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4年間倉庫で眠ったエンジンポンプを再生する

今日は農家さんから使っていないエンジンポンプを頂きました。
4年前にエンジンの調子が悪くなり、新しいものを購入したため、4年間倉庫に眠っていたそうです。直せたら使ってもいいよとのことでしたので修理に挑戦しました。

今回は、このエンジンポンプを動けるようにするまでの過程を紹介します。

故障の原因を探る

農機具に限らず、エンジンは素直なので、動かない場合は必ず何かの原因があります。逆に言うと、その原因を取り除けば必ずといっていいほどエンジンは復活出来ます。
農機具が動かないときは、まずはなぜ動かないのか、推理します。

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確認したのは次の点です。
①エアクリーナーが痛んでないか
②リコイルロープを引っ張れるか
③点火プラグの状態
④キャブレターの状態


①エアクリーナーが痛んでないか

古い農機具のエアクリーナーは劣化している場合が多いです。

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外してみると、案の定ボロボロになっていました。
これを入れたままエンジンを始動すると吸い込んでしまい、キャブレターがつまる原因になるので、取り除いておきました。
なかなか幸先わるいなぁと思いながら、修理を進めていきます。

②リコイルロープを引っ張れるか

ひとまず、現状でエンジン始動が出来るか試してみます。ガソリンを入れ、チョークを調整しながら、リコイルを引っ張ってみます。
はい、全然かかる気配はありませんでした。
ですが、リコイルは適度な抵抗で引っ張れているので、エンジンの焼き付きなどはなさそうです。

③点火プラグの状態

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プラグレンチを使い、点火プラグを外します。

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かなり電極が摩耗しています。型番をメモして急遽近所のホームセンターへ買いに行きました。

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新品と見比べるとえらい違いがあります。

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点火プラグの点火を点検するためには、プラグをキャップにはめた状態でプラグの先端をどこか金属に接触させた状態でリコイルロープを引っ張ります。
火花がバチバチと飛んでいたので、点火能力に問題はなさそうでした。

リコイルを引っ張れるし、点火もできるということなら、エンジンへの燃料の供給過程に問題がありそうです。
この仮説を検証するため、点火プラグをセットし直し、再びエンジン始動の操作を行いました。無論エンジンはかかりません。
その後点火プラグを取り出してみても乾いたままでした。
ということは、キャブレターに異常があるのでは?

④キャブレターの状態

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まずはエアフィルターのねじを外します。

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キャブレターを固定しているねじや、スロットルのばねを外し、本体から引き抜きます。

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本体からキャブレターが外れました。

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キャブレターを開けると、錆がバサっと出てきました。
直るかなと半信半疑でしたが、フロートチャンバー(写真下の器の部分)に全くガソリンが届いてないことも分かり、原因に近づきつつあります。

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フロートを外し、穴という穴にキャブクリーナーを吹きました。
すると、フロートチャンバーからガソリンを吸い上げる穴が詰まっていることが分かりました。
しつこくキャブクリーナーを吹きつけていると、穴が貫通し、ガソリンの通り道ができました。
これでおそらく直ったかな?
ということで、元に戻していきます。

さて動くだろうか?

元に戻したら、さてとエンジンを始動させてみます。

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復活しました!!
エンジンも快調で、ポンプも十分な水量が出ています。

キャブレターからのガソリン漏れとホース継ぎ目からの水漏れがあるため、まだ実用ではないものの、パッキン交換等をすれば、しっかり使える状態になりそうです。

修理の参考にしたもの

農機屋さんが直々に説明してくれている動画です。分かりやすくてとても参考になりました。

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