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在宅での死亡時に救急車でかかりつけ医に行ける?

Q.在宅での看取りについて、もし、気づいたら亡くなっていた時、死亡確認のため救急車でかかりつけ医に行く事ってできるのでしょうか?それが可能なら自宅での最期を考えています。

A.   在宅で急に亡くなった場合の救急車対応については、前回お答えした内容も含めて参考にしていただければと思いますが、ご質問にあった救急車でかかりつけ医に行くことはできるかについては、地域の開業医の先生がかかりつけ医の場合は、そこに救急車でお連れすることはできません。救急車で運んでくれるのは救急指定病院になります。

付け加えて、もし、看取る対象となる方が老衰も含めて病状的にもそう長くないかもしれないと考えられて在宅での看取りを希望した場合に、必ず必要なのは在宅に往診に来てくれて、亡くなった後死亡確認をしてくれる医師になります。

・日頃からみてもらっている馴染みのあるかかりつけ医が、地域の開業医の先生ならば、在宅への往診と看取り(死亡確認)が可能か確認して下さい。

・大学病院などのように、救急指定病院となっているところの医師がかかりつけ医の場合は、往診、在宅での看取りをしてくれる医師を探し、依頼する必要があります。

かかりつけ医を変更するときにはこれまでの経過を確認するために、前のかかりつけ医に「紹介状」や「診療情報提供書」をお願いすることが多いです。

これは在宅での看取りに必ず必要なものではありませんが、やはり在宅で看取る先生の立場からすると、経過を知っておく必要があるためです。

往診医(訪問診療医)を探す場合、相談窓口としては大きな病院で相談室があればそこへ。または地域の相談窓口となっている「地域包括支援センター」があります。

地域の開業医の先生ですと、往診をしていない先生もいらっしゃいますので、在宅訪問診療を行っていて、夜間対応や在宅での看取りも行っているところをお願いするのがよいと思います。(選ぶポイントは前回のご質問に対する回答をご参照ください)

これらの準備をできるだけ早めに行うに越したことはありませんが、そうはいってもどんな状態でもなかなか死期を予測するのは難しいです。ただ、とにかく亡くなる前に1回でも往診に来ることができればよしと考えた時は、受けてくれる往診医を探してから看取りまで、1日〜2日で準備できないことはありません。

例えば朝、相談窓口や直接探して往診医をみつけ、タイミングよくその日のうちに往診対応できれば、その日の夜にお亡くなりになっても在宅での看取りが可能です。ですので、もし在宅で看取りたいというお気持ちがあるなら、諦めずにすぐに往診医を探してください。

実際のところは、ご家族が以前どなたかを看取った経験があったり、介護の経験があったりすれば、往診医を決めておくだけで在宅での看取りは可能かもしれませんが、亡くなるまでの経過を看ることを考えた時、ご本人の安楽やご家族の対応も含めて、やはり訪問看護師も往診医と同様依頼した方がいろいろな面で安心です。

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冨澤文絵プロフィール

20年以上看護師として終末期医療、地域医療、在宅医療の現場を経験。
2015年には中野で「しいの木訪問看護ステーション」を立ち上げ。
在宅での看取りや旅立ちの日まで地域で暮らす人たちに深く関わった。

現在はNPO法人コミュニティケア・ライフの代表として、
地域の中で最後まで自分らしく生きるためのコミュニティの創出を目指している。

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