。

トカゲには、オオトカゲ科、スキンク科、今回紹介したアガマ科など、、、様々な種が存在します。
※ちなみに日本でよく見かけるツルツルとした見た目のニホントカゲはスキンク科のトカゲに分類されています。

●特徴

全長は40〜50cmほどの大きさになり、メスよりオスの方が大きくなります。〈品種によっては“60cm”に達する個体もいます〉
大きな頭と太くて扁平な体を持ち、体の半分強が尻尾であるため実際の数字よりも小さく見える事も。(⇦個人の意見です)
寿命は10〜15年ほどと言われています。
爬虫類は、他の動物と違って”総排泄口”と言う尿と糞を同じ場所から排泄すると言う特徴を持っています。ちなみに産卵の時も総排泄口からが排泄されます。

オスは興奮時に顎(喉元)が真っ黒く色付き、”ボビング”と言う頭を上下に振る行動を見せます。そして、”ヘミペニス”と言う2本の生殖器を尻尾の裏側の付け根に収納しています。そのことにより、尻尾の裏側に2本の線が見えます。
メスにはその2本の線がないことと、上記の行動とは違った”アームウェービング”と言う、人間で例えると”手を振る”ような行動を取ります。
それらの特徴を見て雌雄を判断します。


【名前の由来】

・なぜ、“フトアゴヒゲ”と言う名前がついているのか?
きっと気になっている方もいらっしゃると思うので、簡単に解説していくと、、、
“フトアゴヒゲトカゲ“と言う名前の“フト”は、体の“太さ”から取られています。
・また“アゴヒゲ”は顎(喉元)に並ぶ棘状の鱗が“顎髭”のように見えることから、
“太い体の顎髭を持つトカゲ”=“フトアゴヒゲトカゲ”と言う名前がつきました。
※オスが“縄張り争い”“メスをめぐって戦う”時や“外敵に狙われている”際に興奮したとき、顎(喉元)を傘のように膨らまして怒ります。
その時に顎(喉元)を真っ黒にして威嚇するのですが、その事も“顎髭”のように見えた要因なのかもしれません。
※下の写真は以前私が飼育していたフトアゴヒゲトカゲで下がオス、上に乗ってこちらを見ているのがメスの個体になります。
オスの個体の方が大きく、喉を膨らまして黒く色付いているのが見ていただけると思います。

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●生息地・生態

フトアゴヒゲトカゲは、オーストラリア中央部の比較的“乾燥した平原”“乾燥林”“砂漠”“岩礁地帯”など様々な場所に生息しています。

主に昼行性で基本的には”地上棲”ですが、木にもよく登っていて現地でも太い木の幹にいる姿もよく見られているので、“半樹上棲”といっても良いのかもしれません。
※フトアゴヒゲトカゲの棲むオーストラリアでは“野生動物”の輸出を禁じていて、そのため、野生のフトアゴヒゲトカゲが国内で流通することはまずありません。
現在ショップなどで見られる個体は、全て“国内”“海外”ブリーダーさんによって飼育下で繁殖された個体〈C B個体〉になります。
上記にもある通り、“C B個体”とはC〈Captive〉“捕えられた”“捕えた”、B〈Bred〉(breedの過去形)“繁殖された“と言う意味で、飼育下繁殖個体の事を言います。

↓この写真は上で紹介したオス個体が小さい頃のものです↓

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●飼育に必要な物

次は飼育に必要な物について、お話ししていきます。
まずこれは一番大事なことなので知っておいてほしいことなのですが、
フトアゴヒゲトカゲを含む爬虫類は変温動物と言って、外気温で体温が左右される生き物です。

なので、飼育するには温度を一定に保つための設備が必要となってきます。

①飼育ケージ内を温めるための保温器具

②体を温める太陽の代わりとなる熱を発するライト〈バスキングライト

③爬虫類の成長にはカルシウムが必須になります。摂取したカルシウムを効率よく吸収するためにはビタミンD3が必要で、そのビタミンD3は紫外線を浴びることによって体内で作られます。よって紫外線ライトが必要となります。

④各種ライトを固定、照射するためのソケット

⑤飼育していくためのケージ(爬虫類専用のケージが売っています)

⑥外敵に襲われないように朝と夜は体を隠して眠るのと、体温が上がりすぎた時の避難場所として日陰の役割も果たしてくれるので、隠れるためのシェルター

⑦ガラスで床がツルツルしていると落ち着かなく生体のストレスになってしまうため、足を滑らせないための床材(爬虫類専用の砂、ペットシーツなど)

⑧飲み水を入れるための水入れ(市販で売っている物、または百均で売っているタッパーなど)
などが必要となってきます。


では具体的に私が使っていた、使っている物を紹介していきますね。

①保温器具・みどり商会 【暖突】
こちらはケージの天井につけるタイプの暖房です。
サイズはS、M、L、ロング、タイプがあります。
他のライトと比べると、ゆっくりケージ全体を温めてくれるので乾燥しにくく冬場でも使いやすい保温器具です。

・エキゾテラ ヒートグロー
こちらは、赤外線を発するライトです。点灯した時の色は赤色の光になります。
50w、75w、100w、150wと様々な大きさに分かれているのでケージの大きさに合わせて選ぶ事ができます。
※上記でご紹介した暖突と違ってライトなので、つけた瞬間から熱を発して温めてくれるので温める速さで言ったらとても早いのですが、少しでも水滴などが付くと”割れてつかなくなってしまう”ので少し使いにくいと個人的に思います。

・みどり商会 ピタリ適温シリーズ
こちらは、底面からゆっくりと温めてくれるシートヒーターと言うタイプの保温器具です。
人間の物で例えるなら床暖房ですね。
こちらも様々なサイズが売られています。

②バスキングライト
こちらは熱を発し、太陽の代わりとなるライト”バスキングライト”です。
この商品もつけた瞬間から、照射した一部のスポットをかなり高温にしてくれるライトになります。
※上記でご紹介した赤外線ライトと同様、少しでも水滴などがつくと割れてしまう原因になってしまうので、気をつけましょう。

③紫外線ライト・エキゾテラ 紫外線ライト REPTILE UVB150
こちらは、紫外線を発して昼行性の爬虫類の成長を促してくれるライトになります。
w数は13w、26wの2種類です。
そして、紫外線ライトには爬虫類の生息環境に応じて波長を変えたタイプの物もあります。
フトアゴヒゲトカゲを飼育するなら、紫外線の波長が強い150と表記されているオレンジ色のパッケージのタイプをお勧めします。(私もこちらのタイプを使っていました。)

④ソケット
こちらは、各種ライトを固定するためのソケットになります。
さなざまなタイプの物が販売されていますが、ソケットに関してはそこまでこだわる必要はないのかなと思います。

⑤飼育ケージ
こちらも色んなメーカーさんから出されているケージが多数ありますが、
今回は私が実際に使っているケージをご紹介させて頂きます。

・エキゾテラ グラステラリウム
様々なサイズがあり、飼育する爬虫類に合わせたケージを選べます。
扉が外開きになっているケージでとても使いやすく
定期的な掃除がしやすい印象です。

・三晃商会 パンテオン
ホワイトタイプ、ブラックタイプがあり清潔感あふれるデザインのケージです。
ケージの強度がかなり強いです。
扉はスライド式で横にスライドさせて開けるタイプのケージになります。

⑥シェルター
外敵から身を隠す、寝床、日陰としての役割を果たすシェルター。
こちらも様々なタイプの物が販売されていますが、私が使っている物を紹介させて頂きます。
・スドー ロックシェルター
サイズが小さい物から大きい物まであるので、生体にあった大きさの物が選べます。

⑦床材
床がガラスでツルツルして滑ってしまう状態だと、足が上手く踏ん張れず生体が落ち着くことができなくてストレスになってしまうため、足を滑らせないための床材を敷く必要があります。
床材は、素材によって誤って飲み込んでしまう可能性もあるため、
私は犬や猫に使っていたペットシーツを主に使っていました。
ペットシーツなら誤飲することもなく安全です。
※ちなみに匂いがついているタイプの物もありますが、フトアゴヒゲトカゲの嗅覚を阻害してしまう可能性があるので、匂いがついていない普通のタイプの物を使いましょう。

⑧水入れ
フトアゴヒゲトカゲは乾燥した地域に生息していますが、意外とよくお水を飲みます。
なので飲み水を入れるための容器も必要です。
水入れも爬虫類専用の物が売っていますが、百均などで売っているタッパーなどでも代用できます。
見た目などを重視する方は専用のものをお勧めしますが、
私の家では、爬虫類の水入れには”タッパー”を使用することが多いです。
爬虫類専用の水入れも種類とサイズが豊富にありますので、参考までに。

●飼育温度

次は飼育温度についてです。
飼育ケージ内の温度は、
⇨全体が“25〜30℃”程度になるようにします。
そして体を温めるために一部だけ高温になる場所を作ります。
※その場所をホットスポット、または“バスキングスポット”と言います。
⇨そのバスキングスポットの温度は“40〜45℃”程度になるように設置します。
※ちなみにフトアゴヒゲトカゲを含む爬虫類は暑さに弱い面があります。
夏場の暑い時期に温度が上がりすぎると、人間と同じく熱中症になってしまう危険性があるので温度の管理には注意が必要です。
飼育する環境によっては全然温度が確保できなかったり、逆に温度が上がりすぎてフトアゴヒゲトカゲを弱らせてしまう可能性も考えられるので、
まずは、お家の中の温度を計って年間を通して温度が安定している場所を探しましょう。

●餌について

続いて、フトアゴヒゲトカゲが食べる餌のことについてもお話ししていきます。
フトアゴヒゲトカゲの食性は肉食傾向の強い雑食です。
簡単にまとめていくと、ベビーの頃は基本的にコオロギなどの昆虫を主に食べていて、アダルト(大人個体)になるに連れて食性が植物食傾向に変化し、小松菜青梗菜、にんじんなどの野菜も食べるようになっていきます。


【成長過程のエサの変化】

・赤ちゃん〜成長期の個体 ⇨ “昆虫がメイン”

・成長期〜大人になる途中の個体 ⇨ “昆虫メインで野菜も混ぜて与える“

・完全な大人の個体 ⇨ “野菜主食でおやつ程度に昆虫”
と言うように餌を与えるようにしていきます。

●餌の種類

苦手な方もいらっしゃると思うので、昆虫類は簡単な説明をさせてください。

・フタホシコオロギ
名前の通り、成虫になると羽の付け根に2つの模様が出てきます。
フトアゴヒゲトカゲの基本的な餌はこのコオロギになります。

・ヨーロッパイエコオロギ
見た目がクリーム色のコオロギで、上記で説明させて頂いたフタホシコオロギと比べると小型の種類です。
フタホシコオロギよりもストックがしやすく、生きた餌虫でよく起こる買ってきて数日で死んでしまう事が少ないコオロギです。

・ミルワーム
ペットショップなどでよく見かける事が多い、餌虫です。
栄養価に含まれるリンの値が、他の虫より多いことから
爬虫類の餌として適さないと言われる事が多いです。

・シルクワーム
蚕の幼虫として有名な虫です。
ミルワームより体が柔らかいので、フトアゴヒゲトカゲが好んで食べてくれます。

◯与えていい野菜類は・・・
小松菜、青梗菜、水菜、豆苗、大根の葉、かぼちゃ、ニンジン、とうもろこし、バナナなどの果物、を葉野菜主体でバランス良く与えていくのがベストです。

×逆に与えてはいけない野菜は・・・
ほうれん草、玉ねぎ、ニンニク、ねぎ、などです。
ほうれん草にはシュウ酸という爬虫類にとって欠かすことのできない“カルシウムの吸収”を阻害してしまうと言われています。

玉ねぎは溶血性の貧血を起こしてしまう可能性があり、与える野菜として適していません。ネギ属の野菜は避けて下さい。
キャベツやブロッコリーは少量与える分には問題ないようですが、与えすぎると甲状腺腫を引き起こす可能性があるため、それらを主体にして与えないよう注意しましょう。

※個体によっては、全く野菜を食べてくれない個体もいるので
そう言った場合は、上で紹介した餌となる昆虫に野菜を与えて間接的に栄養を摂取させる“ガットローディング“と言うやり方もあるので覚えておいてください。

また、最近は爬虫類を飼育する方が増えた事により、昆虫が苦手で与えられない方に向けて人工の餌が販売されるようになってきました。

人工の餌の良いところは全体的な栄養のバランスが良い所なのですが、
人工の餌は、人間で例えるとジャンクフードのようなものと言われているので、とても太りやすくなります。(※個体差あり)
爬虫類は野生では、とても質素な暮らしをしているので“肥満”になると内臓の疾患などで早くに亡くなってしまう可能性があります。
一番良いのは従来の昆虫を与えていくのがベストですが、
どうしても苦手な方は、人工のエサを与えていくのを主にして、飼育している子のために徐々に昆虫に慣れていき、野菜も含めた両方を与えていくことができたらとても良いと思います。

●品種(モルフ)


フトアゴヒゲトカゲにはかなりの数の品種が存在します。
今回まとめて紹介しようと考えていたのですが、あまりに多いのと品種の写真などが私の飼育した子達では全く足りないので、品種の参考になる書籍を紹介させていただこうと思います。

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見るだけでもとても面白いので
興味がある方は、ぜひ購入してみてください。

●まとめ

今回の記事では“フトアゴヒゲトカゲ”の基本的な知識と飼育方法についてご紹介させて頂きました。
私のこの記事を読んでいただくことで爬虫類に少しでも良い印象や興味を持っていただけたり、今後フトアゴヒゲトカゲを含めた爬虫類を飼育する方の力になることができたらとても嬉しく思います。
今後もフトアゴヒゲトカゲに限らず、他の爬虫類や動物に関する知識や情報を記事にしていきますので、またお読みいただけたらと思います。

ここまで長い間お付き合い頂き、本当にありがとうございました。
またお会いできることを楽しみにしています。

TomiReplog トミー🦎

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