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【完結】急遽、一時帰国することになりました 🇱🇧😢

レバノン1部リーグで、プロサッカー選手として生活していた時間に幕が閉じた。

私は、サッカーを通して海外挑戦を続ける23歳。

これまで、ポルトガルで2シーズンを過ごし、3シーズン目の挑戦は「異国の地 : レバノン」であった。

今年の8月から始まった前期リーグも半分が経過。個人としては、苦しい経験が多かったが、その分"充実した日々"を過ごしていた。

(トレーニング風景)

しかし、10月初旬に、イスラエルとガサ地区の間で、激しい戦争が勃発した。この戦争は、世界的にも大きく取り上げられており、遠い日本の地にも情報が入ってきていた。

この戦争は、近隣地域にまで影響が拡大されており、イスラエルの上部に隣接するレバノンは、戦争に一部入り込む形となった。

私は直接確認出来ていないが、レバノン首都「ベイルート」市内でも、デモや拉致、銃撃戦が行われているらしい。

一般市民は狙われないが、むやみに外出をする事は当然出来ない。

ただでさえ、アジア人が1人で外出していたら目立つのに、この時期に外出するのは危険すぎた。

そんな危険な状況でサッカーをしていた私は、流石に身の危険を感じた。

最初は、すぐ近くで戦争が行われている実感が湧かなかったが、数日経って、感じたことのない恐怖心が襲ってきた。

「サッカーしている場合ではない」

このとき、自分の中で色々考えさせられるものがあり、「自分の命をもっと大切にしよう」と、心から思った。

(トレーニング風景)

レバノン1部リーグについては、多少の変更はあるが、ほぼ通常通り行われる予定だ。

サッカー面に関して、ここ最近の私は、結果を残し続けていて、凄く調子が良かった。

(前回のnoteで述べているが)今までの苦労が一つ一つの報われ、監督やコーチ、チームメイトから信頼されるようになり、徐々に楽しくなってきたタイミングだった。

チーム状況も含めて、私の立ち位置は公式戦に絡む必要不可欠な存在であった為、チームの経営陣は、私の帰国を強く止めてきた。

「帰国させてほしい自分」vs「チームに残ってほしい経営陣」で、1週間ほどやり取りを行っていた。

(トレーニング前の風景)

近隣で激しい争いが行われる不安定な日々を過ごしていて、私は一つ大きな感情を抱いていた。

それは「親を不安にさせている事」であった。

普段、私は海外にいても親とほとんど連絡を取らないが、この時期は、親が私のことを凄く心配して、毎日連絡が来た。

親の気持ちを考えると、とても心苦しかった。

そして、私はチームの社長や監督、コーチに無理を言って契約解除してもらった。私は、契約解除した日の夜に即帰国。

チームには申し訳ないけど、私は正しい判断をしたと思っている。

帰国日当日、気持ち良くない別れだったが、チームメイトたちは、私のことを優しく送り出してくれた。その部分は、本当に感謝したい。

(トレーニング前の風景)

命の危険がある環境は、絶対に避けるべきだが、私は「このレバノンという地で、凄い経験を積んだ」と感じた。

サッカー面と人間性の部分が「また一皮剥けた」と思う。それぐらい、短くて濃い時間だった。

次の行き先は未定だが、私のサッカー海外挑戦の旅は、まだ終わってない。

一度、自分の中で「何が1番大切であるか」を整理して、留盛聖大という人生を「どんな形に創り上げていきたいのか」ゆっくり考えたい。

サッカーで海外挑戦する事は、全てにおいて不安定からスタートする。そこから安定に変えられるかは、自分次第だから魅力的でもある。

そんな生活を何年も続けると、嫌でも成長する。

(飛行機から撮った日本)

今回のレバノン挑戦は、結果的に見ると「行って良かった」と感じるが、もし何かあったら取り返しのつかない事態になっていたかもしれない。

「時には無理をせず、一度立ち止まって見ること」も、今回の挑戦で学んだ。

ただ、立ち止まり過ぎるのも私らしくないので、「安全第一」に、これからも前進していく。こんな私ですが、これからもよろしくお願いします。

レバノン生活に感謝。〈完〉

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