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今日は、最近読んだ本の中で、私、かわみえがとてもとても感動した、こちらの本をご紹介したいと思います。

ここには、ジルという一人の脳解剖学者(神経解剖学者)に起きた、左脳の障害~回復に至るまでの実話が記されています。
(じっくり読みたい方は、先に、本を読んでからこちらの記事を読み進めてください♪)

ある朝、ジルが目覚めると、尋常ではない身体の重だるさを感じたところから、物語が始まっています。
この時、ジルの左脳の中では、脳梗塞が起きていたため、認知、言語、運動、数字などを司る分野が刻々とその機能を果たせなくなっていきます。

電話をかけるのも、番号を思い出せず、その数字の意味が分からず、本当に初めの方は読みながらハラハラします!

薄れゆく意識の中でどの様にして、助けを呼んだのか?
また、どのようにして左脳と繋がり、日常生活を取り戻し、回復へと至ったのか?
そして、再び新しい自分に生まれ変わった時に訪れた世界の素晴らしい変革について、克明に記されていました。

自分の専門分野を自分で体験して、それについて考察する、というだけでも非常に興味深い!!内容ですよね。
ある意味、科学者にとっては、自分自身を実験材料にできるという、またとない機会なわけですから。

そして、私が最も感動したのは、ジル自身が、左脳の機能がいったん停止した時に、初めて、右脳の存在を認識し、新たな世界への扉が開かれたということです。

それまで、様々な物事や他人に対して批判的で、なんでも合理的でないと気が済まない性格だったジルは、他人に対する思いやりや感謝こそが最も平和で、自分も相手も幸せになるための方法であることに気付きます。
そして、全ての平安が自分の内側にあることを悟ります

自分も世界も、すべてが一体ですべてが繋がっていることを、左脳がお休みしている間、右脳ではっきりと、感じたのでそうです。

ここには、ヨーガや仏教、またその他の自然療法や多くの東洋思想の元となる、『梵我一如』『ワンネス』『大宇宙と小宇宙』という、思想、哲学の根拠となる世界観が記されていました。

初めのうち、ジルは左脳の機能を取り戻すことによって、再び世界と断絶することを恐れていましたが、リハビリをしながら、右脳へ意識的にアクセスができるようになります。

そして、今では、現実社会で上手く生きるために左脳を使い、脳科学者としての仕事をこなしながらも、必要な時は右脳へとアクセスすることで、頭の中で巻き起こる思考の嵐を静め、平安な状況を楽しめるようになったことが記されていました。
また、以前は感情というものは勝手に起こり、自分で制御することが不可能だと思っていたことも、実は全ての感情を自分が選択していたことにも気づけるようになったそうです。

ヨーガの大切な教えの一つに、『自分の心を鎮める』ことが挙げられますが、これはいくら、左脳で考えていてもできないのだという事が、この本を読んで、よぉ~~~~く、理解できて腑に落ちました!

(※だからと言って、左脳が悪い、右脳が偉い!という、そういうお話ではありませんからね^^;)

私はヨーガを継続するうちに、「ははぁ~。さては、私が、怒ってみたり、悲しんでみたり、自分で感情を選んでいるんだな!?」と気付けるようになってきました。
(感情については、こちら↓の記事も面白いと思いますので、どうぞ~)

その結果、心を静かに穏やかにしたいと思えば、そのやり方がわかってきたので、感情が波立っていても、それも気にならなくなってきたのですね。
これも、注意深く自分の内側を見る練習を行うことで段々とできるようになってきます。

だから、地味なんですけどねぇ~(笑)

ですが、これができれば、結果的に、自分を様々な出来事、人、苦難から解放することができるわけですから、どちらを選択するか?という事だけです。

この本が本当に興味深いのは、ジル自身が、身体や呼吸を整えることが瞑想に入る(右脳へアクセス)為に必要であるのだという事も、伝えている所です。

昨今の瞑想ブームはとても良いことなのですが、やっぱり、何事にも順番があるんですよね。

そして、瞑想も、『無』になることではない。という事なんです。

出来れば、初めは瞑想を実践している人から、教えてもらうと良いと思います^^
本や人から得た知識、youtubeも、もちろん良いと思いますが、
「知識」と「実践してわかったこと」は、まったく別のものですからね。

ヨーガは実践の科学ですから、いくら知識があっても、やっていなければ、ただの頭の中のゴミと一緒ですね。

地道に、実践を重ねること。
地味に、良いことをやり続けること。

そして、自分がどういう人としてありたいのか?どんな人生に身を置きたいのか?

全ては選択できるということをこの本は伝えてくれていました。

科学者とは思えないほどの、わかりやすい言葉と内容で、私も大好きな竹内薫さんの訳なので、本当に楽しんで読んでいただけると思います!

そして、もし、こうした心や頭の静けさを体験したい方は、こんな場所があることも、覚えておいて頂けたら嬉しいです^^


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