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Vol.3 売れない空室を活かしたアイディア

始めまして、Hospitality Divの上野と申します!!!
新型コロナウイルスの影響により、様々な業界が大ダメージを受け、中でもホテル業では前年比稼働率(2019)83.5%減さらには訪日外国人99.9%減とかなりの落ち込みを見せました。

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政府が施策したGoToキャンペーンでは、一時的な回復を見せたものの需要のあったホテルは偏りが生じ業界全体が救われるといいうものではありませんでした。
また、2021年に入り減少傾向にあった感染者数も現在再度増加傾向にあり、幾度となる緊急事態宣言、蔓延防止措置などにより依然として先が不透明な状況下にあります。

多くのホテルでは「空室」をどうやって埋めるか?様々な対策でこのコロナ下をしのいで来たかと思います。
今回はそんな空室の転用の仕方について、他のホテルの考え方、転用方法をご紹介できればと思います。

1.部屋からスペースへ

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私たちホテルでは今まで「部屋」を販売してきました。
そもそもの定義として、旅館営業法で「ホテルは洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる施設」とあります。
この定義からもわかるようにあくまでも宿泊のための「部屋」なわけです。
しかし現在、この需要が激減し「部屋」から「スペース」としての販売が重要になってくるわけです。
もっと細かく言えば㎠単位での販売に目を向けなくてはなりません。

例えば、プールのついているホテルなどでは、プールを区画で区切り、㎠、何時間●●円といった販売方法もあるでしょう。

こういったように、㎠当たりでのGOP、㎠あたりでの収入など新しい指標での管理、販売が必要になってくるでしょう。

2.テレワークプラン

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2020年最初の緊急事態宣言が発表され人々の移動が制限されました。
多くの企業では出社を制限し多くの会社員が自宅での仕事を強いられより需要が高まった「テレワーク」
自宅環境では家族や子供がいたり、ネット―ワーク環境が整っていない人たちが多く現れ、他のスペースを必要とする人たちのために多くのホテルが導入した「テレワークプラン」
デイリーベースでの貸し出しや、時間単位での貸し出しで、収益を上げようと多くのホテルでの導入が見られました。

中でもアパホテルがすぐにテレワークプランを販売致しました。
中でも4泊5日で1.5万円のプランはチェックインが朝8時チェックアウトが夜20時と普通のホテルではありえない範囲の時間での販売でした。

この利益度返しでの販売は注目を集め、アパホテルではこのプラン販売を広告戦略として位置づけ普段宿泊したことのない方へ一度使って頂きリピートを狙うというまさにこの逆境を利用した戦略はある一定の成功を収めたのではないでしょうか。

3.サブスクリクション

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動画配信コンテンツや音楽サービスなど多くの業界で浸透してきたサブスクリプション。
サブスクリプションとは商品の購入代金やサービスの利用料を毎回請求するのではなく、一定期間利用することができる権利に対して料金を請求するビジネスモデルです。

このモデルもついにホテル業界にやってきました。
中でも驚きだったのは、帝国ホテルが「帝国ホテル サービスアパートメント」と名したプランを打ち出しました。
注目すべきはその料金です。破格の値段設定となっており、

スタジオ/STUDIOタイプ(約30㎡)
月額(30泊)36万円(1日12,000円、坪3.6万円/月)

とかなりの勝負した価格の販売となりました。

受けつけ開始からすぐに満室となりかなりの需要があることを伺えます。
また料金にはシャンプー類、歯磨き・シェービングセット、くしなど各種アメニティ類、室内清掃ならびにリネン、タオル、寝間着類交換(一週間に3回)、コーヒーメーカー、共同利用スペース「コミュニティルーム」での朝食用のパンの提供のほか洗濯乾燥機、電子レンジ、オーブントースター、アイロン利用ができ、ホテルラウンジでのコーヒーまたは紅茶が飲み放題で、ホテル駐車場、フィットネスセンター、プール、サウナも無料。

その他ランドリー料金月額30,000円、ルームサービス月額60,000円は定額制で販売しております。
立地やサービス内容も含め、同じ場所で同じオフィスを借りることを考えるとかなりの安さとなっております。

ホテルのブランド力や立地などいろんな必要要素がありますが、サブスクリプション販売は一定の売り上げも見込めることから導入しているホテルも少なくありませんでした。

まとめ

他にもたくさんの転用方法がありますが、今回ではなかでも話題となった3つをご紹介させて頂きました。
観光需要がなくなったいま、宿泊する部屋ではなく日々使えるスペースとして考えればまた新たな活用方法が見つかるかもしれません。
ホテルの周りに住む人たちの属性や、環境といった今までターゲットではなっかたより近いマーケティングによって日々の需要が見えてくることでしょう。

・参考記事
https://www.hospitalitynet.org/panel/125000122.html

・帝国ホテル サービスアパートメント
https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/special/serviced_apartments/

・アパホテルのテレワーク応援プラン
https://www.apahotel.com/dayuse/telework/


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