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【製品開発エピソード】No.3624 合奏用「標準配列 複音ハーモニカ」はどの音域でもチグハクなしで吹きやすい

突然ですが皆さん!複音ハーモニカの中ほどの「ド」からド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドと吹いてみてください。
隣の音が混ざらないようにして、どの位の速さまでスピードが上げられますか?

次は最低音の「ド」から始めて最高音の「ド」まで吹いてみてください。低音域、特に高音域では音の配列がチグハグになるので難しいですね。

これがいとも簡単に吹けるハーモニカがあるのです。それは、低音部も中音部も高音部も、すべて同じ音配列になっているハーモニカです。
それが今回ご紹介する「標準配列・ハーモニカ」です。(図参照)

「標準配列」は、吹音「ド」をもう一つ増やし二つにしてあります。
それでチグハグ配列になるのを防いでいるのです。

独奏をする場合は、独奏用のテクニックである「ベース奏法」「分散和音奏法」を頻繁に使いますが、このとき「ド」が二つあると具合が悪い。
しかし、合奏など旋律専門の場合は、どの音域でも同じ配列の方が断然吹きやすい。そしてピアノの白鍵に当たるC調に対して黒鍵に当たる半音高いC#調とを合わせて使えば、すべての音が揃います。

合奏では各パートは旋律ですから「標準配列」を使えば曲が何調でも、曲の途中で半音が出て来ても、或いは転調しても、C調とC#調さえあれば総て間に合うわけです。
各パートの旋律は常に中音域とは限りません。
低い音のパートや高い音のパートが割り当てられるか判りません。
でもこれならどの音域でも同じ配列ですから演奏は容易です。

と言うわけで、この「標準配列」は合奏が盛んであった昭和初期には使われていたのです。

現在でも合奏主体のグループに使われています。
なおクロマチック・ハーモニカは当初からこの「標準配列」です。

★当社のカタログでは「Orchestra:教育用シングル」と同じ仲間として載っています。

★No.3624製品情報(トンボ楽器Webサイト内)
https://www.tombo-m.co.jp/harmonica/tremolo/3624.html


文章:トンボ・ファミリークラブ会長 真野泰治

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