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自我【生後6ヶ月】

娘が生まれるまで、子どもの成長を月齢ごとに祝う意味がよくわからなかった。

でも、子育てしてみてやっとわかった。子の1ヶ月の成長は、大人の数年分をぎゅっと凝縮しても足りないくらい目まぐるしいスピードなのだ。

娘が生まれて今日で半年。娘はこの半年で体が倍以上大きくなり、感情表現できるようになり、物を掴めるようになった。こうしてできることが増えていき、自我が少しずつ芽生え、自分の意志で自由を手にしていく様子を見守れるから嬉しいのだ。

子育てしながら過ごす日々はとにかく慌ただしい。何をするにもふたり分の準備が必要だし、娘の予想外な反応で思った以上に時間がかかってしまう時もある。ひとりで自由に過ごせる休日も月に数回ほど。出かけるために事前の家族への相談も欠かせない。自由な時間は限られているし、なかなか会いたい人にも会えない。

それでも、娘と過ごす毎日は”大変”よりも”面白い”と感じる出来事の方が多くて今のところ楽しい。(もちろん大変さだってあるけれど)娘がいると仕事の緊張感や日常のモヤモヤなどすべてをやさしく溶かしてくれるようなあたたかい瞬間と、ジェットコースターみたいにハラハラドキドキする瞬間が同居していて、毎日が新鮮で面白い。


から一転し、最近は慌ただしい毎日を過ごしている。

生後5ヶ月を迎えた翌日、いつもの場所に娘を寝かせてキッチンで作業していたら、娘が唸りはじめて、様子を見に行ってみたら寝返りしててびっくりした。

それから約1ヶ月経ち、最近は軽やかな身のこなしで寝返りができるように。うつ伏せをキープできる時間も増えて、うつ伏せから仰向けにコロリと体制変更するのも余裕な様子。放っておくと永遠に左回転し続けるし、部屋の半分ほどは自分ひとりで回りながら移動できるようになって、目が離せなくなってきた。

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写真は体が引き締まってしまう前にと撮影したちぎりパン風フォト。まだちょっと早かったけど今しかないむちむちの様子が撮れてよかった。


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1月1日から離乳食を始めた。ごはんを見せると前のめりな姿勢で口をパクパクしながら待っている。10倍粥からスタートして、にんじん、りんご、バナナ、パン粥、しらす、豆腐、卵黄など、少しずつ新しい味に挑戦している。

まだ苦手なものも多いけど、食事の楽しさはわかり始めているみたい。嫌なことがあったとき、おいしいものが気持ちを救ってくれたりする。だから、おいしいものを食べる時間を好きになってくれそうで嬉しい。

離乳食づくりは正直面倒だ。でも、娘の”はじめての味”への反応見たさに、なんだかんだ日々新しいレシピを作っている。大人になると自分の好きな味はわかってきてストレスがない一方で、そこまで大きな感動もない気がする。でも、子どもはいろんな”はじめて”や偶発的な出合いに満ちた日々を過ごしているからそばで見てて飽きないし面白い。


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笑顔の時間が増えたり、声をかけると振り向いたり、少しずつコミュニケーションが取れるようになってきて楽しい反面”自我”も芽生えてきた。

姿が見えなくなると一瞬で泣くし(割とギャン泣き)、仕事をしていてかまってあげられない時は何かを伝えようと必死で話しかけてくる。なるべく楽しませてあげたいし、一緒に遊びたいけれど仕事が忙しい日はなかなかそうもいかなくて、仕事と育児の両立が難しくなってきた。

最近は娘からの熱視線もすごい。部屋のどこにいても、チラチラと私の居場所を確認してるし、目が合えば満面の笑顔を見せてくれる。朝起きて隣を見ると、付き合いたての彼氏のように穏やかで優しい表情でこちらを見ている。(本当にありがたい)

そんな娘を見ていると「会えて嬉しい」「遊んでくれて楽しい」と気持ちがシンプルに伝わってくる。大人になると色々考えすぎてしまったり、意地を張ってしまうこともあるけれど、素直さって大事だなと改めて思った。

4月からは娘の保育園も始まる。育児と仕事がグラデーションのように共存する生活も、あと2ヶ月で終わり。思い切り仕事したい気持ちもあるし、ひとりの時間が増えるのは嬉しいけど、娘と過ごす時間が減ってしまうと思うと寂しい気持ちもある。今しかない貴重な時間をもっと楽しまなければと思う。


 

出産してから小説を読んだり、本を読んだり、映画を観る時間が減ってしまったので、今年はコンテンツに触れていきたい。最近、子育てエッセイを2本読んだ。

さくらももこさんの『そういうふうにできている』は、妊娠・出産時期の日々を描いた1冊。感情だったり、体の変化だったり、自分の思い通りにいかない出来事が立て続けに起こるエピソードに共感しながら読んでしまった。山崎 ナオコーラさんの子育てエッセイ『母ではなくて、親になる』は、自分の中の常識やバイアスを疑うことって大事だなと考えさせられるような箇所がたくさんあった。言葉をもっと大切にしたいと思えた1冊。

近いテーマの作品に同時期に触れると、共通する部分も多くより自分の頭の中にすとんと入ってくる気がする。今は原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読んでいる。次は何を読もうかな。

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